人が運転することを前提としない、2人乗りのCybercabとは?

Robotaxiサービス自体も米国で拡大しており、2026年9月時点でテスラはオースティン、ダラス、ヒューストン、マイアミ、オーランド、タンパで自律走行によるRobotaxiのサービスを提供している。

Tesla Japanが日本初公開した「Cybercab」は、同社の自律型ライドヘイリングサービス「Robotaxi」での使用を想定して開発された専用車だ。

最大の特徴は、一般的なクルマに備わるステアリングホイールやアクセル、ブレーキの各ペダルを持たないこと。Tesla Japanは「人が運転することを前提とせず、無人タクシー用としてゼロから設計された2人乗りの車両」と説明している。

米国Teslaが現在公開しているCybercab Rider Guideによると、ボディサイズは全幅1754mm、全高1408mm。最低地上高は144mm、乗降時のステップイン高は414mmとなっている。

大きく上方へ開くバタフライドアを採用。低く滑らかなクーペスタイルとゴールド系のボディカラーもCybercabの大きな特徴だ。

乗降用ドアには上方へ大きく開くバタフライドアを採用。室内にはテスラ史上最大というセンタータッチスクリーンを備えるなど、従来の「運転席」を中心としたクルマとは大きく異なる空間に仕上げられている。

Cybercabは2024年に初披露され、現在は米国で生産が始まっている。Tesla Japanによれば、今後Robotaxiサービスの車両として順次導入される予定だ。

シンプルな2人乗りの室内には大型のセンタータッチスクリーンを装備。一般的なクルマの「運転席」という概念そのものがない。
ドライバーが運転することを想定せず、乗員2人が移動するための空間として設計されている。

2人乗りのクーペスタイル、大きな荷室も備えたRobotaxi専用車

リヤには容量572Lの大型トランクを用意する。Robotaxiとして、車椅子や旅行時の大きな荷物などを運ぶ用途も想定した設計となっている。

Cybercabは2人乗りとすることで、後方に大きな荷室を確保している。
発表会では荷室容量が572Lであることも明らかにされた。日常的な移動だけでなく、スーツケースなどを積んで空港へ向かうといったライドヘイリングサービスでの利用も想定しやすいパッケージとなっている。

また、アクセシビリティにも配慮されており、シートは車椅子から移乗しやすい高さに設定。荷室には折りたたみ式の車椅子も2台収納できるほか、ドアや頭上のボタンには点字も採用されている。

外観も一般的なタクシーとは大きく異なる。低い車高と滑らかなルーフラインを組み合わせたクーペスタイルで、ゴールド系のボディカラーもCybercabの未来的な印象を強調する。

外装には着色した樹脂製パネルを採用。成形時に塗料を樹脂へ混ぜ込むことで塗装工程を削減し、生産時間の短縮とコスト低減につなげている。

人を運ぶことだけを考えれば、より背の高い箱型ボディも考えられるが、Cybercabは移動効率だけではなく、テスラらしいデザイン性も強く打ち出した車両といえる。

今回の日本初公開に合わせて、Tesla Japanは「Cybercab Japan Tour」を開催する。
東京・青山では9月11日から14日まで公開。その後、9月17~20日に大阪、9月22~23日に名古屋、9月26~28日に東京・新宿へと場所を移し、全4会場を巡回する予定だ。

日本でCybercabが走る日は来る?

では、日本でCybercabによるRobotaxiサービスが始まる可能性はあるのだろうか。
発表会の質疑応答でテスラ側に確認したところ、日本でのCybercab展開については「現状未定」と説明した。

また、ステアリングやペダルを備えないCybercabを国内で運行するため、国土交通省などとの具体的な協議をすでに進めている段階でもないという。

つまり、今回の日本初公開は、そのままCybercabの日本導入やRobotaxiサービス開始を意味するものではない。
テスラ側によれば、今回Cybercabを日本へ持ち込んだ目的は、北米で実際に動き始めた同社のテクノロジーを世界各地で披露することにあるという。

ステアリングもペダルもなく、人間が運転することさえ前提としないCybercab。これは単なる新型EVというより、「クルマを運転する」という従来の概念から離れた、新しい移動サービスのための車両である。

まずは日本で実車を見ることができるようになったCybercab。次に注目されるのは、この未来的な車両が実際に日本の公道を走る日が来るのかどうかだ。