三菱重工業:CO2船舶輸送の事業化を目指すプロジェクト「CO2LOS III」に参画

三菱重工業は、液化CO2(LCO2)の船舶輸送に向けた課題の検討に取り組む「CO2LOS III(CO2 Logistics by Ship Phase III)」プロジェクトに参画する。

 CO2LOS IIIは、LCO2輸送における将来のニーズとソリューションを理解するために必要な知識、情報を共有することを目的としたパートナーシップで、従来からのパイプライン輸送に加え、船舶によるCO2輸送技術の開発を促進することを目指している。

 ノルウェーのCLIMIT–Gassnovaのデモプログラムによって共同設立された本プロジェクトには、三菱重工業の他、Air Liquide、BP、Brevik Engineering AS、Equinor Energy AS、Gassco AS、SINTEF AS、TotalEnergiesなど欧州の主要CCUS関連企業や研究機関、三菱商事株式会社が参画。CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)バリューチェーンにおいて欠かすことのできないCO2輸送分野で、脱炭素プロジェクトが活況な欧州の主要パートナーと協業することにより、LCO2船の開発や市場の拡大に大きく寄与することが期待される。

 三菱重工業グループは、三菱造船株式会社が有する液化ガス輸送船(LPG・液化石油ガス輸送船、LNG・液化天然ガス輸送船)建造で蓄積した高度なガスハンドリング技術や、三菱重工エンジニアリングが有する世界トップシェアのCO2回収技術などグループ内の知見を結集し、陸・海に跨るCCUSバリューチェーンの構築に貢献する。

 CO2を回収して貯留するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)、さらに転換利用まで行うCCUSは、カーボンニュートラル社会実現には有効な手段として注目されている。そのバリューチェーンにおいてLCO2船は、液化されたCO2を貯留および利用する拠点まで輸送する役割を担うもので、将来的な需要の拡大が見込まれている。

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部