OS技研TCDベース/DUAL-CORE/ASSISTセッティング機械式L.S.D.

確実なロック性能を持つスーパーロックLSDを、マイルドな特性に仕上げたTCD。さらにわずかな回転差にも反応するデュアルコアLSDの機構も追加したのが本製品だ。アシストがオリジナルセッティングで提供する。

アシスト 森 テクニカルマネージャー
BMWに精通するアシストのノウハウを、惜しみなくフィードバック。このL.S.D.の誕生には、森テクニカルマネージャーが深く関わっており、機構・機能ともに完全把握。ドライバー個々のスキルや好み、走行ステージ、仕様に応じて、最適なセッティングを施し、組み付けてくれる。

スムーズかつ安定した
たしかな効きを約束

BMW M4をはじめとする Mハイパフォーマンスモデルには、電子制御式の純正 L.S.D.(アクティブ Mディファレンシャル)が搭載されている。車速やアクセル開度、横 G 、スリップ量といった多彩な走行情報をセンサーで検知し、それをもとに最適なトルク配分を行う高機能なシステムだ。

作動制御はアクチュエーターで行われ、油圧式に比べて応答性が高く、精密なトルク制御が可能。 GTS用の制御プログラムをインストールすれば、ロック率や作動タイミングをスポーツ走行向けに最適化することもできる。

しかし、こうした先進的な電子制御L.S.D.にも弱点がある。それが「温度上昇による効きの変化」だ。

基本構造は、機械式L.S.D.と同様にクラッチプレートの摩擦で差動を制限する方式。そのため、激しい走行によってプレートが発熱し、内部温度が急上昇する。純正システムはこの温度も監視し、過度な負荷時には作動を抑制する方向に制御が働いてしまうのだ。

また電子制御といえども、センサーが感知してユニットに信号を送り計算してアクチュエーター(モーター)を動かすのにタイムラグが発生して、微妙なL.S.D.の作動遅れが発生する。

この弱点を解消するのが、アシストが販売するF82 M4 ・F87 M2用の機械式L.S.D.だ。開発・製造はOS技研。同社の静粛性とマイルドな特性で知られる「TCD」をベースに、回転差によっても差動を制限する「デュアルコアLSD」の機構を組み合わせたスペシャルモデルだ。高いロック率と多板クラッチ構造により、耐久レースのような長時間・高温環境でも熱による性能低下が少なく、安定した効きを維持する。

さらに、 Mシリーズのドライブシャフトは左右不等長という構造上、L.S.D.装着時にはシャフトの加工が必要になるケースがある。しかし、 F型M4のシャフトはフランジ一体型で加工不可。

そこでこの製品は、L.S.D.本体のセンター位置をオフセットした専用設計とし、シャフト側に手を加えることなく、純正仕様のままで装着が可能になっている。

純正L.S.D.でもよいのだが、過酷な状況下では「効き」に不安を覚えるM4カスタマーも少なくない。アシストの機械式L.S.D.はそうした悩みに応える、エキスパートドライバー必見のチューニングパーツだ。

純正デフとファイナルギアは一体式

純正デフレンシャルギアは、リングギア(ファイナルギア)と一体成型されている。機械式L.S.D.を組むには、リングギアを切り離して、移植する必要がある。上が一体型の純正デフ。下がリングギアを切り離した状態。部品は他車のものだが、加工作業は同じだ。

純正L.S.D.はアクチェーターで制御

純正の電子制御L.S.D.はアクチュエーターで作動する構造。油圧式に比べ、応答性は高いが、100分の1秒を争うモータースポーツの世界では、「効きがワンテンポ遅れる」と感じることもある。

そんな違和感を覚えているなら、機械式L.S.D.への交換がベスト。アシストでは、交換時に発生するエラー表示を回避する、専用キャンセラーも用意している。

OS技研のL.S.D.技術を凝縮したスペシャルモデル!

このL.S.D.のベースは、確実なロック性能で定評のある『スーパーロックLSD』を、マイルドな特性にチューニングしたOS技研の『TCD (トラクションコントロールデフ)』。そこに、トルクだけでなく微妙な回転差にも反応する『デュアルコアLSD』の機構を加えることで、幅広いシチュエーションに対応する究極のL.S.D.に仕上げられている。

街乗りでは、TCDが持つ穏やかな効き味と高い静粛性が真価を発揮。一方、サーキットではスーパーロックLSD譲りの高いロック性能が強力なトラクションを生み出し、プレッシャープレートの摩擦熱による温度上昇も抑制する。

さらに、タイトコーナーでの、内輪の浮きや縁石を踏むような激しい走行では、デュアルコアLSDの回転感応機能が的確に作動し、安定した走りを実現する。

カム角やイニシャルトルクなどのセッティングは、アシストが担当。Mモデルとの相性は抜群で、セッティングの自由度も高い。機能面での満足度は、純正L.S.D.を遥かに上回る。

サイドギアはデュアルコア仕様
タイヤの空転にも反応

内蔵されるサイドギアは、デュアルコアLSDと同様のスパイラル形状(画像右)。これにより、トルクだけではなく微妙な回転差にも反応する機構が実現されている。この構造によって、OS×アシストのスペシャルL.S.D.は、アクセルにリニアに反応して、操作がコントローラブルになるのだ。

プレッシャープレートはTCD仕様
唐突な作動を抑制

プレッシャープレートの設計によっても、L.S.D.の効き味は変化する。

TCD仕様のプレート(画像左)は、オイルの通路を増やした、OS技研独自の潤滑システム。オイルの流れを適正にコントロールすることで油膜を切らさず、オイルのダンパー効果で密着時の唐突な作動を抑えてマイルドな特性に仕上げている。右はスーパーロックLSDのプレシャープレートで、その効き味の違いが見て取れる。

カム角はアシスト独自の
オリジナル設定

L.S.D.の作動開始タイミングやロックに至るまでの時間を決めるカム角は、アシストのオリジナルセッティング。デモカーで徹底的にテストを重ね、最適解を導き出している。

もちろん、効き具合は、好みやスキルに応じて調整可能だ。なお、このスペシャルL.S.D.の基本仕様は、1.5way(画像左)だが、プレッシャーリングのカム角はカスタマーのシチュエーションに合わせて多くの仕様(カム角) があるので、その中からベストを選んで組み込まれる。

完全な「ON/OFF」の切り替え
機能はスーパーロックLSD譲り

スーパーロックLSDのプレッシャーリングを固定するボルトには、リングを、閉じる方向(=デフがフリーになる方向)へ戻そうとするスプリングが組み込まれている。これにより、LSDが効き始めるタイミングをコントロールできる。

最終的な効きはカム角によって決まるが、それまでのタイミングをスプリングの設定で微調整できるのがOS技研製の優れたところ。その細かな調整ノウハウがBMWに数々のL.S.D.を組み込んできたアシストにはある。


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