レゾナックの独自技術を用いた射出発砲成形品が「レクサスRZ」外装樹脂部品に採用される

画像1 レクサスRZ
レゾナックの独自技術を用いた射出発泡成形品 がトヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」初の電気自動車(BEV)専用モデル「レクサスRZ」に採用された。バックドアに取り付ける樹脂部品(バックドアガーニッシュ)他に採用され、従来の樹脂部品と比較し30%以上の軽量化を実現した。

従来の射出発泡成形技術※1は、外観や耐久性等において自動車部品としての要求性能に課題があったが、レゾナックは、材料、成形、金型技術を最適化することにより、2016年に世界で初めて※2外装部品に、本技術を量産レベルで適用した。また、成形材料の種類は、当初PP(ポリプロピレン)だけだったが、剛性、表面硬度、低温衝撃性等に優れるABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂にもレゾナックの技術を適用することに成功し、より多くの部位で本技術を用いた軽量化ができるようになった。

画像2 射出発泡成形技術による部品の断面

近年、自動車業界においては、カーボンニュートラルなどの環境問題へ対応するため、燃費向上によるCO₂排出量の低減が求められており、その手段の一つとして、車両軽量化の取り組みがある。特に、BEVにおいては、大型バッテリーを搭載するため、ガソリン車に比べて車体重量が重く、車両に搭載される部品の軽量化は強く求められている。

外装部品においては、樹脂部品の採用が増えているが、こういった樹脂部品においても更なる軽量化が求められている。樹脂部品は、剛性の観点から樹脂素材を薄くすること(薄肉化)の限界がきている。それを解決する手段として、剛性を維持したまま軽量化が可能で、かつ材料使用量低減によるCO₂排出量の低減が可能な射出発泡成形技術が注目されている。 

※1 射出成形時に発泡させることで、剛性を保ちながら軽量化を実現できる独自の技術。発泡させるのは内部だけで、表面はなめらかなため、自動車のなかでも特に外観品質が求められる外装部品に採用されている。


※2 レゾナック調べ(2023年3月時点で、当社と同様の射出発泡成形技術を外装部品に量産レベルで適用した事例に
ついて、特許や採用状況などを調査。)

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