連載

新車コクピット解説

デジタルとアナログを融合させたコクピット

撮影車両の911カレラ カブリオレは1943万円。750万9000円ものオプションが付いていて、トータルで2693万9000円に達する

2019年7月に日本で発売された現行の992型「ポルシェ 911 カレラ」。2024年にマイナーチェンジを受け、後期型(992.2)に移行している。911カレラ、カレラ カブリオレ、カレラ GTSは、2024年5月に発表されているが、今回は先述したように、992.1(前期)型をピックアップする。

電動ポップアップ式(電動フラッシュドアハンドル)のアウタードアハンドルを開けると、ポルシェらしいタイトなコクピットが眼前に現れる。「ポルシェ・ドライバー・エクスペリエンス・コントロールコンセプト」に基づくコクピットは、ポルシェらしくドライバー中心の操作系はもちろん、アナログとデジタルを融合させた設計になっている。

インパネ全景
インパネ全景

ステアリング右下側(最もドア寄り)に配置するエンジンスターターは、プッシュボタン式になる。隣にはリヤフォグランプ用、オートライト用スイッチを用意。

ドライバー目線のコクピット
ドライバー目線のコクピット

センターコンソールにエアコン用スイッチを配置

シフトレバーを中心に配置したセンターコンソールまわりは、使用頻度の高い機能をハードスイッチを並べているが、比較的整理されていて視認しやすい。シフトレバーは、コンパクトなシェーバー形状で、操作感は軽めだ。

シェーバー型のセレクターレバー
シェーバー型のセレクターレバー

電動パーキングブレーキは「P」を押すだけで、ロック、アンロックが可能。解除する際は手動で押すか、アクセルを少し踏み込めば解除される。停車時にブレーキを強く踏み込むとホールド機能が作動する。なお、MT車にもホールド機能を備え、坂道発進時には、後退を防いでくれる(MTはクラッチを踏んでいない時やニュートラル、勾配率が5%未満の場合は作動しない)。その下にマニュアルシフト用の「M」スイッチを配置する。マニュアルモードは、ACC(もしくはクルコン)作動時をのぞきパドルシフトを引くことでも切替が可能。加速しない場合は約6秒間で「D」モードに戻る。

シフトレバー上側にトグル式スイッチを配置

カブリオレの開閉スイッチやシートヒーター、シートベンチレーション、電動ウィンドディフレクタースイッチを配置
カブリオレの開閉スイッチやシートヒーター、シートベンチレーション、電動ウィンドディフレクタースイッチを配置

シフトレバー下側には、カブリオレの開閉、電動ウィンドディフレクター、運転席と助手席用のシートヒーター、シートベンチレーション用のスイッチを配している。シートヒーターとベンチレーションは、3段階から選択できる。カブリオレのルーフ開閉時間は約12秒で、50km/hまでであれば走行中でも操作が可能。風の乱れをコントロールし、快適性を高める電動ウィンドディフレクターは、約120km/hまで操作ができる。

トグル式スイッチで温度、風量設定を行う
トグル式スイッチで温度、風量設定を行う

シフトレバー上側には、特徴的なトグル式スイッチを3つ配置。両サイドにエアコン温度設定用、中央に風量スイッチを備え、トグル式スイッチの前に温度設定を表示する。

さらに、助手席側にボリュームスイッチ、運転席側にライト用ロータリープッシュボタンを用意。ライト用ロータリープッシュボタンは、ヘッドライトやポジション、フォグランプなどの操作を集約したユーザーインターフェースとなっている。

そのほか、シフトレバー上には前後ウインドウとドアミラーのデフォッガー、オート、内外気切替スイッチを配置。エアコンまわりの視認性、操作性は良好だ。

ステアリングスイッチをチェック

ハザードを中心に走行系スイッチを配置

インパネ中央には、左側(助手席側)からフロントアクスルリフトシステム、スポーツエキゾーストシステム、ハザード、横滑り防止装置「ポルシェ・スタビリティ・マネジメント」の解除用、一番右側に減衰力調整のアクティブダンパー「PASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメント)」用を並べている。

フロントアクスルリフトシステムのスイッチ
フロントアクスルリフトシステムのスイッチ

ステアリングスイッチをチェックする。左側はインフォテイメント系になっていて、ボイスコントロール用の発話ボタン、音量調整、メーターパネルのメニュー画面用を用意。メーターパネルは表示の切替とスクロール、選択が可能になっている。

ステアリングスイッチとドライブモード用ダイヤル

右側には、Bluetooth対応のハンズフリー通話用、リバース(ディスプレイを1つ前の画面に戻す)、ロータリースイッチを配する。ロータリースイッチでメーターパネルのパワーメーター、3Dドライバーアシスタンス、拡張マップ(フルマップ表示)、ナイトビュー(赤外線カメラ)、回転計中心のクラシックメーターなどの切替が可能だ。

左側のステアリングスイッチ

ステアリングスイッチ右側の下にある赤いスイッチは、ドライブモードの切り替え用で「Normal」「Sport」「Sport Plus」「Individual」の切替が容易にできる。中央のボタンを押すと、20秒間のブーストモードである「Sport Response」になり、エンジンが高回転を維持し、ハイレスポンスを享受できる。

お馴染みのACC用レバー

さらに、ステアリング左下奥には、アダプティブクルーズコントロール(ACC)レバーを配置。なお、992.2(後期型)ではこのレバーが廃止され、ステアリングスイッチ右側に集約された。レバーを押し上げるとACCが起動し、レバーを前後に動かすと速度設定の変更が可能。レバー先端にあるボタンで車間距離を4段階から選択できる。ACCの解除はレバーを手前に引き、レバーを上にあげると再設定ができる(直前の速度設定で再開)。

ウインカー、ワイパーをチェック

ワイパーレバーは右側
ワイパーレバーは右側

左コラムにあるウインカーは、軽く操作すると3回点滅するワンフラッシャー式で、深く(しっかり)操作すると曲がるまで点滅する。右側にあるワイパーは、オートワイパーをはじめ、レバーを2段下に操作する連続LOW、レバーを3段下に操作する連続HIGH、レバー先端を押すウオッシャーの切替ができる。1回軽く押し下げると1回だけ拭く。

センターディスプレイのメニュー画面

センターディスプレイには「ナビ」「メディア」「電話」「車両」「エアコン」「前後パークセンサー」「デバイス」「Apple CarPlay」「Android Auto」など多彩なメニューが並ぶ。

アシスタンスシステムの設定画面
アシスタンスシステムの設定画面

ドライブモード、シャーシやスポーツクロノを含む走行系、内外装ライト、ドアミラー、ドアロック/アンロック、ワイパー、ACCなどのアシスタンスシステム、ナビゲーション、オンラインサービスなどの操作、設定が可能。多機能だけに階層は深くなりがちで、使いこなすには相当の慣れが必要だ。

多彩な機能をセンターディスプレイに表示する
多彩な機能をセンターディスプレイに表示する

今回は、コクピットやステアリングスイッチまわりを中心に紹介したが、シートの操作系やドアまわり、ラゲッジ、ポケッテリアなどは別の記事でピックアップする。

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連載 新車コクピット解説

by ゲンロクWeb
新型 2026.04.17

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