軽量ミラに1300ccエンジンを搭載!
安く作って思い切り走る純正流用エンジンスワップ仕様
もともとシビックでサーキット走行を楽しんでいたという、いしこさん。しかし、走れば走るほどタイヤや消耗品などにかかる費用が家計を圧迫。そこで、もっとローコストで思い切り遊べるマシンを求めてたどり着いたのが、L700V型ミラバンだった。
チューニングやエンジンスワップの実績が豊富で、他車種から流用できる純正部品も多い。さらに製作を始めた2021年は、ベース車もドナー車も格安で手に入れることができたというから、DIYで楽しむ素材としては絶好の存在だったわけだ。

最大のポイントはエンジン。純正の660ccユニットに代えて、ストーリアに搭載されていた1.3LのK3-VEをスワップしているのだ。排気量は一気に約2倍。NAのままながら、軽量なミラバンとの組み合わせによって走りは大きく変貌した。
「細かい配線作業をやりたくなかったので、ストーリアから配線ごと移植しました。そのおかげで、思ったほど苦労することなくエンジンに火が入りました。ミッションはL175ムーヴのMTですが、1.3Lのトルク特性にはちょうどいいクロス具合で、セントラルを走るのが超楽しいですよ」と、いしこさん。
製作当時はK3-VEも安価で手に入ったため、万が一に備えてスペアエンジンまで確保済み。しかし、現在まで壊れる兆候は一切ないという。純正部品を中心に組み上げた仕様だけに信頼性も高く、公認車検の取得も比較的容易だったそうだ。
エンジンルームを見れば、コストを抑えるためのアイデアも随所に見つけられる。インテークチャンバーは、かつて乗っていたシビック用を流用したもの。手元に残っていたパーツまで無駄なく活用するあたりも、リーズナブルなDIYチューンを成立させる秘訣だ。

一方、数少ない新品のチューニングパーツとして投入したのがイグニッションコイル。アウディ用の社外品を流用することで点火力を強化している。基本は純正流用を徹底しながら、必要な部分にはしっかり手を入れるという、メリハリの効いたパーツ選びだ。
組み合わせるトランスミッションは、L175ムーヴ用の5速MT。1.3L化によって得られたトルクとギヤ比の相性も良く、セントラルサーキットでは各ギヤを積極的に使いながら走れるのがお気に入りだという。

そして、このマシンで最も予算を割いたパーツがロールケージ。製作費を徹底して抑えたマシンとはいえ、安全にサーキットを楽しむための装備には妥協しない。遊びのクルマだからこそ、かけるべき部分にはきちんとコストをかけているのだ。

メーターも純正流用で、1.3Lのハイゼットグランカーゴ用を移植。160km/hスケールが欲しかったことから選んだもので、エンジンスワップ車でありながら違和感なく収まる、純正然とした仕上がりもポイントだ。

エクステリアはミラジーノから一式を移植。クラシカルで可愛らしいルックスを手に入れながら、その中身は1.3Lエンジンを搭載したサーキット仕様というギャップが面白い。アクセルを踏み込めば、軽自動車とはひと味違う、リッタークラスらしい野太いサウンドを響かせる。

車両製作にかかった費用は、なんと総額約30万円。小型貨物として登録して白ナンバーを取得し、普段乗りからサーキットまで1台でこなす。絶対的な速さだけを求めるのではなく、安く作り、壊さず、思い切り走る。そんなDIYチューンならではの楽しさを凝縮した1台なのだ。

