レゾナックの川崎事業所(神奈川県川崎市)では、2003年から使用済みプラスチックを水素や炭酸ガスにリサイクルする「プラスチックケミカルリサイクル」(レゾナックでは「川崎プラスチックリサイクル(KPR)」と呼称)が実施されている。20年以上の長期にわたって安定運転を継続している世界で唯一のガス化ケミカルプラントとなっており、2022年には累計プラスチック処理量が100万トンを超えた。

KPRを通じて、使用済みプラスチックなどを高温でガス化して分子レベルまで分解し、水素と炭酸ガスが取り出されている。水素は、川崎市のホテルに設置された燃料電池の発電用として使われるなどのほか、レゾナック内でアンモニアの原料として利用されている。アンモニアは、レゾナックの川崎事業所でアクリロニトリルの原料として用いられているほか、同社の外販先で合成繊維や化学肥料、脱硝用薬剤などに使用される。一方の炭酸ガスは、大気中に放出することなくレゾナックのグループ会社でドライアイスや炭酸飲料などの原料として利用される。これらは、今後CirculaCブランド製品として販売する予定とされている。
