SL63 AMG /SL65 AMG
シリーズ2というべきマイナーチェンジを経て

「SLK」に続いて採用された15秒で開閉可能な電動メタルルーフの「バリオルーフ」、ABC(アクティブ・ボディ・コントロール)、センソトロニックSBC(ブレーキバイワイヤー)、ESPなどの先進装備を採用した2シーターオープンとして2001年に登場したR230型「SL」。2006年にエクステリアやエンジンに改良を施されたマイナーチェンジが行われたが、2008年3月のジュネーブ・ショーで、シリーズ2というべき大きなマイナーチェンジが施された。
最大のトピックは、これまでの丸目4灯から新しいデザインフォロソフィに基づくW221型「Sクラス」のような角型のヘッドランプに変更されたことで、それに伴い1本バーとなったフロントグリル、2本のパワーバルジのついたボンネットなど、フロントまわりのデザインが刷新された。
そのAMGバージョンが登場したのは2008年のことで、それまでラインナップされていた5.4リッターV8スーパーチャージャーの「SL55 AMG」は消滅し、6.2リッターV8DOHC M156ユニットを搭載した「SL63 AMG」と6.0リッターV12ツインターボを搭載する「SL65 AMG」の2本立てとなった。
再びF1のセーフィティカーにも

まずSL63 AMGで特筆すべきは、C63 AMGなどと同じM156ユニットながら専用のチューンが施されていたことで、最高出力525PS/6800rpm、最大トルク630Nm/5200rpmを発生。トランスミッションも4つのドライブモードを備えた湿式多板クラッチのAMGスピードシフトMCT-7に変更され、その0-100km/h加速は4.6秒とアナウンスされていた。
インテリアではカーボン製のシフトレバーに加えて、ステアリング裏にパドルシフトが用意されたほか、ローンチコントロールシステムも装備。そして専用のエアロパーツを装着したエクステリアはよりワイルドで派手な印象となった。加えて2008年シーズンから再びF1のセーフィティカーにも起用されるようになり、2009年まで2シーズンにわたり使用されている。
2008年には2004年からAMGとパートナーシップを結んでいるスイスの高級時計ブランドIWCシャフハウゼンとのコラボレーションとして、「SL63AMG Edition IWC」を200台限定で発表している。これはSL63 AMGをベースにDesigno Magno Kashmirホワイトのボディカラー、マット仕上げのAMGエクステリアカーボンパッケージ、トバコ・ブラウンのナッパーレザーインテリア、AMGパフォーマンスパッケージ、センターコンソールのIWCロゴなどを装備したもので、オーナーにはIWCのクロノグラフ「Grosser Ingenier」が1本贈られることになっていた。
約250kg軽量化したブラックシリーズも

一方のSL65 AMGは、612PS/1000Nmを発生する6.0リッターV12 SOHCツインターボ M275ユニットが搭載されるなど、中身は基本的に前期型と変わらないものだったが、その高性能バージョンとして新たに「SL65 AMGブラックシリーズ」が追加されている。これは2008年のモントレー・カーウィークで発表されたもので、大型化したターボチャージャー、改良したウェイストゲートダクトなどにより、最高出力を670PSにまでアップした6.0リッターV12ツインターボを搭載。
その大パワーに対応するためトランスミッションはAMGスピードシフトMCTではなく、容量が大きいAMGスピードシフトプラス5速ATを装着。0-100km/h加速3.8秒というパフォーマンスを発揮していた。またボディは各部にCFRPパネルを使用。あわせてバリオルーフも廃され固定式ルーフとすることで、約250kgの軽量化に成功している。
そのほかサスペンションには調整式のコイルスプリングスポーツサスペンションを装備。フロントトレッドが97mm、リヤトレッドが85mm拡幅されたほか、フロント265/35R19、リヤ325/30R20サイズのタイヤ、9×9.5インチAMGライトアロイホイール、フロント6ポット、リヤ4ポットディスクブレーキなど相応のモディファイが加えられていた。

