純正シルエットを大切にしたスタイリングが特徴のゴリラ。派手なカスタムとは異なり、“ノーマル然として速い”という完成度の高さが際立つ。

ノーマルを崩さず、ここまで速くなる。“106cc”という完成形

ノーマル風の外観を保ちながら、中身は106cc化された高効率エンジン。大径バルブや燃焼室の最適化により、SOHC2バルブとは思えない鋭い吹け上がりを実現している。

派手なフルカスタムも楽しいが、長く愛されるのはやはり“ノーマルらしさ”を残した一台だ。このゴリラ(モンキーも同じエンジンで同様のカスタムが可能)はその典型で、外観はあくまで純正然としながら、中身で圧倒的な進化を遂げている。

核となるのは、スペシャルパーツ武川の106ccボア&ストロークアップキット。ノーマルヘッド形状をベースにしつつ、大径バルブや燃焼室形状の最適化によって吸排気効率を高め、さらに強化クランクシャフトを組み合わせることで排気量アップと高回転化を両立している。

ここで重要なのは、“やり過ぎていない”ことだ。DOHCやデスモのような構造的インパクトではなく、あくまでSOHC2バルブのまま性能を底上げする。つまり、ノーマルの延長線上にある設計でありながら、結果として得られるパワーは別物。実測2.5psのノーマルから約14psへと引き上げられ、12000rpmまで気持ちよく回る特性は、見た目とのギャップが強烈だ。

“ノーマル風で速い”。そのバランスの取り方こそ、このキットの本質であり、長く乗れるチューンとして支持される理由でもある。

8インチのまま、ここまで刺激的。軽さとパワーの“ちょうどいいバランス”

8インチの軽快な車体に106ccのハイパワーを詰め込んだ一台。スロットルを開けた瞬間に体が持っていかれるような加速で、見た目とのギャップが強烈だ。

走り出してまず感じるのは、8インチならではの軽快さだ。ヒラヒラとした取り回しとコンパクトな車体感覚はそのままに、スロットルを開けた瞬間、まるで別のバイクに乗り換えたかのような加速が襲ってくる。

特に印象的なのが、そのギャップ。姿勢を前傾させずにスロットルを開ければ、思わず身体が持っていかれそうになるほどの加速力で、フロントが浮き上がる気配すらある。8cmロングのスイングアームは見た目のバランスだけでなく、このパワーを受け止めるための“安全装置”として機能している。

車体が軽いぶん体感速度は非常に刺激的で、同クラスを超える速さに感じる場面もある。一方でトルクには余裕があり、ゆったり流すこともできる懐の深さも併せ持つ。

尖りすぎない。けれど確実に速い。
この“ちょうどいい限界”に収まっていることこそ、106cc仕様を完成形と呼びたくなる理由だ。

17Rステージ+Dボア&ストロークアップキット106cc

・価格:15万1800円
・適合:12Vモンキー/ゴリラ(Z50J/AB27)ほか
・排気量:106cc(ボア&ストロークアップ)
・構成:シリンダー/ピストン/クランクシャフトほか一式
・ノーマルヘッド形状ベースの高効率設計
・大径バルブ化+燃焼室形状の最適化
・強化クランクシャフト付属
・SOHC2バルブのまま高回転化(〜12000rpm対応)
・最高出力:約14ps(ノーマル比約5倍)
・ノーマル風の外観を維持したまま大幅な性能向上が可能

その他のディテール

8cmロングのスイングアームを装着し、ホイールベースを延長。強烈な加速によるフロントリフトを抑えるためのセッティングであり、安全性と走行安定性を両立する。
足周りはテレスコピックフォークとディスクブレーキ化などで強化され、エンジン性能に対応。小径ホイールならではのクイックな挙動を活かしつつ、高速域でも破綻しないバランスに仕上げられている。

※こちらの記事はモトチャンプ2026年2月号に掲載されたものです。