コネクテッドカーの市況感|普及率50%突破、その進化と課題[自動車業界60秒ブリーフィング]

コネクテッドカーの普及率が50%を超え、日々進化している現状において、自動運転や車両制御、標準化通信技術にはまだ多くの課題が残されている。コネクテッドカーとは、インターネット通信技術を搭載し、常時ネット接続されることで様々な情報を取得・送信する車両である。これにより、道路状態の把握やトラブル発生時のサポート機能などが提供される。

2022年第2四半期には、世界のコネクテッドカー普及率が50.5%に達し、非通信機能車の販売台数を上回った。主要メーカーは純正コネクテッド機能の搭載を推進し、2035年には新車販売の80%がコネクテッドカーとなる見込みである。特に中国市場では急成長が予測され、2035年には2019年比で4.8倍の販売台数が予測されている。

コネクテッドカーの普及とともに、多様な関連サービスが展開されている。事故時の緊急通報システムeCallは、迅速な救急対応を可能にし、EUでは義務化されている。テレマティクス保険は、走行データを基に個別の保険料設定を行い、安全運転を奨励する。また、オペレーターサービスやエンターテイメント機能も充実し、運転の利便性と楽しさを提供している。

しかし、自動運転や車両制御の面では、まだ解決すべき課題が多い。通信機能を持たない車両が混在するため、完全な交通渋滞の解消は難しい。また、標準化の遅れも課題であり、ソフトウェアの標準化や通信方式の統一が求められている。

5G通信の採用は、コネクテッドカーの進化を加速させる要素である。高速大容量通信により、車両間やインフラとのリアルタイムデータ交換が可能となり、交通渋滞の軽減やエネルギー効率の最適化が期待される。また、自動運転技術の向上にも寄与し、より安全で快適な移動を実現する鍵となるだろう。

詳細を読む→普及率50%を超え、日々進化するコネクテッドカー市場。自動運転、車両制御、標準化通信技術にはまだ課題か

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