三菱重工:アウトレットモール駐車場でAGVロボットによる自動バレーパーキング実証実験を開始

三菱重工と三菱重工グループの三菱重工機械システム株式会社は、フランスのベンチャー企業であるスタンレーロボティクス社(以下、SR社)の車両搬送用AGV(Automated Guided Vehicle)ロボット“Stan”を用いた、国内商業施設で初となる自動バレーパーキングの実証試験を13日から開始することを発表した。

今回の実証試験では、三菱地所グループの協力の下、三菱地所・サイモンが開発・運営するアウトレットモール「酒々井プレミアム・アウトレット」(千葉県印旛郡)の関係者駐車場を利用し、実環境に近い形でAGVロボットによる車両の自動搬送実証を実施し、搬送性能の検証、利用満足度の評価が行われる。

自動バレーパーキング、完成車自動搬送サービスの国内展開を目指す三菱重工グループは、世界に先駆けてAGVロボットによる自動バレーパーキングを展開しているSR社との協業の下、2021年10月から三菱重工施設内での実証試験を進めてした。今回、商業施設駐車場内での実証試験を通じて得られたデータを基に、同サービスの国内事業化へ向けた取り組みを一層加速する。

三菱重工グループは、2021事業計画の成長戦略の一環として、カーボンニュートラル社会の実現に向けた「社会インフラのスマート化」によるソリューションビジネスの開拓に取り組んでおり、本プロジェクトは「CASE化※ を支えるインフラ」をテーマとするさまざまな取り組みの1つに相当する。三菱重工グループは、AGVロボットによる自動バレーパーキングサービスを商業施設、大型複合ビル、テーマパーク、空港などの駐車場にいち早く提供することを通じ、安全で快適かつサステナブルな社会の実現に貢献する。

※CASE:Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語で、安全で利便性の高い次世代型モビリティ・サービスを構築するための自動車産業界における技術トレンドのこと。

AGVロボットによる自動バレーパーキングのコンセプト

  1. 入庫:利用者は施設近接に設けられた「バース」に車両を駐車。車両を乗り捨てる感覚で駐車でき、雨の中や重い荷物を持ったまま遠い駐車場まで歩く、駐車スペースを探すといった煩わしさから解放される。
  2. 自動搬送:AGVロボットがロボット駐車エリアに自動搬送。限られた駐車エリアを効率的に利用し、収容効率をアップ。区画された駐車エリア内に保管することで、駐車場内の事故や車上荒らしを防止する。
  3. 出庫予約:帰る際はスマートフォンアプリで出庫予約。予約時間に合わせて、車両をバースまで自動搬送される。利用者は搬送状況をアプリで確認、出庫までの時間を買い物、食事などに有効活用することができる。
  4. 出庫:バースに車両を準備。利用者は待ち時間なく広々としたバース内で荷物を積み込み、ストレスのない快適な出庫が可能。
自動バレーパーキングコンセプト図

自動バレーパーキング実証実験について

  • 場所:酒々井プレミアム・アウトレット P9駐車場内
  • 日時:2022年6月13日(月)から7月1日(金)(予定)
実証エリアイメージ図

Stanley Robotics社製 AGVロボット“Stan”について

車両の長さに合わせて自動調整するプラットフォームが車両下部に潜り込み、4輪を持ち上げ搬送するAGVロボットで、屋内外・雨天時の搬送にも対応する。“Stan”は、2018年にフランス・リヨン空港の駐車場で初めて商業運転を開始、その後、イギリス・ガトウィック空港駐車場でもサービス導入されている。

Stanley Robotics社製 AGVロボット”Stan”

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