指先から流れる微弱な静電気を感知して動いている!

スマホをカーナビ代わりなどに利用する時に、スマホ対応したグローブが便利。

ツーリングに出かける際、スマートフォンの地図アプリをカーナビ代わりに利用したり、休憩中にルートを確認したりするライダーは多いだろう。そうした場面において、いちいちグローブを外す手間を省いてくれるのがスマホ対応のアイテムだ。

実際、最近のバイク用グローブの指先にはスマホ対応のマークがついているものも少なくない。一般的な手袋では画面を触ってもまったく反応しないにもかかわらず、いったいなぜ、スマホ対応グローブは装着したままでも操作することができるのだろうか。

スマホを触る人
人間の体は電気を通すので、微々たる静電気の場所を感知してスマホは反応する。

この疑問を解明するためには、まず私たちが日常的に使っているスマートフォンの画面が、どのようにして指の動きを認識しているのかを知る必要がある。

現在普及している多くのスマートフォンには静電容量方式と呼ばれるタッチパネルの技術が採用されており、この画面の表面には微弱な電流が常に張り巡らされている。

そして、人間の身体は多くの水分を含んでおり電気を通しやすい性質を持っているため、指先が画面に触れると、画面上の微弱な静電気が体の方へと移動する。

これにより、スマートフォン内蔵のセンサーが静電気が変化した場所を瞬時に計算し、指の触れた位置を正確に感知してアプリの起動や画面のスクロールといった操作を実行するというわけだ。

手袋でスマホを触る人
普通の手袋は電気を通さないため、スマホは反応しない。

逆に言えば、電気を通さない素材で画面に直接触れても、センサーは一切反応しないように設計されている。たとえば、一般的な布や革で作られた通常の手袋で画面をタップしたとしても、電気の流れが完全に遮断されてしまうため、スマートフォンは指の接触を物理的に認識できない。

冬場の乾燥した時期に指先の水分が低下すると画面の反応が悪くなるのも、指先と画面の間で電気が通りにくくなることが主な原因とされる。

普通の手袋では画面が反応しない一方で、スマホ対応グローブがそのまま使える理由は、指先に使われている素材の工夫にある。

スマホ対応グローブ
金属繊維と通常の糸を合わせた導電糸を使用することで、電気の通り道ができあがる。

一般的に、スマホ対応グローブの指先には電気を通す特殊な糸が編み込まれている。この素材は金属繊維を通常の糸に混ぜ合わせて作られた「導電糸」と呼ばれるもので、これがライダーの体内の静電気を画面に伝える架け橋となっているのだ。

ライダーの手がグローブ内部で導電糸に触れることで、そこから指先のパッド部分まで電気の通り道ができあがる。

その結果、グローブ越しであっても静電気が画面へ移動し、素手で触れたときと同様にセンサーがしっかりと反応するため、グローブを外さずにナビの設定や停止中の連絡などの作業が可能になるというわけだ。

ながらスマホ
グローブ上からスマホを触れることはできるが、安全のためにバイクを停止させてからにすべきだ。

とはいえ、グローブをはめたまま操作できるからといって走行中の「ながらスマホ」は重大な交通事故につながる危険な行為であることを忘れてはいけない。

もし警察の取り締まりを受けた場合は携帯電話使用等違反(保持)として処理され、二輪車の場合は違反点数3点にくわえて1万5000円の反則金が科せられるおそれがある。

さらに、画面の注視が原因で周囲の確認が遅れて交通の危険を生じさせた場合は、携帯電話使用等違反(交通の危険)というさらに重い罰則が適用され、違反点数が6点となって免許停止処分の対象となる。くわえて、刑事罰として1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられるリスクも存在しているのだ。

一瞬の油断が取り返しのつかない事態を招くため、スマートフォンの操作は必ず安全な場所にバイクを停止させてからおこなうべきだろう。