Mazda Spirit Racing Roadster/Spirit Racing Roadster 12R

フェラーリ好きにも刺さる

もはや日本の宝として、世界で愛されるマツダ・ロードスター。世界一のコストパフォーマンスを誇るロードスターに、待望の2.0リッターエンジンが搭載された。その魅力はスーパースポーツ好きにはどう訴えるのか。フェラーリとポルシェをこよなく愛する2人が、早速ワインディングに繰り出した。
ファン待望の2.0リッターエンジンを搭載したスピリットレーシング。
MSRはRFと同じ2.0リッターエンジンを載せる。従来の1.5リッターよりも48PS/53Nmのアップを実現している。タワーバーも採用。
MSRはRFと同じ2.0リッターエンジンを載せる。従来の1.5リッターよりも48PS/53Nmのアップを実現している。タワーバーも採用。

マツダが長年温め続けてきた、ロードスターのハイパフォーマンスモデル構想。これを含めた「次世代のモータースポーツ活動」を具現化し、市販車両へとフィードバックするために、マツダは2021年に「MAZDA SPIRIT RACING」(マツダ・スピリット・レーシング 以下MSR)を設立。翌年から始まったスーパー耐久への参戦は技術の研鑚を生み出し、その結晶として2025年末、遂に2つの限定車が発表された。

それが「ROADSTER 12R」と、そのベース車となる「ロードスター MSR」だ。それを今回、2人のスーパースポーツ好きで試乗し、語り合った。 

山田弘樹(以下 山田):清水さんから見てこの2台のロードスター、ずばりどう映りますか? ちなみにマツダ・スピリット・レーシング ロードスター「12R」が710万500円で、試乗車はオプションが付いているので866万5822円。そのベース車両となるMSRロードスターは490万500円。オプション付きだと526万5700円です(いずれも税込)。

清水草一(以下 清水):最初は驚きましたよね。「コレクターの方が買うのかな?」という以上の感想はなかったのですが、今回乗ってみて、その価値はあると思いました。現行ロードスターって、これ以上パワーやコーナリングスピードなんてまったく必要のない、「完全に出来上がったクルマ」でしょう? ただそれゆえに、物足りなさを感じてしまうところもある。

山田:極まっているからこそ、逆に刺激が足りない部分もあると。

清水:うん。そういったところを、今回の2.0リッターエンジンで(ベース車が)補ってくれたと。そしてフラッグシップ的な意味合いも込めて、「12R」を造ったんだなと思いました。

山田:フェラーリを買うような方々に、この2台は刺さりますかね?

清水:当然、買うでしょう。スーパーカーを何台も買うような人たちは、面白そうなクルマなら全部揃えたくなるものですよ。

山田:サーキット用の練習車として買ったりしそうですよね。実際、12Rはあっという間に完売のようです。

清水:でも普通のロードスターファンなら、あの値段は考えちゃうよね。

山田:確かに(笑)。12Rとベース車、違いはどう感じましたか?

清水:普通の方は(笑)、2.0リッターエンジンがずいぶんよくなった気がするなぁ。1.5リッターみたいに気持ち良く回るのに、トルクもあってとても扱いやすい。

山田:速さとシャシーのバランスが絶妙で、私も「12R」よりロードスターらしく感じました。でも、同じエンジン(184PS)を積む「RF」(ハードトップ車)より、さらに100万円以上高くて、しかも限定(2200台)なのがなぁ。12Rはどうでしたか?

清水:もっと足が硬いのかと思ってたんだけど、ワインディングだとすごく自然で、こちらも魅力的でしたねぇ。

現代のスーパースポーツ的な12R

もはや日本の宝として、世界で愛されるマツダ・ロードスター。世界一のコストパフォーマンスを誇るロードスターに、待望の2.0リッターエンジンが搭載された。その魅力はスーパースポーツ好きにはどう訴えるのか。フェラーリとポルシェをこよなく愛する2人が、早速ワインディングに繰り出した。
手組によるエンジンはワインディングで面白いように回る。
MSR 12Rは手組みのエンジンを搭載。鋭いレスポンスを得られるようにチューニングされている。ラジエーターも大型化。
MSR 12Rは手組みのエンジンを搭載。鋭いレスポンスを得られるようにチューニングされている。ラジエーターも大型化。

山田:エンジンは手組みで、200PSまで出力が上がっています。

清水:だから“スコーン!”と回るんだね。シャシーは本当に「マニア向け」というか。今日みたいな天気(ウエット)だと、パワーを掛けたらテールがズバッと出そうだな! ……って、その雰囲気だけで十分楽しめました。かつて乗っていたフェラーリ458ほど狂ってなかったけれど、久しぶりにシャープで楽しいハンドリングのスポーツカーだと思いましたよ。

山田:わはは! おそらく12Rは、サーキットのような高荷重領域だと、素のロードスターのようなロール感が出てくると思います。

清水:でも本音はね、私は一番ベーシックな「S」が大好きなんだ。スタビもLSDもない、あのグレードが一番走らせるのが難しいよね?

山田:ロードスターの原点ですね。

清水:その観点でいうと12Rは運転が簡単で、現代のスーパースポーツに近いなと感じたな。ポルシェ乗り的にはこの2台、どう映るの?

山田:12Rがロードスター版「GT3」だとしたら、ベース車は「カレラT」という感じでしょうか。

清水:なるほどね!

NDロードスターは14歳のときの宮沢りえ !?

もはや日本の宝として、世界で愛されるマツダ・ロードスター。世界一のコストパフォーマンスを誇るロードスターに、待望の2.0リッターエンジンが搭載された。その魅力はスーパースポーツ好きにはどう訴えるのか。フェラーリとポルシェをこよなく愛する2人が、早速ワインディングに繰り出した。
現代のライトウエイトスポーツを代表するNDロードスター。2.0リッターエンジンの追加でさらに選択肢が広がった。

山田:清水さん、ロードスターはもともとお好きだったんですか?

清水:うん、でもNB(2代目)とNC(3代目)はデザインが少し残念だった。

山田:私は初代NAが好きですが。

清水:NAも可愛らしかったけど、現行NDは美しいんだよ。現在市販されているクルマたちの中でも、一番美しいんじゃないかと思ってる。ライバルがいるとしたら「アストンマーティン DB11」だけど、あれだけ幅があってデカければ、美しく造るのは簡単。ロードスターは、このボディサイズで、完璧な美しさを表現しているんです。DB11がバカでかいスーパーモデルなら、NDは14歳のときの宮沢りえですよ!

山田:白鳥麗子ちゃんですね!

清水:だから1.5リッターの「S」と、2.0リッターの「12R」が2台あったら……最高だね。

山田:究極の組み合わせですね。

清水:NDは本当に素晴らしいスポーツカーですよ。未来永劫、マツダにはNDを造り続けて欲しいなぁ。

REPORT/山田弘樹(Kouki YAMADA)
PHOTO/篠原晃一(Koichi SHINOHARA)
MAGAZINE/GENROQ 2026年5月号

SPECIFICATIONS

マツダ・スピリット・レーシング・ロードスター

ボディサイズ:全長3915 全幅1735 全高1245mm
ホイールベース:2310mm
乾燥重量:1070kg
エンジンタイプ:直列4気筒DOHC
排気量:1997
最高出力:135kW(184PS)/7000rpm
最大トルク:205Nm(20.9kgm)/4000rpm
トランスミッション:6速MT
駆動方式:RWD
サスペンション:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ディスク
タイヤ&ホイール:前後205/45R17
車両本体価格:526万5700円

マツダ・スピリット・レーシング・ロードスター 12R

ボディサイズ:全長3915 全幅1735 全高1245mm
ホイールベース:2310mm
乾燥重量:1050kg
エンジンタイプ:直列4気筒DOHC
排気量:1997
最高出力:147kW(200PS)/7200rpm
最大トルク:215Nm(21.9kgm)/4700rpm
トランスミッション:6速MT
駆動方式:RWD
サスペンション:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ディスク
タイヤ&ホイール:前後205/45R17
車両本体価格:761万2000円

これがマツダ「ロードスター」次期型(NE型)の予想CGだ!

ロードスター次期型「NE」の予想デザインを製作した。すでにNEのプロトタイプが存在しており、合成燃料と組み合わせた電動化を採用する可能性が高いようだ。