アルファロメオ一番の人気モデルとなった「ジュニア」

友人・知人から「オススメのクルマは何か?」という質問を受けることがあるが、これはとても難しい。具体的な車名を挙げたいところだが、たどり着くのは決まって同じ答えだ。

「好きなものでいいよ」

というのも、クルマが普及し始めた頃ならメーカーは試行錯誤の繰り返しだった。環境性能や安全性などの制約もなかったから、すべてが挑戦的で、さまざまなクルマが世に送り出されたからだ。しかし、思い返してみても2013年を最後に“絶対にあかん”クルマは登場していない。現在は綿密なマーケティングのもと、完璧な解析と設計が行なわれ、周到なプロモーションによる “正解”しかない。

つまり、クルマを購入するなら自分の目で見て、運転して、気に入ったクルマを買うのがベストということだ。しかし、そのためには“選択肢を持っている”ことが重要だ。そして、もしコンパクトSUVを探しているなら、今回の主役であるアルファロメオの「ジュニア」を見落とすのはもったいない。

アルファロメオ・ジュニア

「ジュニア」は2025年6月に日本で発売された。アジア地域でアルファロメオの販売台数は43.8%増えており、「ジュニア」がそれを牽引しているという。

ヤリスクロスやWR-Vに近いコンパクトSUV

試乗車はハイブリッドの「IBRIDA PREMIUM(483万円)」でボディカラーはブレラレッド/ブラックルーフ(15万円のオプション)。

実際、コンパクトSUVとして考えると「ジュニア」は堅実だ。ボディサイズは全長:4195mm×全幅:1780mm×全高:1585mmと国産車では「ヤリスクロス」や「WR-V」に近い。同じ日に乗った「トナーレ」よりも手の内に収まっている感覚は強くて扱いやすい。

全長:4195mm、全幅:1780mm、全高:1585mmというサイズは国産車では「ヤリスクロス」や「WR-V」に近い。
アルファロメオのSUVである「ステルヴィオ(全長:4690mm)」、「トナーレ(全長:4520mm)」と比べると「ジュニア」は最もコンパクトなモデルだ。

また、荷室は通常時で415Lを確保し、フロアボードを下段にセットすれば倒した後席との段差もなくなるから大きな荷物も気兼ねなく積み込める。もちろん、先進運転支援システムも標準装備されている。あえてひと言で表すなら“フツー”だ。

10.25インチのメーターと同じく10.25インチのConnectシステムによる先進感あふれるコクピットは、水平なダッシュボードと高めの視点のおかげでボディ感覚は掴みやすい。エンジンスタートスイッチ前のトレーにはアルファロメオのエンブレムがあしらわれているだけでなく、Qi充電にも対応。
鮮やかなレッドのアクセントが目をひくファブリック/テクノレザーシートを標準装備。「IBRIDA PREMIUM」の運転席にはヒーターだけでなく、ランバーサポートも装着される。
ジュニアのリヤシート。シートバックは6対4分割加藤式で、中央席にトランクスルーは備えない。
ラゲッジルームは通常時で415Lの容量を確保。
後席は6:4の分割可倒ができるため、乗員や荷物に応じてアレンジ可能。荷室フロアは上下2段階で高さを調整できる。

しかし、「ジュニア」はあのアルファロメオだ。堅実な中身に対して、アスリートをイメージしたシルエットの正面には盾型グリルを構えた姿は、表面にわざわざ「Alfa Romeo」のバッジをあしらうまでもなく、ひと目でアルファロメオだと分かるほど強烈だ。

小さくともその走りはアルファロメオ流

そしてアルファロメオらしさは走りにも感じられる。以前にレポートを書いた「トナーレ」とセットで行なわれた試乗会だったため、「トナーレ」の直後に「ジュニア」へ乗り換えると、「ジュニア」は走り出しから軽快だ。

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https://motor-fan.jp/article/1450237/
アルファロメオ・トナーレ試乗レポート。

1.2L直列3気筒ターボ+モーターはわずかにアクセルに力を込めるだけでスッと軽やかに発進し、そのまま速度を上げていく。アップダウンの激しいワインディングロードでも小気味良く駆け抜けていく。まるで部屋の中を走り回る子犬のような気分だ。

100 ps・230Nmを発揮する1.2L直列3気筒ターボにモーター(16kW/51Nm)を組み合わせる。トランスミッションは6速DCT。WLTCモード燃費は23.1km/L。

そして、速度を上げてコーナーへ突入すると「トナーレ」でも味わったのと同様の重厚でキレのある走りへと変わっていく。クルマが変わってもドライバーを高揚させるアルファロメオ流の走りへとしっかりとまとめている。

「IBRIDA PREMIUM」は18インチアルミホイールを標準装備。「IBRIDA CORE」は17インチアルミホイールとなる。

昔と比べるとクルマ選びで失敗しないことは簡単になった。実用性や燃費、価格そして妻からのプレッシャーなどを考慮して選んだとしても十分に満足できるだろう。ただし、「ジュニア」の姿を街中で見掛けてしまったら……答えが揺らぐかもしれない。