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内燃機関超基礎講座

欧州向けに生産されていたスバルのディーゼル

アイデンティティとも言える水平対向エンジンをディーゼル化することを富士重工が発表したのは2005年のことだった。その後開発が進み、欧州市場ではレガシィに搭載された。

水平対向レイアウトの乗用車用ディーゼル・エンジンは世界で唯一である。シリンダーヘッドが2つあるために、各種のパーツも2つ持たなければならないコストアップの要因はあるが、筒内燃焼圧力の高いディーゼルエンジンにとって水平対向で往復振動がキャンセルできるメリットは大きい。実際、EE20にはバランサー機構を持たない。ボア×ストローク設定が、スバルとしては初めてスクエアになっている点にも注目したいところだ。

ディーゼルの高い筒内圧力に対応するために、シリンダー部にはセミクローズドデッキ構造を採用した。冷却性能はウォータージャケットの形状、冷却水の流し方の工夫で確保している。

ロングストローク化(EJ20と比較。実際はスクエア)で高まったデッキハイト分を吸収するためシリンダーヘッド周りは高い燃焼圧力に対応しながら、コンパクト化を徹底的に追求した。

水平対向独特のクランクシャフト。カウンターウェイト機能が最小限で済むがゆえの極小クランクウェブと非常に短いクランクピンから「カミソリクランク」と呼ばれることも。ジャーナルにはすべて鉄製焼結インサートを鋳込んでいる。

そんなスバルのディーゼルエンジンは、主に欧州向けのエンジンとして搭載され、日本に正規の個体として上陸することはついぞ、なかった。そして、スバルは2020年を目処にディーゼルエンジンの生産を終了している。

スバル EE20 主要スペック

エンジン形式:水平対向4気筒DOHCディーゼル
総排気量:1998cc
ボア×ストローク;86.0×86.0mm
圧縮比:16.3
最高出力:108kW/3600rpm
最大トルク:350Nm/1800-2400rpm
吸気方式:可変ノズルターボチャージャー
シリンダーブロック/ヘッド材:アルミ合金
吸気弁/排気弁数:2/2
バルブ駆動方式:ロッカーアーム
燃料噴射装置:直噴
インジェクター:ソレノイド式
燃料噴射圧:1800bar
VVT:×
点火順序:1-3-4-2

スバル・フォレスター(3代目)※掲載写真は日本仕様車

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