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第三世代DCTと刷新した足周りがキーポイント 空飛ぶ絨毯を目指した「新型ゴールドウィング」、最先端技術に注目

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11月某日、北米市場向けのゴールドウィングの技術発表会がプレス向けに行われた。そこで開発陣営は、「今回の新型は空飛ぶ絨毯のような快適性を目指した」と話した。従来モデルも実はヒザスリのポテンシャルがあったが、新型は上。キーポイントは、「第三世代DCT」と「ダブルウイッシュボーン」の足周りにあった。(○REPORT:近田茂)

カットエンジン(F6 ユニット) の写真。縦置きクランクの下側にミッションを配置した2 階建て構造であることがわかる。

まず注目したいのが次世代DCT

今回の新型でドラスティックな進化点を上げるとすれば、新世代F6ユニットに第三世代の最新DCT を搭載した事。そしてバイクとしては斬新なサスペンション構造を採用したことが見逃せない。

6速→7速化の恩恵とは?

右側に見えるのがデュアルクラッチ。その左側のギヤにクランクからの動力が伝わり、変速機を介して下のドライブシャフトへと駆動力が伝わる。
まずDCT とは「デュアル・ クラッチ・ トランスミッション」の略称。デュアルクラッチの繋ぎ変えとギヤシフトを自動制御することで、ライダーはシフトやクラッチ操作から開放される先進のシステムだ。世界初搭載として2010年に登場した第一世代はVFR1200Fに採用され2012年のNC700 シリーズで第二世代を投入。今回の第三世代は初の7 速変速を採用。トップギヤはMT6 速と同じとし、下段をクロスさせることで、変速ショックの少ないスムーズな加速フィーリングを達成していると言う。さらに新方式の微速前後進機能(ウォーキングモード)を導入。バイクを押し歩く時にも楽により安心して扱えるように進化したのも嬉しいチャームポイントだ。

F6ユニットで初採用となり、トルク特性も向上したスロットルバイワイヤーシステムと相まって、ライダーの意志に忠実なパワーコントロールとイージー操作を両立しているわけだ。水冷OHC 24バルブの水平対向6 気筒エンジンはペントルーフ型燃焼室に変更。動弁系はCRF450R で知られる新世代ユニカムバルブトレインを採用。シリンダーにはアルミスリーブを使用。各部のフリクションロス低減化も徹底。シリンダーボアピッチや左右オフセットを短縮する等、エンジン前端から左シリンダーヘッド後端までの距離は29mm短縮され重量も6MT 車で6.2 ㎏(DCTは3.8 ㎏) もの軽量化を実現している。

DCTの変速ショックを低減

DCT のクラッチにはスプリングダンパーを装備。シフト系にもフォークシャフトダンパーラバーや、マスターアームダンパー緩衝ラバーを追加し、変速音低減と共にシフトフィールを上質なものにしていると言う。

第三世代の最新型DCT 。右側のクラッチは奇数段、左側( 内側) のクラッチは偶数段を担当する。後退時はギヤ+ハイボーチェーンも活用する仕組みだ。
右の図が通常( 前進) 時の動力伝達の流れを示し、左の図が後退時を示している。ミッションの主軸は二重管構造で外側が偶数段、内側が奇数段となり、それぞれカウンターシャフトへと伝達される。
従来モデルは5 速MT。新型のMTは6 速化。DCT は7 速化されている。トップギヤのレシオは同じ設定で、そこに至るギヤをクロス設定したのが特徴。変速ショックを少なくする狙いがあったと言う。

フロントサスペンションも大刷新!

フレームから前方に伸びるロワアームとアッパーアームでフロントフォークホルダーが支持され、ホルダーはフロントフォークをしっかりつかみながら操舵できる構造。クッションユニットにストレスは掛からない。操舵回りの省スペース化設計も侮れない。
アルミダイキャスト材を使用したツインチューブのダイヤモンド式フレームには2 本のダウンチューブがボルトオンされている。片支持構造のスイングアームは新ピボット軸構造を採用。フレームとスイングアームで2 ㎏の軽量化も果たしている。

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