パーソナルユース向きのUXと、オールラウンダーなGLA

2026年9月1日に発売された“UX300h シャイニングエッセンス”は、専用装飾と特別なボディカラーを纏う新グレードだ。外装はシルバー塗装のスピンドルグリルやボディ同色フェンダーアーチモールが装備され、内装にはドアスイッチ部などにレクサス初採用となるレイヤーグリッド加飾が施されるほか、シートは合成皮革“L-Tex”表皮のベンチレーションシートが装着される。

これに対して、2025年6月に登場したGLAの“アーバンスターズ”は、人気のオプション装備であるAMGラインエアロや電子制御ダンパーなどが標準装備となる特別モデルだ。UXの“シャイニングエッセンス”とGLAの“アーバンスターズ”は、どちらも装備を充実させたモデル末期の買い得グレードと言ってよいだろう。

UXとGLAのボディサイズはほぼ同等となる。全幅は1.8mを超えるが、全長は4.4m強に抑えられているため取り回しは悪くない。短めの全長により後席空間はやや狭いものの、どちらも成人男性でも閉塞感を覚えずに座れる広さを備えている。

後席膝まわり空間はGLAの方が拳1つ分広く、頭上空間はUXのほうが若干余裕がある。十分な頭上空間を確保しながら、UXは1550mm規制の立体駐車場を利用できる全高に抑えられている点も大きな特徴だ。

フル乗車時の荷室容量はGLAがこのクラスで標準的な425リッターであるのに対し、UXは平均を大きく下回る268リッターに留まる。UXにゴルフバッグを搭載するにはリアシートを格納する必要があるうえ、荷室開口部もGLAに比べて狭い。

GLAは後席が4:2:4の分割可倒で使いやすいうえ、後席にはスライド機構も備わるため乗員スペースと荷室容量を自在に調整できるメリットがある。

GLAの方がシートポジションが高く見晴らしがよいSUVらしいスタイルであるのに対し、UXはセダンライクに使えるSUVだ。オールラウンドに使えるのはGLAの方だろう。UXはパーソナルな用途に向くクルマと言えそうだ。

レクサス UX300h “Shining Essence”
ボディサイズ=全長4495mm×全幅1840mm×全高1540mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1540kg
タイヤサイズ=225/50R18(前後)

メルセデス・ベンツ GLA180 Urban Stars
ボディサイズ=全長4445mm×全幅1850mm×全高1605mm
ホイールベース=2730mm
車両重量=1570kg
タイヤサイズ=235/40R20(前後)

乗り心地はGLAに軍配! 燃費はUXが圧勝

UXのパワートレインは2.0L 直列4気筒エンジンに最高出力154ps/最大トルク206Nmのモーターを組み合わせたシリーズパラレルハイブリッドシステムだ。2023年12月のマイナーチェンジで一新されたパワートレインは従来よりもシステム最高出力が向上しており、度重なるボディ剛性の強化と足まわりの改善で熟成が図られている。

これに対してGLAは1.4L 直列4気筒ターボエンジン+マイルドハイブリッドシステムだ。モーター最高出力は約13.5ps、最大トルク58Nmと小さくアシストは発進補助に留まる。GLAは、あくまで極低回転から強大なトルクを発揮するターボエンジンとDCTが主役だ。

UXの方が軽快でスポーティな乗り味に感じられるだろう。GLAは小さくともメルセデスらしい重厚感を伴う乗り味であり、両車はスタイリングだけでなく走りの面でも対照的と言える。

GLAのアーバンスターズには電子制御ダンパーとなる“アダプティブダンピングシステム”も備わる。対するUXはメカニカルダンパーだ。電子制御ダンパー“NAVI-AVS”は“F SPORT”のみの装備であり、両車には乗り心地に関しても大きな差がある。

ただし、WLTCモード平均燃費を比較するとUXは26.3km/L(300h)、GLAは14.9km/L(180)となる。さらにGLAの使用燃料はハイオクであるのに対し、UXはレギュラーガソリンだ。ランニングコストはフルハイブリッドのUX300hがマイルドハイブリッドのGLAを圧倒する。

GLAの“アーバンスターズ”はディーゼルグレードにも設定されており、4WDにもかかわらずWLTCモード平均燃費は18.1km/L(200d 4MATIC)とガソリンモデルより燃費性能に優れるうえ、燃料単価が安い軽油だ。ただし価格はガソリンモデルより約50万円高となる約708万円となり、UXとの価格差は大きく開いてしまう。

レクサス UX300h “Shining Essence”
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1986cc
最高出力=154ps/6000rpm
最大トルク=188Nm/4400-5200rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)

メルセデス・ベンツ GLA180 Urban Stars
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1331cc
最高出力=136ps/5500rpm
最大トルク=230Nm/1650-3500rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=2WD(FF)

どちらもモデル末期の買い得モデル! 購入決断は早めに

“UX300h シャイニングエッセンス”の新車価格は521万円、“GLA180 アーバンスターズ”は653万円となる。

この価格差の多くは、装備と内装トリム素材の違いと言ってもよいだろう。GLAのAMGラインエアロと電子制御ダンパーは、それだけで60万円ほどもする装備だ。シートはUXが合成皮革“L-Tex”に対して、GLAはオプション価格16万円相当の本革スポーツシートが標準装備となる。ステアリングはどちらも本革巻きだが、GLAは高触感のナッパレザーだ。

ただし、GLAにはシートベンチレーションが備わらない。一方、前席シートベンチレーションが標準装備となるUXのシャイニングエッセンスは夏場の快適性が段違いに高い。

UXはレクサスが体現する高級感を備えつつ、どのようなシーンでも高い快適性と扱いやすさを提供してくれるクルマだ。対するGLAは、コンパクトサイズでもメルセデス・ベンツらしい確かな上質感と使い勝手が備わっている。132万円もの価格差を加味しても、どちらを取るかは悩ましい選択と言えそうだ。

UXは2027年2月の生産終了が決定しており、シャイニングエッセンスは現行型の有終の美を飾る特別仕様の位置づけだ。ただし新ボディカラーの“SOU(蒼)”は、すでに受付を終了しており、これから購入する場合はレギュラーカラーのみとなる点に注意しよう。生産終了後のUXは、フルモデルチェンジの噂がある一方で、レクサス BLXと統合される見通しも強い。

対するGLAは、2026年7月に欧州で次期型が発表されたため、順当に行けば半年ほどで日本でも新型に切り替わるだろう。新型GLAのパワートレインは新開発の1.5L 直列4気筒エンジン+48Vハイブリッドシステムが搭載される予定だが、主力はあくまでBEVモデルのようだ。また、大きく様変わりした新型GLAのデザインには賛否が分かれている。

UXとGLAのどちらも、現行型を新車購入できる期間が残り少ない点は留意しておきたい。

車両本体価格

レクサス UX300h“Shining Essence”:521万円

メルセデス・ベンツ GLA180 Urban Stars:653万円