切り立ったノーズと、リヤスポイラーへ向かって傾斜するルーフライン。SUVのパッケージでGTのプロポーションを描く

10月17日に発表された新型「メルセデスAMG GT SUV」は、メルセデスAMGが59年の歴史において、初めて車両全体を一から自社開発したフルサイズSUVだ。先に公開されたAMG GT 4ドアクーペに続き、電動車用の高性能アーキテクチャ「AMG.EA」を採用する2番目のモデルとなる。

メルセデスAMG GT SUV

ボディサイズは全長5084mm、全幅2001mm、全高1656mm、ホイールベースは3040mm。プロポーションの特徴は、切り立ったノーズ、長いホイールベース、ワイドなトレッド、そしてリヤスポイラーに向かって下降するルーフラインだ。寝かせたウインドスクリーンと長く伸びるルーフ、張り出したホイールアーチが、スポーティな姿勢をつくっている。

メルセデスAMG GT SUV

サイドビューでは、ベルトラインの高さを全周の視界とスポーティなドライビングポジションの両立を考えて設定したという。フレームレスのサイドウインドウを採用し、コンパクトなドアミラーやリヤサイドウインドウまで伸びるトリムが、サイドの印象を引き締める。ボンネットのパワードーム、張り出したフェンダー、大径ホイール、短いオーバーハング、厚みのあるリヤショルダーも、パフォーマンスモデルらしさを強調している。

シルエットを低く抑えたのは、前面投影面積を小さくし、空気抵抗を低減するためでもある。前面投影面積は2.80m²、Cd値は0.27。薄型のバッテリーを車体に統合したパッケージングにより、低い全高とSUVに求められる頭上空間、最低地上高を両立させたという。

メルセデスAMG GT SUV

メルセデス・ベンツ グループのチーフ・デザイン・オフィサー、バスティアン・バウディ氏は、エクステリアについて次のように語る。

「パフォーマンスは存在感から始まります。新しいメルセデスAMG GT SUVは、ダイナミズムを究極のカタチで体現しました。筋肉質なショルダー、ワイドなトレッド、低く構えたシルエットによる力強い外観は、その卓越したパフォーマンスをひと目で伝えるもの。まさにピュアなAMGです」

イルミネーション付きのグリルとスター、6灯の円形テールランプ。光のシグネチャーでつくるフロントとリヤの表情

フロントまわりでは、フレームとメタリックの縦桟で構成するAMG専用のラジエターグリルが特徴だ。グリルと中央のスリーポインテッドスターには、オプションでイルミネーションを設定。ヘッドランプには、スターをモチーフにしたデイタイムランニングライトを組み込んでいる。

そしてフロントバンパーには「エアロキネティクス・エアパネル」の縦型スラットを配置。通常は閉じて空気抵抗を抑え、冷却が必要になると開く仕組みだ。

メルセデスAMG GT SUV

リヤには、タービンをモチーフにした円形のテールランプを6灯配置。一部グレードでは、アクティブ式の「エアロキネティクス」ルーフスポイラーを装備する。低速時はシルエットと一体化した位置にとどまり、150km/hを超えると走行状況に応じて角度を調整して、空気抵抗の低減や走行安定性の向上を図る。

メルセデスAMG GT SUV
メルセデスAMG GT SUV

一般的なSUVより低い着座位置が特徴。AMG GTのコクピットをSUVのパッケージに移植

インテリアは、AMG GTのコクピットの考え方をSUVのパッケージに取り入れた構成だという。ドライバーは一般的なSUVより低い位置に座り、スポーツカーに近いドライビングポジションをとる。ドライバー側に角度をつけた14.0インチのマルチメディアディスプレイと10.2インチのメーターパネルは、視覚的にひと続きのユニットを構成。助手席側には独立した14インチディスプレイも用意される。

メルセデスAMG GT SUV

センターコンソールには、アクセル操作に対するレスポンス、コーナリング特性、スリップの許容量を調整する3つのロータリーコントローラー「AMG RACE ENGINEER Control Unit」を配置。AMGパフォーマンス・ステアリングホイールは、ボタンを組み込んだ立体的な造形で、回生量を変更するパドルを備える。

メルセデスAMG GT SUV
メルセデスAMG GT SUV

シートはホールド性と長距離での快適性に配慮したもので、ヘッドレスト一体型のAMGパフォーマンスシートもオプションで選べる。ドアパネルは、フローティング形状のアームレストとダイヤモンドパターンのステッチが特徴だ。グリップハンドルにはスイッチ類を組み込んでいる。

メルセデスAMG GT SUV

傾斜したルーフラインながら、後席には十分な頭上空間と足元空間を確保したという。3人掛けのベンチシートが標準で、バックレストは可倒式、ヘッドレストは電動で倒せる。全面ガラスの「SKY CONTROL」パノラミックルーフは透明と不透明を切り替えられ、オプションで夜間のライティング演出も可能。アンビエントライトは連続したライトストリップで構成し、メーターや操作系、ディスプレイの配色と合わせてコーディネートできる。

メルセデスAMG GT SUV

ドイツでは「GT 53 SUV」が10月20日に受注を開始する。価格は11万3050ユーロ(付加価値税19%込み)。「GT 63 SUV」と「GT 55 SUV」は2027年春に追加される予定だ。