目次
開発の背景
「Bearing Inspector for Edgecross」は、軸受近傍に設置された振動センサからデータを収集し、簡単かつ迅速に軸受異常を診断できるソフトウェアだ。軸受情報や設備の運転情報などの詳細な設定は不要で、NTN以外の軸受の診断も可能です。運転や停止、回転速度など設備の稼働状況も収集できるため、生産現場でデータをリアルタイムに収集・分析することで設備の不具合や故障をいち早く検知し、適切なメンテナンスの実現につなげることが可能となる。
近年、省人化や生産性向上を背景とする生産現場のIoT化に伴い、生産設備の予知保全へのニーズが高まっている。エッジコンピューティングは、生産現場側でリアルタイムにデータの収集・分析からフィードバックまでを行う情報処理の方法で、その処理スピードや優れた応答性により、生産現場のニーズに対応するソリューションとして注目を集めている。
NTNはこうしたニーズに対応する商品として本商品を2021年に開発し、販売に向けた準備を進めている。体験版の提供を通じて頂いた要望にもとづき、運転や停止、回転速度など設備の稼働状況を収集し、設備が安定している稼働条件で診断ができる仕様に改良することで、稼働状況が変化する場合でも、より精度良く診断することが可能となった。
NTNは、新たな事業領域のひとつとしてサービス・ソリューション分野の取り組みを進めている。今回、販売が開始される商品をはじめ、国内トップの採用実績を誇る大型風力発電装置向けの状態監視サービス、高度な状態監視が可能なセンサ内蔵転がり軸受「しゃべる軸受」など、デジタル技術を活用した商品・サービスの開発・提供を通じて各産業の生産性の向上に貢献する。
なお、NTNは、1月24日~26日に東京ビッグサイトで開催される「第8回 スマート工場EXPO」において、ECCの展示ブースにて本アプリを用いた軸受診断のデモンストレーションを行なう。
「Bearing Inspector for Edgecross」の特長
- 軸受のリアルタイム診断
軸受の診断結果を3秒~10秒ごとに更新。わずかな時間に現れる変化も捉えることができる - 軸受情報の設定不要
診断対象の軸受情報や運転状況の設定が不要。NTN以外の軸受の診断も可能 - シンプルな出力
軸受の診断結果を、正常な状態から警告までの4段階で出力する。最大16ヶ所で収集したデータを同時に診断処理して、画面表示できる。 - インターネット接続不要
導入、運用にあたり、インターネット接続は不要。データを外部に出したくない場合や、ネットワーク環境が整っていない場合でも利用することができる。