Bentley Torcal
前後アクスルに永久磁石同期モーター搭載

ベントレー初のフル電動モデル「トルカル」は、あらゆるベントレーオーナーが求める力強いパフォーマンスを実現したと謳う。強力な永久磁石同期モーターを前後アクスルに搭載。フロントモーターにはオープンデファレンシャルを備え、リヤモーターには各出力軸に多板クラッチを備えたロッキングデファレンシャルが採用している。高電圧バッテリーは、192基のリチウムイオンポーチセルを直列接続した構成。公称電圧は800V、ネット容量は113kWhとなり、バッテリーは約16万kmまたは10年間の保証が付帯する。
足まわりには、ベントレー初のフルアクティブサスペンションを採用。2バルブ式アダプティブダンパーと組み合わせることで、滑らかな乗り心地に加えて、ドライビングモードに応じたシャシーセッティングを選択することができる。ダンパーは路面やドライバーからの入力に反応して個別作動し、優れた乗り心地とボディコントロールを実現したという。
電子制御式「オールホイールステアリング」を標準装備。最大5度のリヤステアリング角により、最小回転直径を11.1mまで縮小することで、高い俊敏性を手にした。スチール製ブレーキシステムを標準搭載し、オプションで、カーボン・シリコン・カーバイド(CSiC)セラミックブレーキシステムへのアップグレードも可能となっている。
トルカルは、標準モデルとなる「コア」と、スポーティな「S」という2つのモデルを展開する。「コア」は、最高出力821PS、最大トルク1194Nmを発揮し、0-100km/h加速は3.4秒、最高速度は250km/h。「S」は、ローンチコントロール作動時に最高出力888PS、最大トルクはラインナップ最強の1350Nmを発揮し、0-100km/h加速は2.9秒、最高速度は260km/hを誇る。
トレカルのデザインを構成する4つの「リード」

デザインディレクターを務めるロビン・ペイジ率いる、英国クルーの社内デザインチームは、ベントレーのDNAに深く根ざしながら、力強く大胆なデザインと、低重心で流麗なフォルムを兼ね備えたSUVを生み出した。
「ベントレーをデザインする際、私たちは人が造形物をどのように認識するかを意識します。人はクルマの全体像を一瞬ですべて捉えるわけではありません。視覚と理解には階層が存在し、私たちはそれを4つの『リード(見え方の順序)』という概念で説明することができます」と、ペイジは説明する。
第1のリードは、プロポーション。トルカルのロングホイールベース、ショートオーバーハング、そして堂々としたフロントフェイスが力強いスタンスを生み出し、ベントレーが掲げる「アップライト・エレガンス(堂々とした品格)」を体現する。どこまでも伸びやかに続く「エンドレス・ボンネット(ボンネット)」もあり、圧倒的な存在感、ひと目でベントレーと分かる存在感を手にした。
第2のリードは車両のグラフィック要素となり、特にフロントフェイスを通じてアイデンティティと表情を確立する。「コンチネンタル T」など、ベントレーの象徴的な名車の面影が、先進のライティング技術と特徴的なイルミネーテッド・ダイヤモンドグリルによって再解釈された。リヤセクションは、コンセプトカー「EXP 15」で初めて導入されたデザインポリシー「プレスティージアス・シールド(威厳ある盾)」が表現されている。
第3のリードはサーフェイス(面の表現)。造形の美しさやボリューム感、そして車の周囲を移動する中で光と影が魅せる豊かな表情が表現された。あえて無駄なラインを削ぎ落とし、面とプロポーションそのもので独自の世界観と個性を描き出した。ボリュームのあるリヤフェンダーの張り出しは、キャビン後方を絞り込むことでリヤホイール周辺に躍動感を与え、静かな造形のなかで圧倒的なパワーと躍動感をアピールする。
第4のリードはディテールとなり、ダイヤモンドパターンがトルカル全体を貫く一貫したデザインテーマとしてチョイスされた。ある部分では鮮明な造形として、またある部分では立体的な面やテクスチャー、繊細な模様として表現されている。
クラフトマンシップとテクノロジーを融合

デザイン哲学は、インテリアにも息づく。ダッシュボードはベントレーを象徴する「翼」をモチーフにデザインされ、シンメトリー(左右対称)が生み出す力強さと調和を表現。さらに、ダイナミックかつ洗練された面構成は、レザーやウール、ヴェニア、アルミニウムといった素材によって構成されている。
14.25インチメーターディスプレイ、12.25インチカーブドOLEDタッチスクリーン、繊細なローレット加工を施したダイヤル、新たな解釈を加えたブルズアイ(丸型)エアベントなど、クラフトマンシップとテクノロジーを融合。センターコンソールやステアリングホイールにあえて物理スイッチを残すことで、心地よい触感と確かな操作感をもたらすという。
完全な新設計のシートには、様々なテクノロジーを導入。標準シートは、16ウェイ調整機能、シートヒーター、ベンチレーション、調整式サイドボルスター、新開発のリラクゼーション機能を備える。3座式リヤシートは、ベントレー初となる電動格納システムを導入。今回、オプションとして革新的な最新テクノロジー、「ポスチュラル・アジャスト(姿勢自動調整)」と「スマート・シート・クライメート」システムも用意された。
この新機能は、シート形状を常に微調整して体圧分散を細かく変化させ、ヒーターとベンチレーションを自動制御。キャビン内のパッセンジャーの体温を最適な設定温度に保つことで、長距離移動時の快適性を飛躍的に高める。さらに、専用の「ウェルネス・シート・スペシフィケーション」を選択すると、リラクゼーション範囲が背もたれから座面にまで拡大し、背中や肩だけでなく脚部まで優しく解きほぐすという。
ラインナップで最もコンパクトな4ドアモデル

全長5mのトルカルは、ベントレーのラインナップで最もコンパクトな4ドアモデルながらも、優れた室内空間を実現。460Lのラゲッジスペースに加え、90Lのフロントストレージも備える。
最小回転直径は11.1mで、都市部でも優れた取りまわし性能を発揮。また、航続距離は最大約600kmに達し、長距離移動も快適に行うことができる。欧州などでは既に導入されている400kWの充電設備を使用すれば、10〜80%までの充電を20分弱で完了。わずか7分で約161km分の航続距離を追加することも可能だ。
最新の「ADAS(先進運転支援システム)」技術により、高度な運転支援機能と駐車支援機能を提供し、より簡単で直感的なドライビング体験を実現。車両の周囲に配置された25基のレーダー、センサー、カメラが、周囲の環境と連携するための情報を収集する。狭い道路で障害物に遭遇した場合には、障害物を通過させるため、あらかじめ認識した地点まで自動で後退することができる。
牽引時の支援機能や、ガレージへの駐車、ホイールリムの損傷を防ぐための縦列駐車支援、アプリを介したリモート駐車にも対応。4基のレーダー制御式パワードドアは自動で開閉する。ドアのクローズ操作は、それぞれの乗員がシートベルトを装着することで開始するほか、メインタッチスクリーンから行うこともできる。また、ドライバーは、ブレーキペダルに圧力をかけることで自身のドアを閉めることもできる。
ルーフには、新開発「フロステッドダイヤモンド・スイッチャブルガラスルーフ」を採用。パッセンジャーは光の入り方や車内の雰囲気を好みに合わせて調整することが可能で、実用性とラグジュアリー性を両立した。
ベントレー・ダイナミック・シンフォニー

トルカルの開発チームは、車内に届くサウンドに関して、単なる電子的再現を超えて、内燃機関モデルと変わらない力強いサウンドを生み出すことを目指した。
ベントレーV型8気筒エンジンのリズムこそがその魅力の中心にあることを見いだし、ドラム、ヴィオラ、ベースギターなどの実際の楽器を用いて「ベントレー・ダイナミック・シンフォニー」を制作。そこには、微妙な変化やわずかな不完全さも取り入れられた。
トルカルのサウンドトラックは、アイドリング状態からフルスロットル加速まで、単なるエンジン音の模倣にとどまらず、車両との一体感を高める聴覚的フィードバックをドライバーに提供する。重厚で力強い低音域のサウンドは、ドライバーのトルク要求量や車速に応じて精密に調整。車両の挙動に連動した感覚的なフィードバックが向上し、常に安定した車両コントロールをサポートする。
「ベントレー・ダイナミック・シンフォニー」の音量は「スポーツ」モード選択時に高まるほか、完全にオフにすることもできる。ウインカーの作動音はベントレーのレザー工房でハンマーが革の表面を叩く音を録音したサウンドを採用。タッチスクリーンやデジタルアシスタントの通知音にも、クリスタルグラスの音が用いられた。
「ベントレー トルカル」を動画でチェック!
