東芝製純水素燃料電池システム「H2Rex」は、清水建設の建物付帯型水素エネルギー利用システム「Hydro Q-BiC」内の燃料電池システムとして搭載され、長野トヨタ本社の建屋に電気を供給する。当システムは、長野県で初となる水素エネルギーをビルに利用するネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB※)に貢献する。
「H2Rex」は、燃料に水素を用いて発電し、電気と熱を供給する。発電時にCO2を排出せず、水だけを排出するクリーンな発電システムである。既に卸売市場、コンビニエンスストア、温水プール施設、工場など様々な用途向けに、「H2Rex」が納入されている。
今回、「Hydro Q-BiC」が屋外に設置され、冬季には気温が0℃未満となることも想定されることから、「H2Rex」の一部設計を改良し、設置可能温度を-10℃、発電可能温度-7℃を実現して、従来製品よりも低い気温下でも使用することが可能となった。
清水建設は、同社が建設を手掛ける建築物に対し、低炭素化技術に貢献する「Hydro Q-BiC」の導入を推進している。2019年7月に、「Hydro Q-BiC」実証機が福島県郡山市総合地方卸売市場に稼働して以来、2021年5月に同社北陸支店に「Hydro Q-BiC」第1号機が稼働しており、全ての「Hydro Q-BiC」へ東芝製「H2Rex」が搭載されている。
※ZEB:Net Zero Energy Building
快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。