「F」はモーターならではの加速性能や高度な車両制御技術を活用した新世代BEVスポーツモデルへ
2026年6月11日、レクサスの新型「ES」がついに日本市場で発売された。そんな中、注目を集めているのが高性能グレード「Fスポーツ」の今後である。

従来のFスポーツは専用サスペンションやスポーティな内外装によって走行性能を高めたモデルとして展開されてきた。しかし、新世代ESでは、BEV(バッテリーEV)をベースとした新たなFスポーツが設定される可能性が浮上している。

ESのチーフエンジニアを務める千足浩平氏は海外メディアの取材に対し、「よりパフォーマンス志向のモデルを開発するなら、個人的にはBEVが最適だと考えている」とコメント。電動パワートレーンは大きな出力を持つだけでなく、緻密な制御によって多彩な走行特性を実現できると説明した。
レクサスはブランド全体の電動化を加速しており、今後はBEVを中心とした商品展開を強化する方針だ。Fスポーツも従来のエンジン性能に依存するのではなく、モーターならではの加速性能や高度な車両制御技術を活用した新世代スポーツモデルへ進化するとみられる。
BEVは発進直後から最大トルクを発生できることが大きな強みである。新型ESのBEVモデル「ES500e」では、状況に応じて駆動力の100%を後輪へ配分することが可能とされ、従来のESにはないダイナミックな走りが期待される。
一方で、レクサスがFスポーツを発売と同時に設定しない理由も明らかになった。千足氏によれば、ES500eはすでにFスポーツが担ってきた要素の多くを備えており、発売時点でさらにグレードを追加するとラインアップが複雑化してしまうという。
ただし、Fスポーツ計画そのものが消滅したわけではない。同氏は将来的な設定の可能性を否定しておらず、現在も検討が続けられていることを示唆している。
また、レクサスは次世代の電動四輪駆動システム「DIRECT4」の開発を進めているとされる。より高度な前後駆動力制御が実現すれば、操縦安定性やハンドリング性能はさらに向上するだろう。
かつて「F」は自然吸気V8エンジンによる高回転型スポーツモデルの象徴だった。しかし次世代では、ソフトウェア制御や瞬時に立ち上がるトルクを武器としたBEVパフォーマンスモデルへと進化する可能性が高い。
セダン市場が縮小するなかでも、電動化はスポーツセダンに新たな可能性をもたらしている。新型ES FスポーツがBEVとして登場すれば、ESはこれまで以上に先進性と走行性能を兼ね備えたモデルへ進化することになりそうだ。





