TRIが車両デザインに生成型AIを活用
TRIの研究者は、自動車設計のための生成型AI技術で正確な工学的制約を設計プロセスに組み込む方法を説明する2つの論文を発表した。燃費に影響する空気抵抗や、ハンドリング、人間工学、安全性に影響する車高や車室寸法などのシャシー寸法などの制約を、生成AIプロセスに暗黙のうちに組み込むことができるようになった。研究チームは、コンピュータ支援エンジニアリングで広く使われている最適化理論の原理を、テキストから画像への変換を行う生成AIに結びつけた。その結果、デザイナーは、テキストベースのスタイルプロンプトを生成AIプロセスに維持しながら、エンジニアリング制約を最適化することができるようになった。
新しい生成AI技術は、設計者からのパラメータ入力に基づき、連続した反復作業で空気抵抗を最適化する。例えば、デザイナーは、最初のプロトタイプスケッチに基づき、「スマート」、「SUV風」、「モダン」といった特定のスタイル特性を持つ一連のデザインをテキストプロンプトで要求できる一方、定量的な性能指標を最適化することもできる。研究論文では、特に空気抵抗に着目されている。このアプローチは、デザインイメージから推測される他の性能指標や制約を最適化することも可能だ。