Volvo ES90 /EX90

新時代フラグシップ2台

ボルボ ES90とボルボ・カー・ジャパンのエドソン・イシカワ代表取締役社長。
ボルボ ES90とボルボ・カー・ジャパンのエドソン・イシカワ代表取締役社長。

7月8日、ボルボ・カー・ジャパンは、東京のVolvo Studio Tokyoで、新型フル電動クロスオーバー「ES90」とフル電動SUV「EX90」のメディア向け発表会を開催した。日本において販売されるボルボは、すでに5台に1台以上がBEVとなっているというが、今回発表された2台のBEVは、いずれも全長5m超のフラグシップモデルだ。

発表会で「ES90が表現力豊かなクロスオーバー・フラグシップ、EX90が7人乗りSUVのフラッグシップ」という位置づけが説明されたように、かたやクロスオーバーサルーン、こなたSUVと異なるキャラクターを持つ2台だが、新世代SPA2アーキテクチャを採用してEV専用モデルとして開発されたSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)として、いずれもボルボが描く次世代プレミアムEVの方向性を示す存在だという。

両車ともに800Vアーキテクチャを採用

ボルボ EX90
ボルボ EX90

パワートレインのラインナップは、ES90がシングルモーターのRWDモデルの装備違い2グレードに加え、ツインモーター上級仕様のAWDを設定。EX90がツインモーター仕様のAWDを基本に装備と出力違いの3グレードで構成される。

ES90は全長5000mm、全幅1940mm、全高1540〜1545mm、ホイールベース3100mmで、セダンの美しさとSUV並みの実用性を融合したクロスオーバーサルーンとなる。最低地上高は175mm以上を確保し、エアサスペンション装着車ではさらに40mmリフトアップが可能だという。長いホイールベースで実現した広い後席空間が自慢だ。さらに5ドアハッチバック構造を採用したことで、利便性の高いラゲッジスペースを備え、後席を倒せば「V90」並みの積載性能を発揮するという。

一方の3列7人乗りSUVのEX90は全長5035mm、全幅1965mm、全高1740〜1745mm、ホイールベース2985mmと堂々たるボディを持つ。3列目は170cmまでなら対応する居住性と、ボルボ基準をクリアする安全性能を併せ持つという。多用途性に優れたパッケージングとなっている。

両車ともに800Vアーキテクチャを採用し、長大な航続距離(ES90=720km、EX90=650km)と従来のPHEVモデル(S90およびXC90)と比しても競争力のある価格が強調された。ES90は979万円から、EX90は1199万円からという価格を実現。従来のフラグシップであるS90、XC90のPHEVと近い価格帯に設定し、「EVだから高い」という従来のイメージを払拭する狙いがあるという。

重要な技術的トピックは

ボルボ ES90
ボルボ ES90

ES90とEX90は、車両の形状は異なるが、アーキテクチャを共用するため技術的トピックは共通するものが多い。まずは新世代スケーラブル・プラットフォーム・アーキテクチャ「SPA2」を採用したことだ。800Vシステムによる高効率な充電性能に加え、車両全体の電費性能を向上。LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)でのCO2排出量も約30t台に抑えられており、これはコンパクトSUVモデルの「EX40」を下回る環境性能を実現したという。

さらにSPA2とともに重要な技術的トピックは、ボルボ独自のハードウェアとソフトウェアの統合型技術基盤「スーパーセット・テックスタック」(Superset core stack)を採用したこと。これは車両全体を一元制御するSDVの基盤となるシステムで、NVIDIAのOrinプロセッサーを採用し、毎秒254兆回という高レベルの演算能力を備える。

「Hugin Core」と呼ばれる次世代コアコンピューター搭載することで、従来は駆動システム、バッテリー管理、ADAS、インフォテインメントなど100個近く搭載していた小さなコンピューターを統合可能になった。安全性能もボルボらしい進化を遂げた。ライダー、レーダー、カメラ、超音波センサーに加え、ドライバーモニタリング用赤外線カメラなど最新センサー群を搭載。「車体、心臓、脳、そして感覚器官まで全て刷新した」という。

充実のインフォテインメント

ボルボ ES90
ボルボ ES90

デザイン面ではエクステリアに空力性能を向上させるフラッシュサーフェスデザインを採用。新世代「トールハンマー」ヘッドライトは130万画素の高精細LEDを採用し、周囲の交通状況に応じてきめ細かな配光制御を行う。EX90ではDRLの中に格納式のヘッドランプを備えるなどのギミックもあって面白い。

インテリアではボルボが積極的に採用するサステナブル素材を取り入れた。FSC認証木材やリサイクル素材に加え、自然光に近いスペクトルを持つLED照明を採用している。

インフォテインメントの充実ぶりも凄まじい。オーディオに高級オーディオブランドのBowers & Wilkinsを採用し、ドルビーアトモスにも対応するという。アビー・ロード・スタジオというサウンドモードでは、スタジオならではの独自の音場を再現する趣向も取り入れられた。今年後半には日本語対応予定のGoogle Geminiにも対応する計画だという。デジタルキーも標準化され、スマートフォンが車両キーとなることで、シート位置やGoogleアカウントなども自動で呼び出される。

これからのボルボを象徴

ボルボ EX90
ボルボ EX90

800Vアーキテクチャ、SDV、最新安全技術、そして戦略的価格を含め、ES90とEX90は次世代ボルボの基準を示すモデルと言えるだろう。ボルボは今回の2モデルを「単なる新型車ではなく、これからのボルボを象徴するフラッグシップ」と胸を張る。

ボルボ・カー・ジャパンは、発売初期のユーザーには最長5年間の充電サポートを含む専用オーナーパッケージも用意。購入後の充電環境まで含めてEVライフを支援する姿勢を打ち出した。

PHOTO/GENROQ、ボルボ・カー・ジャパン

車両本体価格(消費税込)

ES90 Plus Single Motor Extended Range 979万円
ES90 Ultra Single Motor Extended Range 1129万円
ES90 Ultra Twin Motor Performance 1229万円

EX90 Plus Twin Motor 1199万円
EX90 Ultra Twin Motor 1349万円
EX90 Ultra Twin Motor Performance 1399万円

マイルドハイブリッドモデルのXC90 B5 AWD

内外装を一新した新型フラッグシップSUV「ボルボ XC90」が日本導入「全グレードがハイブリッドモデル」

ボルボ・カー・ジャパン株式会社は、フラッグシップ7シーターSUVの新型「ボルボ XC90」を日本に導入した。第2世代のマイナーチェンジモデルはフロントデザインを一新、「現代的で自信に満ちたエクステリア」となった。