BMW X3
800万円を切ったエントリーグレード「オリジナル」

4代目となるG45型「BMW X3」は、コクピットまわりの表示系や操作性に新しい設計を持ち込み、新世代のヒューマンマシンインターフェイス、ユーザーインターフェイスを採用している。今回は居住性、積載性を中心にBMW X3の実力をチェックした。
新しいユーザーインターフェイスを採用

今回の撮影車両は、2026年5月に追加された新エントリーグレードの「original(オリジナル)」。先進安全装備を完備しながら装備を厳選し、767万円の「20 xDrive original」、787万円の「20d xDrive original」と800万円を切っているのがポイントだ。「Mスポーツ・パッケージ」を60万円でオプション設定している。「Mスポーツ・パッケージ」を選択すると、「M アルカンタラ/ヴェガンザ・コンビネーション ブラック」のシートになる。
フロントシートの特徴は?

フロントシートは、運転席メモリー機能付の電動シートで、腰まわりを中心としたフィット感(ホールド性)の調整が可能だ。シートハイトは、前端、後端別々に上下でき、可動域も大きい。ただし、座面を高めても前方視界はあまり変わらず、ダッシュボードの奥行きもあるため見切りがしやすいとは言いがたい。チルト&テレスコピック機構は手動式で、チルトの調整代は大きいが、テレスコは下側への可動域はそれなり。スライド、リクライニング、前後別々に稼働するシートハイト、チルト&テレスコピックにより運転姿勢の微調整はしやすい。

なお、フロントシートは手動になるが、座面前後長の延長にも対応する。身長170cmの筆者の場合、座面延長機能を使わずに最も短い状態がペダル操作に支障をきたさない。

長身の方でも太もも裏のサポート性は十分に得られるはずだ。前席は、スポーツシートを名乗るだけあってホールド性も確保できる。先述したように、サイドサポートの調整次第ではあるものの、全体としてはフィット感も確保しつつ、タイト過ぎない印象だ。

後席の特徴は?

前席は、乗降性とフォールド性を高い次元で両立している。後席はSUVらしく開口部足元がややタイトではあるものの、乗降性に影響を及ぼすほどではない。後席の着座位置が高めなので腰の上下動も比較的小さくすむ。
リヤシートは床面から座面前端までのヒール段差が高く、深く腰かけられる。身長170cmの筆者が運転姿勢を決めた後方には、膝前にこぶしが縦に2つ、頭上にはこぶしひとつと手のひら1枚程度の余裕が残る。後席は固定式でスライドしないものの、前席座面下への足入れ性が良好なので、長身の方が後ろ寄りにスライドさせても足を伸ばせる。なお、背もたれはやや立ち気味のように感じる。しかし、高めのヒール段差により深く腰かけられるため、好みにもよるだろうが長時間でも姿勢の維持はしやすそうだ。

加えて、前席背もたれ裏側が少しえぐられたような形状になっていて、後席乗員の足元空間を少しでも稼ぐ工夫が凝らされているのもBMWらしい。前席裏のネット収納もお馴染みだ。さらに、後席足元(中央)には、エアコン吹き出し口とトレー、USBタイプC(2口)が配置されている。
ラゲッジ容量はライバルよりも大きめ

後席は40対20対40の分割可倒式で、後席背もたれは、荷室両サイドにあるレバーで前倒しが可能。12Vアクセサリーコンセントもあり、その下には脱着可能な小さなネットが掛けられていて、両サイドに小物も置けるようになっている。

荷室容量は通常時が570L、最大時は1700Lまで広がる。ライバルと比べると、「メルセデス・ベンツ GLC」の620〜1680Lには及ばないものの、520〜1473Lの「アウディ Q5」「レクサス NX」の520〜1411L、「ボルボ XC60」の483〜1410Lなどと比べても大容量となっている。

開口部は比較的スクエアで、開口幅にも余裕があり、前倒し時の段差も抑えられている。路面からの地上開口高は実測で約730mm程度で、このクラスのSUVとしては抑えられている方だろう。床下収納も用意していて、トノカバーを収納できるのもうれしい。

インパネまわりの操作性、ヒューマンマシンインターフェース(HMI)、ユーザーインターフェース(UI)に関しては新しい挑戦が盛り込まれているは、居住性、積載性はライバルと比べて荷室容量などで上回っている要素もある。4人家族でも無理なく座れて、積めるパッケージングとなっている。
PHOTO/平野陽(Akio HIRANO)、塚田勝弘(Katsuhiro TSUKADA)

