シャベルと脱出ボードまで標準装備! 「自力で帰る」ためのトライトン
三菱トライトンに、シャベルまで標準装備する異色の本格オフロード仕様が登場した。

ブラジル三菱が発表した特別仕様車「Triton Sertões(トライトン・セルトエス)」である。

ルーフラックにはシャベルとリカバリーボードを搭載。さらにシュノーケルやスキッドプレートなども標準装備するなど、単なるドレスアップ仕様ではなく、悪路で「自力で帰ってくる」ための装備を本気で盛り込んだ一台となっている。
現行トライトンは2023年に登場した6代目。ブラジルではこれまで、農業ユーザーを意識した「Terra」や、現地のピックアップ系ブランドとコラボレーションした「BF///MS」など、独自の特別仕様車が展開されてきた。
今回登場した「Triton Sertões」は、新世代の「Triton Savana」をベースに開発された特別仕様車である。
車名の「Sertões」は、1993年からブラジルで開催されている過酷なラリーレイド「Rally dos Sertões(ラリー・ドス・セルトエス)」に由来。その世界観を市販トライトンへ落とし込んだモデルといえる。
ボディカラーには「Cinza Concrete(シンザ・コンクリート)」を採用。オレンジのアクセントとサテングレーのトリムを組み合わせ、通常のトライトンとはひと味違うタフな雰囲気を演出する。
フロントとリヤにはスキッドプレートを装着。サイドにはロックスライダーとしても機能するステップを備え、これらには傷に強い「X-Liner」保護コーティングが施されている。
そして、最大の見どころがルーフだ。
最大50kgまで積載可能なスチール製ルーフラックを標準装備し、そこにはなんとシャベルとリカバリーボードを装着する。
深い泥や砂地でスタックしても自力で脱出できるよう、必要な道具まで最初から積んでいるというわけだ。
さらにシュノーケルも標準装備し、渡河水深は最大800mmを確保。足元には18インチアルミホイールとグッドイヤー「Wrangler Duratrac RT」オールテレーンタイヤを組み合わせる。
中身は意外にもノーマルに近い。4N16+スーパーセレクト4WD-II
ここまで見るとメカニズムにも大幅なチューニングが施されていそうだが、意外にもエンジンとサスペンションは基本的に通常モデルのままである。
搭載するのは4N16型2.4L直列4気筒ツインターボディーゼルで、最高出力205ps、最大トルク470Nmを発生。6速ATと「スーパーセレクト4WD-II」を組み合わせる。
2H、フルタイム4WDとして走行できる4H、センターデフをロックする4HLc、さらにローレンジを使用する4LLcを備える。加えてリヤデフロック、7種類のオフロードモード、アクティブ・ヨー・コントロール(AYC)も採用する。
インテリアにはオレンジステッチや専用バッジ、ラバーフロアマットを採用。レザーシート、9インチインフォテインメントシステム、360度カメラ、7つのエアバッグ、先進運転支援システムなども装備する。
トライトン・サバナ・セルトエスはブラジル限定モデルで、発売記念価格は33万9990レアル(1レアル=31円換算で約1054万円)。生産台数は公表されていないが、少数限定生産とされている。
日本への導入も気になるところだが、現時点でサバナ・セルトエスを日本で販売するとの発表はない。
ただし、現行トライトンは日本でも販売されている。こうした本格オフロード仕様は、日本のトライトンユーザーにとっても興味深い存在だ。
さらに今後のトライトンで注目されるのが「RALLIART」である。
サバナ・セルトエスは悪路走破に必要な装備を大幅に強化している一方、エンジンやサスペンションそのものには大きく手を入れていない。
「Sertões」の次はRALLIART? トライトンの可能性はまだ広がる
入っている情報では、走行性能そのものを引き上げる役割は、今後登場するRALLIARTブランドの高性能モデルが担うとされている。
つまり、セルトエスが「どんな悪路でも走り抜くための装備」を追求したモデルなら、将来のRALLIART仕様はパワートレーンやシャシーまで踏み込んだ、よりスポーツ志向のトライトンとなる可能性がある。
シャベルまでルーフに積んだサバナ・セルトエス。そして、その先にはRALLIARTの高性能モデル――。6代目トライトンのバリエーションは、まだまだ広がっていきそうだ。
















