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ASTON MARTIN VANTAGE

アストンマーティン ヴァンテージとは

高出力の4.0リッターV8ツインターボエンジンとシャーシの電子制御で高い運動性能を誇るアストンマーティン ヴァンテージ。
高出力の4.0リッターV8ツインターボエンジンとシャーシの電子制御で高い運動性能を誇るアストンマーティン ヴァンテージ。

「アストンマーティン ヴァンテージ」は、ブランドのラインナップの中でもドライバーエンゲージメントを重視したスポーツモデルに位置づけられる。現行の仕様は、最高出力680PS(”S”の場合)、最大トルク800Nmを発生するオールアルミ製の4.0リッターV8エンジンと高度なシャーシ制御技術を組み合わせることで高いパフォーマンスを誇る。新世代のインフォテインメントシステムも導入され、スポーツ性能と現代的な快適性を両立している。クーペボディとオープントップの「ロードスター」、および高性能バージョンの「S」と「S ロードスター」という4つの仕様が用意される。

ヴァンテージという名称は1950年代に登場し、当初はアストンマーティンの高性能仕様を示す名称として用いられていた。その後1970年代に独立したモデル名として確立され、現在ではブランドのスポーツカー哲学を象徴するモデルに位置づけられている。

アストンマーティン ヴァンテージの外観・内装

アストンマーティン ヴァンテージは、スポーツカーらしい伝統的なスタイリングと上質なインテリアを特徴とする。外観はワイドなスタンスと流麗なボディラインによって高い存在感を放ち、内装には最新のインフォテインメントシステムと高級素材が採用されている。

外観:アストンマーティン伝統のプロポーション

現行ヴァンテージは、より力強いワイドなスタンスが強調されている。フロントグリルの開口部も再設計され、エンジン冷却性能を先代から50%以上高めるとともに迫力あるフロントエンドを形成する。長いボンネットと短いデッキというアストンマーティンらしい伝統的なプロポーションも大きな特徴である。リアにはワイドなフェンダーとクワッドエキゾーストが配置され、パフォーマンスモデルとしての存在感を強調する。また21インチホイールが低い車高と組み合わされることで、ダイナミックなスタイリングを実現している。

内装:ドライバー中心の高品質なコックピット

インテリアはドライバー主体のレイアウトを採用し、スポーツ走行時の操作性を重視した設計が施されている。低めのヒップポイントがスポーティーなドライビングポジションを提供し、正確なドライビングを可能にする。

機能面では新世代のインフォテインメントシステムが搭載され、タッチスクリーンによる直感的な操作が可能となった。また高品質な本革や手縫いの精密なステッチなど、英国ブランドならではのクラフトマンシップが感じられる仕上がりとなっている。

アストンマーティン ヴァンテージ のサイズ

アストンマーティン ヴァンテージのサイズは、俊敏なハンドリングと高速安定性を両立することを目的として設定されている。同時に低い車高とワイドなトレッドを採用し、スポーツカーとして理想的なプロポーションを実現している。

ボディサイズ:ワイド&ローのスポーツカープロポーション

アストンマーティン ヴァンテージのボディサイズは、全長4495mm、全幅1980mm、全高1275mmと公表されている。低く構えた全高とワイドな全幅が特徴で、スポーツカーらしいダイナミックなスタンスと低重心を実現している。また2mに迫る全幅はタイヤのトレッドを広く取ることを可能にし、高速域での安定性やコーナリング性能の向上に貢献している。なお、ホイールベースは2705mm、地上最低高は94mm。

室内スペース:2シーターのコンパクトキャビン

アストンマーティン ヴァンテージの室内は、ドライバーと助手席のために設計された2シーターキャビンである。ワイドなボディ幅によって左右の肩まわりスペースは確保されており、スポーツカーらしいタイトな空間ながら2人乗りとして十分な居住性を備えている。

トランク容量はスポーツカーとしては比較的余裕のあるサイズと言え、週末の旅行やツーリングに必要な荷物を収納できる。後席を持たない2シーター構成とFRレイアウトにより、実用的な荷室スペースが確保されている。

アストンマーティン ヴァンテージ の走行性能・燃費性能

アストンマーティン ヴァンテージの心臓部にはメルセデス AMG由来のV8エンジンが収まる。
アストンマーティン ヴァンテージの心臓部にはメルセデス AMG由来のV8エンジンが収まる。

アストンマーティン ヴァンテージは、同ブランドのスポーツカーとして優れた走行性能を実現することを目的に開発されている。高出力V8エンジンと先進のシャーシ制御技術がハイパフォーマンスを支えている。

走行性能:ハイパワーエンジンと足回りの電子制御

搭載される4.0リッターV8ツインターボエンジンは最高出力680PS、最大トルク800Nmを発揮する。トランスミッションにはZF製8速オートマチックが採用され、最高速度は325km/hに達する。0-100km/h加速はヴァンテージで3.5秒、ヴァンテージSの場合は3.4秒と公表されている。電子制御リヤディファレンシャルやアダプティブダンパーなどの先進技術により、優れたトラクション性能と操縦安定性を実現している。

また、エンジンをフロントアクスルより後方に配置するフロントミドシップレイアウトを採用することで、車体サイズを生かした理想的な50:50(ロードスターは49:51)の重量配分を実現している。こうした設計により、高い安定性と俊敏なハンドリングを両立している。

燃費性能:高出力エンジンとしては良好

高性能スポーツカーのアストンマーティン ヴァンテージには、燃費性能よりもパフォーマンスを重視した設計のパワートレインが採用されている。その一方で、新開発のアルミ製エンジンは構造の見直しにより強度と剛性を飛躍的に向上させ、不要な重量を徹底的に削減している。さらに、巡航時の効率性にも配慮したエンジン制御が採用されている。基準モデルの場合、WLTP複合モードで12.1L/100km(約8.3km/L)と公表されており、700馬力近い大排気量高出力エンジンとしては良好なレベルと言える。

アストンマーティン ヴァンテージ の購入価格・維持費

豊富なオプションにより、購入価格は大きく変わる。
豊富なオプションにより、購入価格は大きく変わる。

アストンマーティン ヴァンテージの購入価格はモデルや仕様によって異なる。また維持費は高性能スポーツカーにふさわしい水準となるため、購入時にはランニングコストも含めて検討することが重要である。

購入価格:約3000万円がめど

新車価格はベースモデル「アストンマーティン ヴァンテージ」(クーぺ)が2690万円から。オープントップバージョンである「アストンマーティン ヴァンテージ ロードスター」が2860万円、高性能仕様の「アストンマーティン ヴァンテージ S」が2760万円に設定されている。また、アストンマーティンでは「Q by Aston Martin」と呼ばれるビスポークプログラムが提供されており、外装カラーや内装素材、装備などを専任のデザイナーとエンジニアとともに細かくカスタマイズすることができる。

維持費:高額なメンテナンス費用

維持費は保険料、定期メンテナンス、タイヤやブレーキなどの消耗品交換が中心となる。高性能スポーツカーであるため維持費は一般的なクルマよりも高くなるが、正規ディーラーのサービスネットワークによってメンテナンスサポートが提供されている。以下、目安として概算をまとめた。

アストンマーティン ヴァンテージ モデル解説

アストンマーティン ヴァンテージは同ブランドのスポーツカー哲学を象徴する存在であり、高性能と英国流の伝統的なラグジュアリーを融合した設計が特徴となっている。

アストンマーティン ヴァンテージ

アストンマーティン ヴァンテージは、同ブランドのスポーツカーラインを担う2シーターモデルであり、ドライバーの操作に忠実に反応する俊敏なハンドリングを重視して開発されたモデルである。軽量ボディと高剛性シャーシを組み合わせることで、高い運動性能を実現している。

パワートレインには4.0リッターV8ツインターボエンジンを採用。最高出力665PS、最大トルク800Nmは、8速ATを介して後輪へと伝えられる。トランスアクスルレイアウトを採用することで前後重量配分を最適化し、スポーツカーとして理想的な車両バランスを実現している。

足まわりには電子制御リアディファレンシャルや最新のトラクションコントロールシステムが組み合わされ、路面状況に応じた安定した駆動力配分を可能にしている。さらにブレーキシステムには高性能なカーボンセラミックを選択することもでき、高速域からの制動性能を高めている。

発表2024年
全長/全幅/全高/ホイールベース4495/1980/1275/2705mm
パワートレインV型8気筒ツインターボ
総排気量3982cc
エンジン最高出力、最大トルク665PS(489kW)/6000rpm、800Nm/2750~6000rpm
トランスミッション
駆動方式
リアミッドマウントZF 8速オートマチックトランスミッション
RWD
車両重量1745kg
0→100km/h加速3.5秒
最高速度325km/h

アストンマーティン ヴァンテージ S

アストンマーティン ヴァンテージSは、ヴァンテージをベースに空力性能と最高出力の向上などによってスポーツ性能を高めた高性能モデルである。アストンマーティンでは従来から「S」の名称を高性能仕様に使用しており、エンジン性能やシャーシセッティング、エアロダイナミクスなどを強化したモデルとして展開されてきた。ヴァンテージSには、よりスポーツ志向のセッティングが採用されるとともに、カーボンファイバールーフ、カーボンセラミックブレーキ、カーボンファイバー製高性能シートなどが装備される。

発表2024年
全長/全幅/全高/ホイールベース4495/1980/1275/2705mm
パワートレインV型8気筒ツインターボ
総排気量3982cc
エンジン最高出力、最大トルク680PS(500kW)/6000rpm、800Nm/3000~6000rpm
トランスミッション
駆動方式
リアミッドマウントZF 8速オートマチックトランスミッション
RWD
車両重量1745kg
0→100km/h加速3.4秒
最高速度325km/h

アストンマーティン ヴァンテージ/ヴァンテージ S ロードスター

アストンマーティン ヴァンテージおよびヴァンテージ Sにはオープントップモデルの「ロードスター」もラインナップ。6.8秒で開閉が可能な電動ソフトトップを採用する。オープン状態では、7000rpmまでスムーズに回るエンジンのサウンドや風を直接感じることができ、スポーツカーならではのドライビング体験を楽しむことができる。センターコンソールのロータリーダイヤルで選択できる5種類のドライブモードとエキゾーストサウンドを楽しむのには、このロードスターが最適だろう。

ボディ構造は高剛性を維持するよう設計されており、クーペモデルに近い走行性能を実現している。オープントップ スポーツカーとしてのドライビングプレジャーを追求したモデルと位置づけられる。

発表2024年
全長/全幅/全高/ホイールベース4495/1980/1275/2705mm
パワートレインV型8気筒ツインターボ
総排気量3982cc
エンジン最高出力、最大トルク
(上段:ヴァンテージ ロードスター)
(下段:ヴァンテージ S ロードスター)
665PS(489kW)/6000rpm、800Nm/2750~6000rpm
680PS(500kW)/6000rpm、800Nm/3000~6000rpm
トランスミッション
駆動方式
リアミッドマウントZF 8速オートマチックトランスミッション
RWD
車両重量1805kg
0→100km/h加速(同上)3.6秒/3.5秒
最高速度325km/h

アストンマーティン ヴァンテージの新車・中古車価格

現行は3つの仕様がラインナップされるが、V12エンジンを搭載したモデルも限定生産された。
現行は4つの仕様がラインナップされるが、V12エンジンを搭載したモデルも限定生産された。

アストンマーティン ヴァンテージの新車価格は仕様によって大きく異なる。最新仕様のヴァンテージは2690万円から。高性能バージョンのヴァンテージ Sをオープントップ仕様にしたヴァンテージ S ロードスターは2930万円に価格設定されている。ボディカラーや内装素材などはビスポークプログラムによってカスタマイズすることが可能であり、仕様によって最終的な価格は変動する。

中古車はマイナーチェンジ前の仕様で約1000万円から専業店で取り扱いがあるが、3000万円台が中心価格帯のようだ。なお、2022年に限定販売された「V12 ヴァンテージ」は希少性とも相まって、5000万円オーバーの価格がついている中古車もある。

モデル新車価格中古車価格(2026年3月時点)
アストンマーティン ヴァンテージ2690万円~
アストンマーティン ヴァンテージ S2760万円~
アストンマーティン ヴァンテージ ロードスター2860万円~
アストンマーティン ヴァンテージ S ロードスター2930万円~
約1000万~6000万円

アストンマーティン ヴァンテージ について多い質問

アストンマーティン ヴァンテージは、ポルシェ911やメルセデスAMG GT、フェラーリ ローマなどと競合。
アストンマーティン ヴァンテージは、ポルシェ911やメルセデスAMG GT、フェラーリ ローマなどと競合。

以下では、アストンマーティン ヴァンテージについて多い質問に答える。

Q:アストンマーティン ヴァンテージはどんなクルマ?

ヴァンテージはアストンマーティンのスポーツカーラインの中核モデルであり、伝統的なフロントエンジン・後輪駆動レイアウトを採用した2シータースポーツカーである。高性能V8エンジンと先進シャーシ技術によって優れた走行性能を実現。同ブランドの中では、ラグジュアリーGTとしての性格を持つDBシリーズとは異なり、ドライビングプレジャーを重視したピュアスポーツモデルとして設計されている点が大きな特徴である。

Q: アストンマーティン ヴァンテージでV12エンジンを搭載したモデルの特徴は?

V12エンジンを搭載したアストンマーティン ヴァンテージは、歴代ヴァンテージの中でも特別な高性能仕様として数回にわたって登場している。現行世代のV12 ヴァンテージは2022年に333台の限定モデルとして登場。発表時点で完売されたと言われる。5.2リッターV12ツインターボの最高出力は700PS、最大トルクは753Nmを誇る。

Q:アストンマーティン ヴァンテージのライバルは?

アストンマーティン ヴァンテージの主なライバルとしては、「ポルシェ 911」や「メルセデスAMG GT」「フェラーリ ローマ」などが挙げられる。いずれも高性能スポーツカーとして同じ価格帯に位置し、走行性能やブランド性を競うモデルである。ポルシェ 911は卓越した運動性能と高い実用性を兼ね備えた定番スポーツカー、メルセデスAMG GTは強力なV8エンジンを搭載するFRスポーツとして知られる。フェラーリ ローマはエレガントなデザインとGT的な快適性を特徴とするモデルで、ヴァンテージと同様にフロントエンジンレイアウトを採用するスポーツカーとして比較されることが多い。

アストンマーティン ヴァンテージ の購入方法

アストンマーティン ヴァンテージは、日本国内ではアストンマーティンの正規ディーラーを通じて購入できる。新車ではボディカラーや内装素材、装備などを注文時に選択できるほか、「Q by Aston Martin」によるビスポーク仕様のオーダーも可能である。また正規ディーラーでは認定中古車プログラムも提供されており、整備や保証が付いた車両を購入することができる。購入時には仕様や装備、整備履歴などを確認し、自分の用途や好みに合った車両を選ぶことが重要である。

「DB11」から採用される新世代のVHプラットフォームをベースとする。

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実に13年ぶりとなるフルモデルチェンジで、2017年に登場したのが2シーターRWDスポーツ「ヴァンテージ」だ。セカンドセンチュリープラン第2弾となるピュアスポーツカーである。

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