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知るほどに欲しくなる。発売間近のカワサキ・Ninja ZX-25R出生の秘密を解き明かす!

  • 2020/05/01
  • MotorFan編集部
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昨年10月に公開され、大反響を得ているNinja ZX-25R。コロナウイルスの影響で、先行発売する予定だったインドネシアでの実車発表がどうやら遅れているようで、情報も滞りがちだ。今回はその待機時間を埋める意味で、今得られる情報から、Ninja ZX-25Rが生まれた背景などを探り、この超絶マシンへの理解を深めてみたい。

目次開く

インドネシアと日本、Ninja ZX-25Rの捉え方の違いとは

インドネシア市場での250ccスポーツはカワサキの生命線

インドネシア人にとってNinja ZX-25Rは高級外車!?

パワーは夢の50PS達成か??

シャシーはスーパーバイクマシン譲りの性能か

インドネシアと日本、Ninja ZX-25Rの捉え方の違いとは

インドネシアカワサキのYOUTUBEに投稿されたティーザー。すでに110万回再生を超えている
 昨年の10月に発表されて以来、盛り上がりを見せているカワサキの新型250ccスポーツ「Ninja ZX-25R」。インドネシアカワサキがアップしたカワサキ公式ティーザームービーは、現在110万回を超える再生数を獲得しているし、馬力やその能力なども、主に現地のサイトで活発に予測がされている(馬力は48-50PSが今のところ有力視されている)。また、日本でも「あの狂乱の250cc4気筒ふたたび」とばかりに、相当な事前人気を獲得している。
 だが、日本とインドネシアでは、Ninja ZX-25Rの捉え方には、実は本質的な、しかも大きな違いがある。そしてなぜ今このような250ccクラスのハイパースポーツが出現したのかという根本的疑問もある。本稿では、インドネシア在住のライターの言も借りながら、このふたつの問題について考察してみたい。

インドネシア市場での250ccスポーツはカワサキの生命線

インドネシアのみならず日本でも250ccスポーツを興隆に導いた、2008年式Ninja 250R
 まずは、カワサキのインドネシアでの市場シェアを見ながら疑問の紐解きをはじめよう。多少古い資料になるが、2017年のインドネシアの二輪車の販売台数を見てみると、実に588万6000台の販売台数がある。日本の販売台数36万9000台(2018年)からするとじつに15倍。インド、中国に続く世界第三位のバイク市場を形成しているのだ。

 実はカワサキは、この巨大市場において、現在13-17%ほどのシェアしか持たない。1位はホンダで、そのほとんどは125ccクラスのコミューターだ。コミューターを持たないカワサキは、90年代からKRR150などのフルカウルスポーツジャンルで少ないながらも一定の市場の支持を得ていたのだが、2008年、250cc2気筒の「Ninja 250R」をリリースするとこれが主に富裕層にヒットした。インドネシアで「250ccフルカウルスポーツ」という独自ジャンルを形成するに至ったわけだ。

インドネシアの高価格帯市場で存在感を増す250ccクラスのマキシスクーター。写真:2019年式X-MAX250
 その市場に、ヤマハはYZF-R25で追従、ホンダはCBR250RRで対抗した。つまりこの250ccフルカウルスポーツというジャンルは、カワサキのインドネシア市場における生命線であり、ゆえにコミューターを持つ他社にはまねできない、潤沢な開発リソースと思い切った決断が得られたわけだ。ちなみにホンダやヤマハは、開発リソースの一部をフォルツァ250やX-MAX250といった、マキシスクーター路線にも振り分け、富裕層獲得に動いている。

インドネシア人にとってNinja ZX-25Rは高級外車!?

4気筒250ccマシンはインドネシア市場ではおそらく初登場。超高回転サウンドは街中では注目度抜群だろう

 日本人にとっては気軽なエントリークラスとして250ccは独自の価値があるが、これは世界的に見れば割と特殊な部類である。欧米のエントリークラスは500-600ccだし、インドでは250ccは高級車である。ではインドネシアはどうかというと、コミュータークラスのバイクでさえ2~3年のローンを組み購入するのが普通のため、250ccクラスのスポーツバイクは実は「高嶺の華」なのだ。つまり、そこそこの収入がなければ買えないぜいたく品であり、現地を知るライター曰く「日本で例えるなら7、800万円クラスの外車」といったイメージだという。
 つまりインドネシアでは、Ninja ZX-25Rは富裕層向けの高級車。日本でいえばNinja H2のようなマシンであり、売るほうも買うほうも気合いの入り方が日本とはまったく違うというわけだ。

Ninja H2 CARBON(330万円:日本での価格)。インドネシアの場合、奢侈税がかかり660万円近くになる計算
 ではなぜ600ccや1000ccのスポーツバイクではないかというと、インドネシアでは奢侈税というものがあり、250ccを超えた時点で価格の60%もの税金が掛かるのだ。500cc超なら実に95%、税込みで倍になるのである(注:2021年からの税率)。つまり、奢侈税込みの大型バイクは、インドネシアではマクラーレンやブガッティなどの超高級車のような存在になってしまい、一般的な庶民には現実離れしたものなのだ。ゆえに、インドネシアの一般庶民に手が出る二輪車の排気量の限界、つまり高級車の限界が、実質250ccクラスのバイクなのである。
 以上を考えると、Ninja ZX-25Rの登場は突然ではなく、厳しいシェア争いのなかでの必然から生まれた、インドネシアのカワサキブランドのフラッグシップだといえる。

パワーは夢の50PS達成か??

89年発売のZXR250R。カワサキがレース参戦を視野に入れつつ4ストレプリカ市場で勝ちを取りにいったマシンだ(画像提供:Kawasaki公式FB)
 絶対に負けられない使命を負ったNinja ZX-25Rは、仮想敵CBR250RRや、昨今現地で伸長の著しい250ccクラスのマキシスクーター等に圧倒的な差を付けなければならないはずだ。アップデートし40PSの大台を超えてきたと噂される新型CBR250RRに対し、日本の自主規制値である45PSではさすがにインパクトは薄いし、その数値でとどめる意味もない。250cc4気筒で争われたレース「SP250F」が開催されていた80年代日本においては、高回転域にパワーを全振りした250cc4気筒マシンは48~53PSくらい出ていると言われていた。インドネシアでのセールス必勝を考慮すると、Ninja ZX-25RはCBR250RRと馬力の桁の数字の違う「50」PSというインパクトある数値を出してくる可能性は捨てきれない。ただ、中低速域のトルクや耐久マージンを考えると、実際48PSあたりに落ち着くのではないだろうか。ちなみにラムエアであるが、特許図を見ると本当に効く構造をしている。が、100PS以上あるマシンならいざしらず、250ccクラスならコンマ以下の馬力向上といったところだろう。これは後述する将来のレース参戦を見越しての装備とみていい。

シャシーはスーパーバイクマシン譲りの性能か

先日公開されたNinja ZX-25Rレーシングコンセプトマシン。(画像提供:Kawasaki公式FB)

 車体に関しては試乗までその評価を待たなければならないが、マキシスクーターや自社Ninja250との差別化を図るため、相当に気合の入った装備を採用しているし、実際Ninja ZXを名乗るわけだがら、その走りは既存の250cc2気筒勢とは一線を画しているはずだ。その証拠に、3月に発表されたティーザームービーでは、ワールドスーパーバイク5連勝中のジョナサン・レイをライダーに起用している。これはカワサキの自信の現れ、「サーキットで存分に攻めてください」というメッセージと取っていいだろう。それを補完するように、3月末には、将来のワンメイクレースも見越してフルカーボン外装をまとったレーシングコンセプトマシンも公開されている。

1990年式のヤマハ・TZR250SP。速さのみを追求し公道に不向きな後方排気をあえて採用した伝説のマシン
 結論として、大型免許さえあれば比較的容易に1000ccのフラッグシップや600ccクラスのSSが買える立場にある我々日本のユーザーは、インドネシアでのフラッグシップであるNinja ZX-25Rをどう捉えればいいのか。上記の開発環境と仕上がり予測を鑑みると、日本人としては「250ccクラスという枠内で、現状考えうる至高のスーパースポーツを実現したマシン」と解釈するのが妥当だろう。つまり、奇しくも往年のNSR250RやTZR250、さらに4スト250ccのSPモデルなどといった、一切の妥協を排したレプリカと同じ哲学を持っているマシンだということができるのだ。
 Ninja ZX-25Rの成功次第では、ホンダはカムギアトレインを搭載した「RC250」もしくは「CBR250RR-R」、ヤマハはテック21カラーの「FZR250」を出してくる「かも」しれない。いずれも50PS超。そうなれば往年のレプリカ戦争を知る日本のユーザーは、毎年のリリースが楽しみになるはずだ。

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