出力2.1倍!バイポーラ電極式バッテリー、トヨタの革新的技術が示す電動車の新たな可能性[自動車業界60秒ブリーフィング]

トヨタはアクアから、バイポーラ電極式ニッケル水素バッテリーを導入している。バイポーラ電極は、集電体の裏表に正負極の活物質を塗布することで、電気抵抗を大幅に減らし、電流を増大させる。その結果、電池の出力は2.1倍に向上し、ハイブリッド車用バッテリーとして注目されている。

課題は、バイポーラ電極の使用により電解液がセル間で一体化し、電池の正常な機能を阻害する可能性があることだ。これを解消するためには、薄い集電体で電解液をセルごとに確実に封じ込める必要がある。トヨタはこの課題を、電解液をゲル化せずに液体のまま、信頼性の高い封止技術で解決した。

この革新的なバイポーラ電極技術はリチウムイオン電池にも適用可能であるが、瞬間的に大電流を必要とするハイブリッド車にとって、ニッケル水素電池はより適している。トヨタの新しいバイポーラ型ニッケル水素電池は、ハイブリッド電気自動車が主流の存在である限り、一定の役割を果たすだろう。

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