EV販売台数増……トヨタbZ4Xと日産リーフが顕著
「日本ではEVが売れない」といわれてきた状況に、変化が起きている。
2026年6月の国内における登録乗用車のEV販売台数は1万2225台に達し、前年同月比286.7%と約3倍に急増した。登録乗用車全体に占めるEV比率も4.9%まで上昇している。さらに1~6月の累計は5万1028台となり、2025年通年の3万9885台をわずか半年で上回った。
ただし、ここでいうEVは日本自動車販売協会連合会(自販連)が集計する登録乗用車であり、日産「サクラ」などの軽EVは含まれていない。

6月のメーカー別販売台数を見ると、トヨタ3115台、日産1603台、ホンダ1061台、スバル395台、輸入車6051台。車種ではトヨタ「bZ4X」シリーズが2776台、日産「リーフ」が1504台と大きく伸びた。


相対的な価格の値頃感と航続距離アップが好調の理由?
販売増を支えている要因のひとつが、EV最大の弱点とされてきた価格と航続距離の改善である。
現在のbZ4XはG(FWD)が480万円から。上級のZ(FWD)は550万円となるが、一充電走行距離はWLTCモードで最大746kmに達する。「価格が高く、長距離を走れない」というEVの弱点は、以前ほど大きなものではなくなった。

日産リーフも新世代では従来のハッチバックからクロスオーバースタイルへ大きく変わった。
B5 X(FWD)のメーカー希望小売価格は473万8800円で、国のCEV補助金は全グレード一律129万円。補助金を単純に差し引けば、実質的な負担額は300万円台半ばまで下がる。

つまり2026年のEV販売増は、消費者の嗜好が突然変わったというより、価格競争力の向上、大型補助金、航続距離の拡大、そして商品力を高めた新型車の投入が重なった結果と見るべきだろう。
日本製EVを牽引した軽EVの存在
日本のEV市場では、軽EVの存在も無視できない。
代表格の日産サクラは2022年に登場。2026年には244万円台から購入できる廉価グレードも加わり、国のCEV補助金58万円を利用すれば、単純計算で187万円前後から購入できる。

長大な航続距離を狙うのではなく、買い物や送迎など日常用途を中心に据え、購入価格を抑えたことが特徴だ。
サクラなどの軽EVが日常の足として市場を開拓する一方、2026年にはbZ4Xや新型リーフなど登録車EVの商品力も大きく向上した。
EV販売台数の約半数を占める輸入EV
そして今回の販売増を語るうえで、もうひとつ見逃せないのが輸入EVである。6月の登録EV1万2225台のうち、輸入車は6051台。実に約半数を占めている。つまり今回の「約3倍増」は、bZ4Xやリーフだけで起きたものではない。国産車、輸入車を含めてEVの選択肢が広がったことも販売増を押し上げている。

市場の主流はハイブリッド車だがEVは前年を大きく上回る水準で展開
もっとも、この数字だけで「日本にもEV時代が来た」と判断するのは早い。
同じ6月の登録乗用車では、ハイブリッド車(HV)が15万345台、構成比60.6%を占めた。EVの1万2225台とは依然として大きな開きがある。
また、前年のEV販売台数が低水準だったため、前年同月比286.7%という大幅な伸びには反動増の側面もある。それでも、登録車EVが2026年上半期だけで2025年通年の販売台数を上回った点は見逃せない。

これまで日本市場では「EVが売れない」と語られることが多かった。しかし2026年の数字を見る限り、価格、航続距離、商品ラインアップが改善すれば販売台数は伸びることが分かる。約3倍という伸びが一時的なものなのか。次に見るべきは、2026年後半もこの販売ペースを維持できるかどうかである。

