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鬼が出るか蛇が出るか|レストアしたラビットで片道3時間の旅に出た。 出足は遅いのに! ワインディングは楽しめた。 復活したラビットで小旅行。

  • 2019/12/21
  • 増田満
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ラビットで埼玉県の山奥、有間ダムまで行ってみたぞ。

出足こそ遅いが、流れに乗ってしまえば快適な乗り物であることがわかったラビット。50年以上も前に作られた鉄スクーターなのに、これはスゴイ! では街乗りだけでなく山奥へのツーリングにも耐えられるのだろうか? 都内から下道オンリーで3時間、有間ダムまで行ってみたぞ!

 路上復帰なったラビットはトルコンからオイルが漏れたり、アクセルグリップが固着したりとトラブルが頻発した。だが、それらを乗り越えると、トラブルはピタリと収まり快適な乗り物として日常生活を彩ってくれるようになった。だが、そうなるまで独力でこなせたのではなく、やはりプロに頼っている。

トルコンの修理のため訪れた伊藤自動車工業さん。腕前も値段も納得のラビット専門店だ。
 トルコンの修理は自分でも何度かチャレンジした。けれど、何度付け替えてもオイル漏れが止まらない。嫌気が差したところで、ラビットの販売から修理まで専門で行っている東京都杉並区久我山にある「伊藤自動車工業」さんを訪ねた。親子で切り盛りされている工場で、親父さんは板金塗装、息子さんはメカを得意としている。

 症状をお話しして預けること2、3日、「できました」という電話をいただいた。さすがはプロで筆者が組んでもダメだった原因まで特定され、恥ずかしいことしきり。再び走り出したラビットは、まさに快調そのものになったのだ。

都心を抜けて郊外へひた走る。景色の移り変わりはツーリングの醍醐味だ。

 路上復帰してから、なんだかんだで500km以上を走り込んだ。ここまで走ればトラブルも出尽くしただろう。そう考えてツーリングに出かけることにした。向かうのは都心から下道オンリーで走っても3時間かからない、埼玉県の有間ダムだ!

 ラビットの出足の遅さは前回もお知らせした。このため、極端に車間距離を詰められたり、同一車線内で右側から強引に抜いていくクルマと遭遇することが多くなる。ただ、一度速度が乗ってしまえばこちらのもの。法定速度までなら余裕で伸びてくれるし、そこからでも加速を受け付けてくれる。事実上、法律の数割増しで流れている道路でも、ラビットは普通に走ってくれるのだ。

 都内を抜けて国道16号線を越えて岩倉街道に進む。路面が荒れている箇所ではドタンバタンと大袈裟な音を立てるが、乗り心地の良さは変わらず。また信号が少なくなり停車することが減ると、俄然ラビットの良さが光る。鷹揚な乗り心地に元気の良い排気音。この二つが組み合わさると、極めて幸せな気分になれるのだ。

 反対にスピードが出ないので、途中で景色の良い場所に出会うと即止まる。それが橋の上の写真で、小休止がイヤにならないバイクでもあるのだ。

お寺の前でパシャリ。古い建物とラビットは相性が良い。

とかく大型バイクなどでツーリングしていると、いい景色に出会っても止まることを躊躇ってしまう場合が多い。それは巨体をどこに止めようか考えてしまったり、スピードが乗っているから止まりたくないという心理も働く。その点スピードの出ないラビットは、思いついたら即止まれる。スーパーカブでも同じだが、ラビットの場合10インチタイヤのスクーターだから尚更、道端で止まるのが苦にならない。
ということで有間ダム目指して旧名栗村を走っていると、途中にフト気になるお寺や民家に出くわす。50年以上前のラビットだから、こうした田舎の風景が実に似合う。立ち止まって写真を撮るなど、ツーリングに新たな楽しみ方がプラスされることだと思う。

有間ダムはクルマやバイクでダムの上を走ることができる。週末は多くのライダーで賑わう。

県道53号線から左に曲がって橋を渡ると、有間ダムへの道になる。実はここ、ラビットにとり結構辛い場面。傾斜度がキツイからだ。平均勾配は9.7%あり、最大勾配では12%にもなる。そこで手前の直線で勢いをつけて挑むのだが、坂の途中でグングンとスピードは落ち、しまいには30km/hを割ってしまうほどにまでなる。古い2ストロークエンジンのラビットは、上り坂にとても弱いのだ。
坂のキツさを写真で表現しようと思ったのだが、坂の途中で一度止まったら最後そのまま上ることが不可能になってしまいそう。というわけで坂の途中で撮影することは断念。そのままダムの上まで上り切ってしまった。このダムはライダーが立ち寄るポイントとして有名で、週末にもなると大勢のバイクで賑わう。そんな中にあっても、ラビットは一際存在感が高かった。

意外にも軽快にコーナーを楽しめる面もある。

 有間ダムの先には細いワインディングロードが待ち構えている。ホイールベースが長く重い鉄のボディを持つラビットにとり、まさに苦行のようなシチュエーション。だが、走ってみたい気持ちは強く、そのまま突入してみた。すると、意外にも軽い倒し込みでラビットはコーナーをクリアしてくれた。

 写真を見てお気付きの方がいるかもしれないが、筆者はラビットに少々グリップが勝っているミシュランS1タイヤを履かせている。お気に入りのタイヤであるのと同時に、ラビットのプアなブレーキング性能に一役買ってくれるだろうと期待してのこと。これが正解で、コーナー手前でしっかり減速してくれる。そのまま体重を移動すれば素直な挙動で車体は傾き、タチの強さが気になることもない。クリップでアクセルを開くと、そのままクルンと曲がってくれる。意外にも峠を楽しめる挙動を示すのだ。

 ツーリングに出てわかったのは、信号の少ない田舎道が抜群に楽しいバイクであることと、コーナリングも不得手ではないということ。そのうえ、お尻が痛くならないシートと乗り心地を備えているから、遠出するのが楽しいバイクでもある。意外や意外、ラビットは今でもレッキとしたファンなバイクなのだ。

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