ジムニーとは異なる5ドア軽SUVを計画か

ダイハツが、かつて販売していた本格クロスカントリー4WD「ラガー」の復活に向けて動き出しているという。入手した情報によると、新型は軽自動車規格に収まる5ドアSUVとして開発が進められており、2027年秋のワールドプレミアが有力視されている。

ダイハツ タフト

ラガーは1984年5月、初代タフトの後継車として登場した。ラダーフレームを採用した本格クロスカントリー4WDで、2.8Lディーゼルエンジンを搭載するなど、現在の軽SUVとは大きく異なるモデルだった。

ダイハツ 新型 ラガー 予想CG

1997年4月に国内販売を終了しており、今回の計画が実現すれば約30年ぶりの車名復活となる。

新型ラガーについては、当初2024年頃の登場も取り沙汰されていた。しかし、ダイハツの認証不正問題などの影響を受け、開発計画が見直されたとの情報がある。その後、プロジェクトは再び動き始め、2027年秋の公開を目指しているとみられる。

注目したいのは、かつてのラガーとは異なり、軽自動車として復活する可能性があることだ。

“軽”じゃないゾ! 初代ダイハツ・タフト集中講座 最終回 さらばタフト、そしてラガーへ。カタログで辿る後継車ラガーの変遷 | Motor Fan|自動車情報のモーターファン

TEXT&PHOTO 赤木靖之(キュリアス編集室)(初出・2020年7月20日)  昭和59年(1984年)5月。登場から10年が経過したダイハツ タフトは、フルモデルチェンジで2代目を襲名せずに新たにラガーと名を変え、 […]

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ラガーを投入する狙いは

現在、ダイハツの軽SUVとして販売されているのが「タフト」だ。

2020年6月に登場した現行タフトは、スクエアなボディと大径タイヤ、190mmの最低地上高を特徴とするクロスオーバーSUVである。2026年7月には一部改良も実施され、アウトドア志向の軽自動車として商品力を維持している。

では、ダイハツが新たにラガーを投入する狙いはどこにあるのか。

入手した情報によると、新型ラガーはタフトよりも悪路走破性を重視したモデルになるという。

予想されるボディサイズは、全長3395mm、全幅1475mm、全高約1730mm。ホイールベースは約2580mmで、最低地上高は200mm前後を確保する可能性がある。

現行タフトと比較すると、全高は約100mm高く、ホイールベースも約120mm長い計算だ。

特にホイールベースの延長は、5ドアボディの採用と合わせて、後席の居住性や乗降性を確保するための重要な要素となる。

もっとも、軽自動車規格の全長・全幅を維持しながらホイールベースを延長する場合、前後のオーバーハングは短くなる。車体設計には相応の工夫が求められそうだ。

最大のライバルとして意識されるのは、スズキ「ジムニー」だろう。

ただし、新型ラガーはジムニーと同じ構造を採用するわけではなさそうだ。

ジムニーはラダーフレームとパートタイム4WDを組み合わせた本格クロスカントリー4WDである。一方、新型ラガーには、ダイハツの車両開発思想「DNGA」を採用するとの情報がある。

DNGAをベースとするなら、モノコックボディを基本とした設計になる可能性が高い。

この場合、ジムニーのような過酷なオフロード走行を最優先するのではなく、舗装路での快適性や日常の使いやすさを確保しながら、未舗装路での走行性能を高める方向になると考えられる。

タフトよりもオフロード性能を重視し、ジムニーよりも乗用車的な使い勝手を追求する。新型ラガーは、その中間に位置する軽SUVを狙っているのかもしれない。

660ccターボにD-CVTを組み合わせる?

パワートレインには、660cc直列3気筒エンジンの搭載が予想されている。

自然吸気仕様とターボ仕様を設定する可能性があり、最高出力は自然吸気モデルが54ps前後、ターボモデルが64psを想定する。

トランスミッションには、ダイハツ独自のD-CVTを組み合わせるとの情報もある。

D-CVTは、ベルト駆動に加えてギヤ駆動を活用することで、伝達効率の向上を図った変速機構だ。すでにタフトなどにも採用されている。

ただし、悪路走破性を重視する新型ラガーでは、エンジンの出力以上に、駆動力を路面へ確実に伝える仕組みが重要になる。

特に、滑りやすい路面でのトラクション制御や急勾配での発進性能は、一般的な軽乗用車との差別化につながる部分だ。

駆動方式についても、4WDシステムの構成や制御方法が注目される。

さらに、将来的な電動化も気になるところだ。

ダイハツは小型SUV「ロッキー」などに、エンジンを発電専用とし、モーターで車輪を駆動するシリーズ式ハイブリッドシステム「e-SMART HYBRID」を採用している。

新型ラガーに同システムが搭載されるという具体的な情報はないものの、軽自動車向け電動パワートレインが将来的に展開されれば、有力な選択肢となる可能性がある。

モーター駆動は発進直後から大きなトルクを発生できるため、低速での駆動力が求められるオフロード走行とも相性がよい。

価格は170万円台から? 予想CGが示す新型ラガーの姿

新型ラガーの価格は、170万円台から200万円台前半が中心になると予想されている。

タフトよりも上級の価格帯を担いながら、本格クロスカントリー4WDとは異なる使い勝手を打ち出すことで、新たな需要を開拓する狙いがありそうだ。

今回、スクープ班が制作した予想CGでは、かつてのラガーが持っていた無骨なイメージを受け継ぎながら、現代的な軽SUVとして再構築した。

フロントにはスクエアなLEDヘッドライトを配置し、中央に「DAIHATSU」のロゴを組み込んだシンプルなグリルを採用。大型のブラックフェンダーやアンダーガード風の加飾によって、オフロードSUVらしい力強さを強調している。

ボディ側面には水平基調のキャラクターラインを取り入れ、厚みのある樹脂製クラッディングと組み合わせた。

また、5ドアボディを採用することで、日常の買い物や家族での移動にも対応できる実用性を意識している。

かつてのラガーは、ラダーフレームを備えた本格オフローダーだった。しかし、新型が軽自動車として復活するなら、その役割は大きく変わることになる。

ジムニーのような本格クロスカントリー4WDを求めるユーザーとは別に、日常の使いやすさを犠牲にせず、アウトドアも楽しみたい層を取り込めるかが鍵となる。

約30年ぶりに復活する可能性が浮上したラガー。2027年秋の登場説が現実となれば、軽SUV市場に新たな選択肢が加わることになる。