デモカーの戦闘的なスタイルはノーマルの魅力を楽しんだ答え

アバルト595特集で話を伺ったスティーレの上松淳一代表。走るためのベース車として595に目が行きがちだが、上松代表が推すのは左(白)のアバルト500。
「じつはベース車のチョイスとしては500で十分なんです。価格、内容からも、高価な595でないといけないことはありません。入り口のハードルの低さからも、まずは500で広い層に楽しさを知ってもらいたいのです」と語る。まずはその理由から。
ベース車は500で十分!? クルマの個性をつかんでステップアップを図る重要性

ハンドリングは凄くクイック。どこか尖った挙動。エンジンはドッカンターボ風。いまのFFコンパクトカーにはない異質は、運転している実感が沸く。スティーレが話す、595に乗る醍醐味だ。
上松淳一代表は595のデモカーでサーキットを走り、数々の実績を残している。その仕様は抜かりないが、至るまでには、前述の素を知ることから始まった。
いまノーマルを所有している、もしくはこれからオーナーになる。ならば素やそれに近い状態で一度、サーキット走行を試してみては、というスティーレからの提案だ。
購入検討中なら、うってつけの中古車にも目を向けたい。ベースグレードとコンペティツィオーネ 。 基本の構造は一緒という 。 ギア比もそう。タービンの仕様による性能差に、ブレーキや内外装など、標準装備の違いが大きい。
割に安価な、500やベースグレードを選ぶのも同社の考えではあり。好きなように、コンペティツィオーネ同等にも、あとで自由に仕上げられる。
ピーキーな特性とどう付き合う?
では、ノーマルで走るときに押さえるべきことだ。愛車の整備は大前提。強引な運転、周回も慎む。 全高、トレッド、ホイールベースの比からクルマがこの成りだ。走行では、面白さを先走ると途端にシビアに暴れ出し、お手上げになる。
コーナーの進入、クリップ、立ち上がり。この間にピーキーな挙動があるポイントから一転するのが、キャラクターのひとつらしい。だからブレーキングから慎重にいく。
コーナリングではボトムスピードを十分に落す。自身のスキルでできる操作と挙動の具合を見ながら、徐々にペースを上げる。鉄則どおりである。
595や500のノーマルを掌握できたら、サスキットやタイヤ・ホイールの交換など、パーツの力も借りて楽しみたい。スティーレを訪ねれば、デモカーからのフィードバックメニューを提示してくれるだろう。もちろん、現にチューニングカーで走る向きには、実戦からの答えが返ってくる。
デモカー595の速さの秘密とノウハウ

こちらはのデモカーである595。筑波スーパーバトルでは上松代表が自らアタックして1’04.074の好記録をマークしている。サス交換での車高設定は、フロントロアアームの角度からデモカーくらいが低さの限界とのこと。前後バランスはリアを安定させる目的から水平付近。

500/595/695と、ノーマルのエンジン性能に種類がある。タービンが IHI か、ギャレットか、 そこで特性を味つけている。後者は高出力180 psのクルマに備わるが、差はタービン交換で埋められる。また、デファレンシャルには 1.5wayのL.S.D. を組んでいる。

ECU チューンやタービン交換は定番だ。こ れはデモカーにも使う特製 TD04 タービン。 サイズが大きい分、6500rpm シフトで走る。 参考に純正 IHIタービン車は 5500rpm、同ギャレットタービン車は 6000rpm くらい。

簡単な水温対策。グリル部 分のバッチ側は本来、埋まっている。ここを加工して抜き、開口する。風が入るた め、デモカーでは水温が 5°C 下がった。なお、前述の500 にも施している。ノーマルで走るにも有効。

タイヤは16インチなら215/45R16、17 インチでは215/40R17 が同社の選択。 走りやすさではハイトのある16インチ。ホイールはFFでも前後同サイズが基 本。インセットなどで前後差をつけると、挙動がピーキーになり過ぎることも。
全高があって短いホイールベース。車高調で少しでも車高は下げたい。内輪が接地し、リアもリフトしない動きを目指す。バネレートは車両重量の前後配分からフロント 10 kg/mmならリアは 5kg/mmの比が目安。
こちらはオリジナル車高調。リアは別タンク式で車高を下げつつストロークも取れる。ブレーキはパッド、ローターを強化。
アームのブッシュはリフレッシュや強化をするならピロ化がいちばん。取り付け剛性 が上がり、アームの可動もスムーズ。リアのトーションビームもブッシュがくたびれ ると、なお挙動をふらつかせる。ここもピロブッシュを用意。

テスト中のオリジナルウイング。ハイグリップタイヤを履き、コーナリングを詰めていくうえで必要になった。たとえば相当高い車速を保って進 入するコーナーでは、ステアリングをすっと切った途端に クルマの性格からリアが出る。 小型では効かない。この大きさと形状に意味がある。

コクピットには電子制御の介入を解除するスイッチも(下写真)。純正装備ではな く、配線加工による後付け。 ABSの機能を残して作動が止まる。走れる人は未解除だとブレーキ制御などが掛かって足かせになる。


ベースグレードはシートのサポートに甘さがある。コンペティツィオーネには純正でサベルト製のシートが備わっており、そちらは何とかいける。操作性にも安全性にもバケットシートへの交換と6点式以上のフルハーネス装着を推奨。
5MTA 車で走る人も多い

2ペダルの 5MTAは人気で比率も高い。構造自体は AT ではなく、トランスミッションの中身やクラッチ は 5速MTと共通。だから、オイルの劣化やクラッチの摩耗も起こる。運転のコツは焦ってギアチェンジしないこと。
■スティーレ
埼玉県川口市峯216-1
TEL048-229-2280





