2024年も編集部が「これだ!」と目を付けた選りすぐりのアイテムをご紹介した。これらを効果的に組み合わせれば、最高の涼しさを体感できるのでは? 電動ファン4個を採用した超高性能タイプの作業服に、各種インナーをコーディネイトした最上級の組み合わせをチェックしてみよう。

最上級編(STEP:4)……合計金額:2万1919円

空調作業服(4ファン搭載セット)……6580円(税込/送料無料)/別売りのモバイルバッテリー……3000円(税込/送料無料)

工事現場や建築現場の定番となった、作業着の背後に電動ファンを設けたファン付き作業服。電動ファンが作動し、外部の空気を作業着内に送り込むことで、汗が蒸発する時の気化熱で身体を冷却し、皮膚上の汗が冷やされて皮膚の表面温度が低下。これにより涼しくて快適な環境を作り出してくれるのが特徴。ただし汗をかいていない状態だと、あまり涼しさは感じない。

電動ファン2個搭載型が多い中、写真の作業服は電動ファン4個を採用した超高性能タイプ。風量を2倍にすることで、2個タイプでは補えなかった風力不足問題を、見事に解消している。2個タイプに比べ、体感温度の大幅な低下も実現。

【バイクの熱中症対策】工事現場の定番アイテム「ファン付き作業服」、バイクで使うと……あんまり涼しくなかった。

危険な暑さ・災害級の暑さと叫ばれる猛暑の夏が到来。連日35℃以上の高温が続き、昨今は40℃超えなんて地域もあり。日本の夏は湿度が高く、蒸し暑いのも特徴。高温多湿の蒸し暑い中、ナチュラルサウナと化すヘルメットを被り、熱風を浴びながら走行するライダーにとって日本の夏は“苦行・荒行”のような過酷な状況。本項は「ライダーにとって少しでも暑さを凌げるアイテムはないか?」を探求する、毎年恒例の名物企画。2024年の5発目は、工事現場や建築現場の定番となった「ファン付き作業服」をご紹介。バイクの走行時にファン付き作業服を使えば、猛暑日でも少しは快適に走行できるのではないか? ギンギラギンの太陽が容赦なく照り付ける7月上旬・快晴・外気温36℃の猛暑日(気象庁発表)の下、大いなる期待を抱き真夏の屋外で大汗をブルブルかきながら、いざテストを敢行した。 PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke) TESTER/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki) ※注:記事中のデータはすべて2024年6月時点のもの

https://motor-fan.jp/bikes/article/115596

ミズノ クーリングインナーベスト(保冷剤3個付/メンズ)……メーカー希望小売価格:6930円(税込)/購入価格:6300円(税込)・送料無料

クーリングインナーベストは両脇と背中の中心部に、専用の保冷剤(サイズは100mm×170mm)が収納できるポケットを設置。各部を冷却して熱中症を防止する、画期的な冷却用アイテム。キンキンに冷えた専用の保冷剤が、脇の下と背部を冷却してくれ、酷暑の中でも非常に快適。結露で衣服が濡れることもないので非常に快適。

【夏、バイク、熱中症対策】さすがのミズノ製、脇下を冷やす保冷剤クーリングインナーベスト。走行時も停止時も快適だけど……。

連日35℃以上の高温が続き、昨今は40℃超えなんて地域も珍しくない日本の夏は湿度が高く、蒸し暑いのも特徴。高温多湿の蒸し暑い中、ナチュラルサウナと化すヘルメットを被り、熱風を浴びながら走行するライダーにとって日本の夏は、まるで“荒行・苦行”のような過酷な状況といえよう。本項は「ライダーにとって少しでも暑さを凌げるアイテムはないか?」を探求する、毎年恒例の名物企画。2024年の4発目は、背中の中心部と両脇に保冷剤をセットして冷却する「クーリングインナーベスト」をご紹介。バイクでの走行時にクーリングインナーベストを使えば、猛暑の中でも少しは快適に走行できるのではないか? ギンギラギンの太陽が容赦なく照り付ける7月上旬・快晴・外気温36℃の猛暑日(気象庁発表)の下、大いなる期待を抱き真夏の屋外で大粒の汗をブルブルかきながら、いざテストを敢行した。 PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke) TESTER/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki) メーカー公式サイト https://jpn.mizuno.com/ec/disp/attgrp/52JY1005/ 購入サイト https://www.amazon.co.jp/dp/B08FWRD1WF?tag=ysearch-22&linkCode=osi&th=1&psc=1 ※注:記事中のデータはすべて2024年7月現在

https://motor-fan.jp/bikes/article/115541

冷却ベスト(2枚セット)……メーカー希望小売価格:4800円(税込)/購入価格:2280円(税込)/送料無料(東京都)

バッテリー・保冷剤・薬品・氷などを一切使わず、水だけで冷却効果を発揮する、新素材の「PVA(ポリビニルアルコール)」を採用した画期的なクーリングベスト。PVA素材とは親水性が高く、しかも透湿性に優れている最新のスポンジ。吸水性が良く、湿気や熱気を放出しやすいのが特徴。

超冷却ネックアイスバッグ……購入価格:1280円(税込/送料無料/全国一律)

挿入口からアイス(氷)と水を入れる(内部の容量は約1.2L)、肩掛け式の「超冷却ネックアイスバッグ」。首回りはもちろん、背中、頭部、脇の下、足等々、様々な個所を冷却できるのが特徴。このネックアイスバッグは“超冷却”という名の通り、本体に氷と水を挿入・注入すれば、瞬時に強烈な冷却効果を発揮する。

ミズノ アイスタッチUVアームカバー(メンズ)……メーカー希望小売価格:2640円(税込)/購入価格:1929円(税込)+送料550円(東京都)

猛暑対策におすすめの、冷んやり&さらっとした接触冷感と、紫外線を阻止するUVカット機能を盛り込んだ「アイスタッチUVアームカバー(左右1セット)」。レジャー、買い物、ガーデニング、ウォーキングの時などに日焼けを防ぐこともできる、日常生活での利便性も極めて高い超お役立ちアイテムだ。

走行インプレッション

万全のフル装備だが、走行時は分厚さがネックに。「中級編」のほうが快適かも

ファン付き作業服の下に「アイスタッチUVアームカバー」と黒色の「クーリングインナーベスト」、また冷水を含ませた水色の「クーリングベスト」を着用(写真はファン付き作業服の上に、黒色のクーリングインナーベストを着用したイメージ)。

「数点を組み合わせる面倒さ」や「各アイテムの持続性」など、実用性はスルー。“その瞬間の最高の涼しさと快適性”を重視してコーディネイトするという、かなり強引ともいえる本企画。

とはいえファン付き作業服、水色のクールベスト、肩掛け式の超冷却ネックアイスバッグの3アイテムを組み合わせた『上級編』の実用性と利便性は、そこそこ良好。特に氷水で首周りをキンキンに冷やしてくれる「超冷却ネックアイスバッグ」。また水で上半身を冷却する「冷却ベスト」のポテンシャルは高く、36℃の猛暑日(日なたの実測温度は42℃超)だったテスト日でも冷却効果を体感。

最上級編となる今回は、上級編の3アイテムに、両腕を冷やすミズノ製のアイスタッチUVアームカバー。また両脇と背中を冷やす、ミズノ製のクーリングインナーベストを追加装着。両アイテムとも、大手スポーツメーカーが徹底研究し、冷却効果を追求しつくしたはずのアイテム。上級編+αの効果やいかに?

ファン付き作業服の限界を突破したミズノ製クーリングインナーベスト

ファン付き作業服は電動ファンが作動し、外部の空気を作業着内に送り込むことで、汗が蒸発する時の気化熱で身体を冷却し、皮膚上の汗が皮膚表面の熱を奪う。これにより涼しくて快適な環境を作り出してくれるのが特徴だ(汗をかいていない状態だと、それほど涼しさは感じない)。

過酷な作業現場や建築現場では、ファン付き作業服の下に「コンプレッションインナー」と呼ばれるスポーツ用のインナーウエアを着用するのが人気。身体に密着し、速乾性に優れた「コンプレッションインナー」は、汗を蒸発しやすく、ファン付き作業服着用時は身体を冷却しやすいのが大きな理由。

これは両腕に装着したミズノ製アイスタッチUVアームカバーでも体感できた。両腕にフィットし、速乾性に優れたアイスタッチUVアームカバーは、ファン付き作業服の電動ファンを作動させると、日陰では明確な涼しさを発揮。

ただしテスト日の最高気温(気象庁発表)は36℃の猛暑日。日なたの実測温度42℃超。当日は熱中症警戒アラートが発令されていた。

日なたの実測温度が40℃を超えたあたりでは、ファン付き作業服服着用時、残念ながらあまり涼しさは感じられない。この点はファン付き作業服服の“限界”を見たような気がした。

この“限界”を突破してくれたのが、ミズノ製クーリングインナーベストだ。

もしも熱中症になった場合の「3大局所冷却」

熱中症になった場合、体表近くを太い静脈が流れている首の両サイド、両脇、両脚の付け根を冷やすのが鉄則(様々な病院のサイトや医療系サイトでも紹介されている)。これらの個所は医療現場において「3大局所冷却」と呼称。皮膚を通して静脈血を冷却すると、大量の冷えた血液が体内に戻り、効果的に体内を冷やすことができるのだ(手のひら、足裏、背中を冷やすのも効果的)。

熱中症にも効果を発揮する脇下や背中を冷却するクーリングインナーベスト。また、キンキンに冷えた超冷却ネックアイスバッグの組み合わせで、快適性の向上と熱中症の抑制に磨きがかかるはず。

カチカチに凍った保冷剤を両脇+背中に配置したこのクーリングインナーベストは、各所に明確な冷たさを提供。このアイテムは外気温度が上がれば上がるほど、高い冷却効果を発揮してくれる。

ミズノ製クーリングインナーベストで冷やされる両脇と背中。また水色の空冷ベストで冷やされる胸部や腹部は、停車時に限っていえば、ファン付き作業服の電動ファンが循環することにより、若干だが涼しさが向上(したような気がする)。ただし走行時はやや分厚い作業服の生地が邪魔をしたのか、「中級編」のような快適さは得られない。

なお、クーリングインナーベストの保冷剤が効果を発揮するのは、わずか30分程度(繰り返すがテスト日は36℃の猛暑日。日なたの実測温度は42℃超)。

ファン付き作業服を脱いでクーリングインナーベストを外す→凍らせた保冷剤に入れ替える→ただし入れ替えるには、凍らせた保冷剤を保冷バッグ等に保存して持ち歩く必要がる等々、実際にバイク乗車時に使用するのは、かなりハードルが高いかもしれない。

総括! 初級編~最上級編で、もっともバイクの乗車に向いているのは?

本項では2024年の夏にテストした5アイテムをアレコレ組み合わせ、初級編~最上級編として展開してきた(下記ページ参照)。5アイテムを自由自在にコーディネイトした結論としては、

1:40℃を超える日なたなどでは、たとえ着用するインナーウェアに工夫しても、ファン付き作業服はあまり役に立たない。しかもバイク乗車時は走行風(熱風)により冷却効果は限りなくゼロ。

2:酷暑でバイクに乗車するならば、速乾性の高い肌着とメッシュ地のTシャツやジャケット。これに紫外線もシャットアウトする「ミズノ製アイスタッチUVアームカバー」、水で上半身を冷やす「冷却ベスト」を大いに活用すべし。

3:超冷却ネックアイスバッグは極めて冷却性能に優れ、即効性が高い。ただしバイク専用ではないから、休憩時などに活用したい(走行時に使うなら、脱落防止などの工夫が必要)。

4:ミズノ製クーリングインナーベストは保冷剤の交換や持ち歩きが必要なため、バイク乗車時には向いていない。

以上のことから、初級編~最上級編の中でもっともバイクの乗車に向いているのは、筆者的には「初級編」であると判定した。

とはいえ、各アイテムは工夫次第でもっともっと便利に使えるはず。また、冷却アイテムはこれ以外にも様々なタイプがリリース中。自分流にアイテムを選び、アイデアを凝らし、賢く駆使して、まだまだ続く酷暑を一緒に乗り切りましょう!

※注:上記はあくまでも筆者の感想です。個人の感覚・体質・健康状態、また気象状況等により感じ方は異なります。

初級編~上級編

真夏の首周り冷却方法

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国内では夏の気温上昇にともない、ネッククーラーが流行。バイクでの走行時、このネッククーラーを使えば、少しは快適に走行できるのではないか? 前回はAmazonのレビューで高評価の「首掛け扇風機」を使ったが、残念ながら涼しさを獲得することなく見事に玉砕。そこで今回、再びAmazonでレビュー評価の高かった、“空冷ではなく部分的に冷やす”ネッククーラーを使い、バイク走行時の快適性を追求。首掛け扇風機と同様、ギンギラギンの太陽が容赦なく照り付ける7月某日、さらなる期待を抱き、外気温36℃(気象庁発表)の真夏の屋外で、大汗をブルブルかきながら実験してみた。 PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke) REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

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https://motor-fan.jp/bikes/article/84233