400Hzの倍音を狙って徹底調律!

FL5のK20Cに官能の高周波サウンドを

エクスポーネンシャルホーンと呼ばれるステンレス製の削り出しテールピースによって、ひと目でサクラム製と分かる独創的なリヤスタイルを生み出すスポーツマフラー。現行FL5では、洗練度を増したベース車のスタイリングに合わせ、インナーピースにカールカバーを組み合わせたデュアルテールを採用している。

K20Cターボを搭載するシビックタイプR用としては3作目となるFL5用マフラーについて、サクラムの宇野代表は「サウンドとスタイルのベストバランスを追求した」と語る。

開発にはFK2、FK8で培ったノウハウがフィードバックされた一方、最大の難関となったのが、スピーカーから疑似排気音を発生させるASC(アクティブ・サウンド・コントロール)への対応だった。試作を8作も重ね、完成までに費やした期間は実に1年半。その執念が、FL5専用の“音”として結実した。

目指したのは、サクラムが理想とする12気筒時代のF1マシンが奏でていた、官能的な高周波サウンドだ。

4気筒のK20Cでは、その周波数ターゲットを400Hzに設定。これは人間が心地よいと感じる音域を基準としたもので、音源となる排気バルブの作動は6000rpm時で毎分200回、すなわち200Hzとなる。そこで各構成パーツを細かく調整し、その倍音となる400Hzへと音を“調律”しているのだ。

FL5用マフラーは、4本のパイプと3つのサイレンサー、合計7つの主要パーツで構成される。メインパイプは65φで、そこから50.8φ×2のテールパイプへとつながるレイアウト。パイプの長さや取り回し、分岐方法に至るまで徹底的に吟味されている。

狙ったサウンドを作り込むには、7つのパーツそれぞれを細かく調整する必要がある。その緻密な開発を可能にしているのが、サクラムならではのマフラー開発・製造体制だ。

完全車種別設計となるサイレンサーユニットは100%自社製。内部に組み込まれるパンチングパイプも、穴の位置や数まで異なるオリジナル品を社内で製造している。車種ごとに最適な仕様を選択し、消音材には耐熱性と耐久性に優れた金属製ウールを採用。これによって、狙った高周波サウンドと車検対応の音量を両立させている。

そして、サクラム管の“顔”ともいえるエクスポーネンシャルホーンも100%自社製造となる。

ステンレス素材からNCマシニングによってプレートを削り出し、ステンレスパイプと溶接してインナーピースを製作。FL5ではリヤバンパーの切り込みに合わせた専用サイズとし、そこにカールカバーを組み合わせる複雑な構造を採用している。

熟練の職人が一つひとつ丹念に組み上げることで、まるで金管楽器を思わせる、機能部品とは思えない芸術的な仕上がりを実現しているのだ。

こだわりは、目に付きやすい部分だけではない。

一般的なプレス加工品ではなく、各部のフランジに至るまで削り出しで自社製造。装着時のズレを抑える高い加工精度と、工業製品としての完成度を追求している。

構造は触媒以降を交換する3ピース式。各パイプを接続するフランジには、信頼性の高いホンダ純正の樹脂製リングガスケットを使用できる設計とされている。

さらに特徴的なのが、純正の排気バルブを使用しない固定音響構造式サイレンサーだ。スペアタイヤハウス内にある純正駆動モーターには、自社設計の専用バルブキャンセラーを装着。純正バルブを取り外した際のワーニングランプ点灯にも対応している。

また、走行時の熱膨張差を考慮して追加された補強ステーも、単に強度を確保するだけではない。製品全体の美しさを損なわないよう、形状まで吟味して仕上げられている。

もちろん、サクラム製スポーツマフラーだけに排気効率も抜かりはない。ストリートカスタムで求められる性能を十分に確保しながら、交換用マフラー事前認証制度にも適合。JQRプレートを備えた車検対応品となっている。

価格は41万8000円。

官能的なサウンド、確かな排気性能、そして削り出しパーツや美しい溶接部まで眺めて楽しめる造形美。見える部分はもちろん、内部構造や見えない部分にまで一切妥協せず作り込まれたFL5用サイレンサーキットは、まさにプレミアムと呼ぶに相応しい“サクラム管”なのだ。

●取材協力: サクラム 埼玉県深谷市永田1098 TEL:048-584-7117

「“もてぎ”のセーフティカーは音が違う!?」シビックタイプRが放つ高周波サウンドの正体に迫る

日本屈指のテクニカルコース、モビリティリゾートもてぎ。そのセーフティカーとして活躍するFL5とFK8のシビックタイプRには、サクラム製スポーツマフラーが採用されている。高周波サウンドで知られる同ブランドが手掛けた一本は、排気効率はもちろん、スタイル面でも特別仕様。レース現場で鍛えられた“本物”のサウンドに注目が集まっている。

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