雨の日、「滑る」のはタイヤだけじゃなかった!


雨の日はタイヤが滑らないよう慎重に走るものだけど、なんだかいつもよりバイクを操作しづらい。そんな時は、自分とバイクの“接点”にも注目してみてほしい。
たとえば手。雨でハンドルグリップやグローブが濡れると、普段と同じようにスロットルを操作しているつもりでも手がズレやすくなり、無意識に強く握ってしまうことがある。長く走れば、それだけ手や腕も疲れやすい。
そしてスクーターなら足元も同じ。一般的なミッション車のようにタンクを膝で挟んでニーグリップできないので、ブレーキング時などは足元でも身体を支えている。ところが雨でフロアステップが濡れると、靴底がズルッと前へ動いて踏ん張りづらい。
どちらも「ちょっと滑る」程度のことなんだけど、この小さなズレが雨の日にはけっこう気になるんですよね。
濡れたグリップでも食いつく! キモは手の平のシリコン素材
まず手の滑り対策として試したのが、MERCURY PRODUCTS(マーキュリープロダクツ)の「エンデューログローブ」。なんでも、泥んこシーン上等な「エンデューロレースでグローブが滑ると疲れちゃうだけでなく、危ないんです。いや、勝ちたいんです!」ということで開発されたという“滑らないグローブ”だ。
最大の特徴が手の平側。水分や泥が付いた状態でもグリップしやすい素材が使われている。

手の平に採用された凸凹形状のシリコン素材。濡れた状態でもグリップしやすいのが特徴。さらに言うと、北米の消防署でも採用実績のある耐熱性の高さも特徴。走行後のマフラーやディスクローターに触れても溶けることがなく、メカニックグローブとしても使えそう。
実際に雨の日に使ってみると、濡れたハンドルグリップでも手の平がズレにくい。ギュッと力を入れて握り続けなくても、自然とグリップに食いついてくれる。これは筆者も経験したことがない感覚です。
雨の日も関係なくバイク通勤をする筆者。路面や周囲の状況にも気を使うため「グリップが滑るから強く握っておこう」という要素が減るだけでも、ずいぶんラクに感じる。ただし、これはレインウェアのような“濡らさないための防水グローブ”ではない。むしろ狙いは、濡れたり泥が付いたりしても滑りにくいこと。そこがこのグローブの特徴だろう。筆者の使い方としては、晴れの日はいつものグローブ、雨が降りそうな日はコレという使い分けが良いと思いました。

指部分には、動きを妨げないよう8カ所にラバー製プロテクターを装備。ハードプロテクターではないため「完全武装派」にはおすすめしないが、そのあたりは自己判断で。
MERCURY PRODUCTS エンデューログローブ

メーカー:MERCURY PRODUCTS
品番:MPEDG-007
製品名:エンデューログローブ
価格:6930円
ニーグリップできないスクーターこそ、足元を滑りにくく!
続いて試したのが足元の滑り対策。
スクーターのフロアステップは雨で濡れると、靴底との組み合わせによってはツルッと滑ることがある。とくにブレーキングで身体が前へ動いた時、「踏ん張りたいのに足が前へズレる」というのはなんとも落ち着かない。

スクーターは足元でも身体を支える乗り物。だからこそ、フロアステップの滑りやすさは雨でなくても気になるところ。
一般的なバイクなら燃料タンクを膝で挟んで(ニーグリップして)身体を支えられるけれど、スクーターではそうはいかない。だからこそ、足を置いた場所でしっかり踏ん張れることは思っている以上に大事なんです。
そこで試してみたのが、STEP SOLUTION(ステップソリューション)の「スリップガード」。本来は階段やスロープなど、滑りやすい床面に使う滑り止めスプレーで、石材、金属、タイル、木材、塩ビなど幅広い素材への使用ができる。「それならステップボードにも?」と思ったのがキッカケ。クリア色なので施工後の見た目を大きく変えにくいのはうれしい。
使い方はいたってシンプル。施工面の汚れや油分を落として乾燥させ、塗りたくない場所をマスキング。そのうえでスプレーしていく。

必要な場所だけ塗れるよう、周囲をマスキングしてからスプレーする。まあ乾けば透明になるので、自分さえよければだいたいで大丈夫。
乾燥後の表面を触ってみるとしっかりザラザラ! その理由は、アクリル系樹脂にガラスビーズを配合しているから。クリア色なので、いかにも“滑り止め加工しました”という見た目になりにくいのもいいところだ。

乾燥後の表面は細かなザラザラ仕上げ。紙やすりに例えると600番くらいかな。クリア色なので、見た目の変化はかなり控えめ。
実際に足を置いてみると、靴底がググッとグリップしているのが分かる。晴れた日でも雨の日でも、足を置いた場所で踏ん張れるようになった。これ、フロアステップだけでなく、キャリアに塗布したら荷物のズレも少なくなりそうです。

施工後に実際に足を置いた状態。足元のズレが減ると、ブレーキング時にも身体を支えやすくなる。
STEP SOLUTION スリップガード

メーカー:ステップソリューション
商品名:スリップガード 床用滑り止めスプレー クリア色
内容量:300ml
メーカー希望小売価格:2200円
塗布面積:約1m²/1本(2回塗り)
成分:合成樹脂(アクリル)、有機溶剤、ガラスビーズ
※本来は床用の滑り止め製品。バイクへ使用する場合は、施工する材質や表面処理との相性を確認し、目立たない場所で試してから施工したい。
“滑らない”より、“ズレにくい”くらいがちょうどいい
今回試した2つのアイテムに共通しているのは、「滑るのを軽減する」。という点。どちらも小さな違いだけど、雨の日は路面状況や視界にも気を使うぶん、手や足にまで余計な力を使いたくない。自分とバイクが触れている場所が安定するだけでも、乗っている時のストレスはけっこう変わってくるもの。
雨対策というと、レインウェアや防水ブーツなど「濡れないための装備」に目が向きがち。でも、濡れたあとにどう乗りやすくするかを考えてみるのもアリ。雨の日に滑るのは、タイヤだけじゃないですからね。
【モトチャンプ編集部】
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