改良で両者の快適性や使い勝手はほぼ横並びに

モデルチェンジした新型ハイラックスは外観が大きく変化したが、シャシーとボディシェル自体は変わっていない。ボディ全長は15mm短縮され、全幅は30mm拡大されているもののデザインの変化による変更で室内空間や荷室寸法はほぼそのままとなる。

新型ハイラックスに追加された新グレード“Zアドベンチャー”は、専用バンパーガーニッシュや荷台の縁を覆うスポーツバーなどが装着される上級グレードだ。改良新型トライトンは外観に変化はないが、スタンダードグレードの“GLS”が廃止されて“GSR”のみの1グレードとなり、スポーツバーがオプション設定に変わっている。

全幅はトライトンのほうが広いが、新型ハイラックスも十分に大きいため、取り回し性は五十歩百歩といったところだろう。なお、新型ハイラックスの最小回転半径は6.4mから6.3mに短縮された。トライトンの最小回転半径は6.2mのままだ。

両車はボディサイズが近いため室内空間や荷台寸法にも大きな差はない。後席はどちらも広いとは言えないが、成人男性でも窮屈感を覚えることなく乗れる広さは備わっている。

新型ハイラックスは後席のセンターコンソール部にエアコン吹き出し口が追加された。一方、トライトンの後席にエアコン吹き出し口は備わらないが、天井にはサーキュレーターも備わっており、車内の前後温度を一定に保ってくれる。車内の快適性についても同等と言ってよいだろう。

ただし車内の利便性に関しては、引き続き後席にチップアップ機能が備わる新型ハイラックスのほうが高く、後席座面を跳ね上げれば車内にも大きめの荷物が積載可能だ。

荷台寸法は新型ハイラックスのほうが100mmほど荷台が長く、アオリの高さはトライトンのほうが40mmほど高く確保されている。最大積載重量はどちらも500kgだ。

トライトンの荷台には2×4材を仕切りとして使える切り欠きが設置されるほか、改良で重いリヤゲートの開閉をサポートする“テールゲートアシスト”が標準装備化された。新型ハイラックスのZアドベンチャーグレードにはダンパータイプのテールゲートアシストが標準装備だ。

旧型同士の比較なら快適性や機能性はトライトンのほうが高かったが、改良幅が大きい新型ハイラックスが追いついたかたちとなる。ただし、細かな使い勝手ではトライトンがやや優位と言えそうだ。

トヨタ ハイラックス Z“Adventure”
ボディサイズ=全長5325mm×全幅1885mm×全高1865mm
ホイールベース=3085mm
車両重量=2190kg
タイヤサイズ=265/60R18(前後)

三菱 トライトン GSR
ボディサイズ=全長5360mm×全幅1930mm×全高1815mm
ホイールベース=3130mm
車両重量=2120kg
タイヤサイズ=265/60R18(前後)

ハイラックスは排気量アップでトライトンのツインターボに対抗!

新型ハイラックスのディーゼルエンジンは旧型の2.4L の2GD-FTVから、ランドクルーザー250などにも搭載される2.8L の1GD-FTVへと改められた。一方トライトンに搭載されるのは、2.4L のツインターボエンジンだ。トランスミッションはどちらも副変速機付き6速ATとなる。

新型ハイラックスの最高出力は54psアップの204psとなり、最大トルクは100Nm上乗せされてトライトン超えとなる500Nmに向上。排気量アップにより最大トルク発生回転数もツインターボのトライトンと同等にまで低められた。

そのぶん新型ハイラックスの燃費性能は低下したが、絶対値では依然としてトライトンより上だ。両者のWLTCモード平均燃費はハイラックスが11.9km/L(Zアドベンチャー)、トライトン(GSR)が11.3km/Lとなっており、ハイラックスがほんのわずかではあるが全速度域で燃費性能に優れる結果となる。

悪路走破性については、これまで電子制御4WDシステム“スーパーセレクト4WD-II”を搭載するトライトンが優位な立場にあった。しかし、新型ハイラックスは電子制御4WDシステムである“マルチテレインセレクト”を搭載。選択モードに応じて駆動力やブレーキを統合制御することで走破力を高めてくれるうえ、トライトンと同様にオートモードも搭載しており、幅広い状況で最適な走破力を発揮してくれる。

最低地上高は新型ハイラックスが215mm、トライトンは220mmとなり、対地障害角にも大きな差はない。また、どちらも機械式デフロックが標準装備だ。新型ハイラックスはパワートレインに関してもトライトンとほぼ横並びとなった。

以上の変更に加え、新型ハイラックスはラダーフレームやボディシェルに補強が加えられたうえ、新たに電動パワステを採用。サスペンションもより乗り心地を重視したセッティングに変更されている。

トライトンも改良でキャビンのボディマウントが変更され車内に伝わる振動が軽減されたほか、ヤマハ製のパフォーマンスダンパーが標準装備となり、ボディを伝わる振動減衰特性とねじれ時の過渡特性が向上した。

ただし、パフォーマンスダンパーは新型ハイラックスにもアフターパーツとして装着できる。両車はシャシー性能もおおむね同等と言ってよいだろう。

トヨタ ハイラックス Z“Adventure”
エンジン形式=直列4気筒ディーゼルターボエンジン
排気量=2754cc
最高出力=204ps/3000-3400rpm
最大トルク=500Nm/1600-2800rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=パートタイム4WD

三菱 トライトン GSR
エンジン形式=直列4気筒ディーゼルツインターボエンジン
排気量=2439cc
最高出力=204ps/3500rpm
最大トルク=470Nm/1500-2750rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=パートタイム4WD

価格も約550万円で横並びに! 選ぶ決め手は運転支援機能とシートヒーター

新型ハイラックス“Zアドベンチャー”の新車価格は550万円、トライトン“GSR”は551万8700円だ。新型ハイラックスは改善点が多いぶん値上げ幅も大きく、価格もトライトンとほぼ横並びとなった。

新型ハイラックスは内装デザインも刷新され、ランドクルーザー250などに近い水平基調かつスクエアなインパネデザインへと変わり、中央には12.3インチセンターディスプレイが備わる。“Zアドベンチャー”はシートおよびトリムカラーがグリーン調のミネラルカラー&イエローステッチとなり、車内の雰囲気や質感もオレンジステッチのレザーシートが備わるトライトンに並んだと言ってよいだろう。

さらに、新型ハイラックスは電動パーキングブレーキが搭載され、停止保持機能付きアダプティブクルーズコントロールが使えるようになった。また、車両の周囲360度を確認できるパノラミックビューモニターには床下透過ビュー機能が備わるほか、新たにタイヤ空気圧警報システムも備わった。これらの装備は全グレード標準装備だ。

運転支援機能に関しては新型ハイラックスがトライトンを追い抜いた。ただし、前席の快適装備は依然としてトライトンが優位となる。

新型ハイラックスにはステアリングヒーターが備わったが、トライトンにはステアリングヒーターに加えてシートヒーターも備わる。両者とも寒冷地装備が標準で備わるが、実際に寒冷地で使用するならシートヒーターが備わるトライトンのほうが快適だ。

ただし、トライトンは2027年夏の大幅改良に向けて受注停止中であり、現在は在庫販売のみとなる。一方、新型ハイラックスも販売台数が少ないため入手困難な状況だ。ピックアップトラックの購入を検討しているなら、長期的な視点で購入計画を立てたい。

車両本体価格

新型 トヨタ ハイラックス Z“Adventure”:550万円

三菱 トライトン GSR:551万8700円