ホンダは、EV事業に関連して多額の減損処理を行っており、4四半期連続の赤字により、17億ドルのEV関連減損処理と、将来のEV戦略の大幅な見直しを余儀なくされていることがわかった。

ホンダ プロローグ

しかし、これほどまでに、世界各国の自動車メーカーがEV事業で損失を出し、内燃機関エンジン回帰へ方向転換するとは、数年前には誰も予想していなかっただろう。

ホンダ 0 サルーン

そして今、ホンダも他の多くの自動車メーカーと同様に、EV市場における失敗や過剰投資がどれほど大きな損失をもたらすかを痛感しているようだ。
同社は、2025年12月31日までの9ヶ月間で、EV事業への取り組みに関連して2629億円(17億1000万ドル)の減損処理と費用を計上したという。

ホンダ 0 SUV

この結果を踏まえ、ホンダは計画していた複数のEVモデルの開発を棚上げ。直近の決算について、ホンダ貝原典也副社長は「競争力を再構築するために、戦略を根本的に見直す必要がある」と述べている。つまり電気モーターのみから、内燃機関エンジン搭載ハイブリッドへ再加速するということと見られる。

ホンダは、米ゼネラルモーターズ(GM)が開発したEVプラットフォーム「Ultium(アルティウム)」採用も響いているようだ。このプラットフォームを採用した、アキュラブランドの「ZDX」と、ホンダ「PROLOGUE(プロローグ)」が不発。EV分野における緊密な協力関係を解消したことで、ホンダはGMからの車両購入台数を減らし、GMに補償金を支払ったとみられている。しかし、この協業も、GMに問題があるわけでなく、やはりEV市場の低迷がすべてといえそうだ。

ホンダ プロローグ

数年前、世界の多くのメーカーが2030年ごろを目処にラインナップの多くをEVに、あるいは純粋なEVブランドになることを発表していた。そしてホンダも、2024年時点で、2030年までに年間200万台のEV販売を目指すと発表していた。多くのメーカーがEVの世界的な普及率を過大評価していたということだろう。

アキュラ ZDX

同社は現在、「将来のEV戦略を大幅に見直し」する計画で、近い将来に最新のロードマップを発表する予定だという。この再編の中心となるのは、ハイブリッドモデルへの新たな注力なのは明らかだ。ホンダは2020年代終わりまでにハイブリッド車の販売台数を220万台に倍増させることを目指しており、これまでのEV重視のアプローチからの明確な転換を示している。

ホンダ 0 SUV プロトタイプ

ここで気になる国内の動向だが、現在ホンダEVモデルは、「N-VAN e:」、「N-ONE e:」の2台のみで、主力のフィット、アコード、シビック、プレビュード、ヴェゼル、ZR-V、フリードなど、ほぼ「e:HEV」ハイブリッド導入モデルを中心にラインナップされており、今後もこの割合に変化はないと思われる。

ホンダ N-VAN e:
ホンダ N-ONE e:

海外メーカーと国産メーカーの最も大きな違いは、海外メーカーが数年前からEVに急激にシフトしたのに対し、国内メーカーは慎重に進めていたという大きな違いがありそうだ。