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トライアンフ・ボンネビル Bud Ekins|900cc 水冷2気筒、これは大人が楽しめる程よいエンジンだ。

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のっけから古い話をすると、1969年にホンダが投入したCB750Four が大ヒットするまで、世界最速レベルの“スポーツバイク”として君臨していたのは、間違いなく英国車。その代表格がトライアンフのボンネビルだった。今回はT100 Bud Ekinsに試乗。スポーツバイクとしての標準的な乗り味には懐かしさと新鮮味を覚え、改めて感心させられる事が多かったのである。

REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️徳永 茂(TOKUNAGA Shigeru)
取材協力●トライアンフ モーターサイクル ジャパン

トライアンフ・ボンネビルT100 Bud Ekins(バド・イーキンス).......1,293,500円

エージアンブルーとインテンスオレンジ(写真右はT120)/ボンネビル T100.......1,253,900円
ジェットブラック/ボンネビル T100 Black.......1,253,900円

 ボンネビルは、スチールのダブルクレードル・フレームにバーチカルツイン・エンジンを搭載したスポーツバイク。ニーグリップラバーを備えたガソリンタンク、ほぼストレートに後方へ伸ばされたダブルシート等のデザインはまるで教科書をみる様な、丹精な仕上がりを披露している。
 往年のボンネビルは650cc で1960年代まではそれがスポーツバイクの頂点に位置していた。CB750Four の登場はあまりにもインパクトが大きく、豪快なナナハン・マルチパワーに目を奪われたが、冷静な目を持つライダーの間では、スポーツバイクとしての総合的な最速マシンとして、揺るぎない評価を得ていたのである。
 
 現在はT100シリーズとT120シリーズが揃えられていて、T100は900cc エンジンを搭載。モダンクラシックバイクとして開発されたモデルで、その原点(手本)は1959年式ボンネビルをイメージして造られたと言う。
 空冷の様に見える冷却フィンの造形にもこだわりを主張したエンジンは水冷のSOHC直(並)列2気筒。気筒当たり4バルブ構造を持ち、270 度クランクを採用。ボア・ストロークは84.6×80mmというショートストロークタイプである。
 吸気系はマルチポイントシーケンシャル電子制御式の燃料噴射を、そして排気系にはクロームメッキで美しく仕上げられた2into2のキャブトンマフラーを装備。2 本ショックのスイングアーム式リヤサスペンションや、インナーチューブが蛇腹のゴムブーツでカバーされた正立式フロントフォーク。そしてスポークホイールの組み合わせ等、全てのデザインが歴史あるブランドへのリスペクトを感じさせてくれる。

 今回の試乗車はBUD EKINS (バド・イーキンス)の名を掲げた特別仕様。広報資料から引用すると、彼は「プロのスタントマンで、モトクロスとデザートレースのトップ選手であり、スティーブ・マックィーンの親友の一人でもあり、ライディングパートナーでもある」と書かれている。
 アメリカではレジェンドライダーとして知られトライアンフブランドの知名度と販売促進に大きく貢献。その後アメリカでトライアンフのトップディーラーとしてビジネスでも成功。そんな活躍に敬意を表して作り上げた特別仕様なのである。

数々の戦績と映画『大脱走』の撮影でも活躍したバド・イーキンス。写真はデザートレースで有名な“バハ”での一コマ。

穏やかな乗り味と強かなハイパフォーマンスとのバランスが絶妙

 標準のカラーバリエーションはオレンジ、ブルー、ブラックの3 タイプだが、このBUD EKINS は赤いフロントフェンダーと赤白ツートーンのカラーリングが施されたタンクデザインで差別化された特別仕様。パッと見た時の印象として仕上がり具合はなかなか晴れやかである。
 乾燥重量で213kg ある車体は、如何にも鉄の馬を実感させられるドッシリと重い手応えを覚えるが、足付き性は良く、シートに跨がった印象もスマートで車体を支えやすい。一般論として誰にでも親しみやすく、その程良いボリューム感に好感が持てた。
 
 往年のスポーツバイクを彷彿とさせるスタイルは、筆者の年代には懐かしくもあるが、今ではかえって新鮮なフォルムとして改めて魅力的に思えてくるから不思議である。
 スポークホイールの採用を始め、如何にも標準的な前後サスペンションと、黒いスチールパイプを使用したダブルクレードルのフレームワーク。ヘッドランプ等各部品の取り付け方法等、全てのデザインセンスが、60年代のボンネビルのそれを思い出させてくれるのである。
 もちろん厳密に言えばディスクブレーキの装備や、セルモーター、そして水冷エンジンは最新の電子制御・燃料噴射式が搭載されており、クランクも位相された270 度タイプ。最新のテクノロジー満載で全てが別物。それでも、往年のレジェンドモデルとして、一時代を築いた歴史的名車の復刻モデルとしの価値に独自の魅力が見出せる。
 
 ただ筆者は、そんな郷愁に感銘を受けているわけでは無い。むしろ走らせた時の、何ともとても心地よい乗り味に感動したのである。
 
 エンジンパワーを欲張っていない、全体に穏やかなレスポンスに終始する大人しい出力特性。それでいてパワー不足は感じない。900cc ツインから発揮される太いトルクが、ゆったりと実にバランス良く活用できる扱いやすいスロットルレスポンスが秀逸。
 頼り甲斐のある太いトルクが中低速域から柔軟に発揮でき、しかも意外と軽やかな吹き上がりで、後輪の駆動力が思いのままに制御できる。その優しくスムーズな扱いやすさが気分良い。市街地から高速までの実用域でそれが存分に生かされる点が楽しく快適だ。
 軽いクラッチを握り発進した時から、次に停車するまでの間、ライダーの気持ちまで穏やかで優しい雰囲気に包まれるのである。
 5 速ミッションの変速リズムやギヤレシオのつながり感、さらに言うと適度な直進安定性と決してクイックでは無いが、素直に旋回できる落ちついたハンドリングも一環して穏やかで快適な乗り味を楽しませてくれるのである。
 ちなみにローギヤでエンジンを5,000rpm回した時のスピードは52㎞/h。5 速トップギヤで100 km/hクルージングする時のエンジン回転数は3,300rpm。郊外を60km/hで流す時は2,000rpm足らずである。
 軽やかに回りながらも強かなトルクを発揮するエンジンを活かしてあえて回さずに走る時の豊かでおおらかな感覚もまた心底心地よい。
 昨今のエキサイティングなスーパースポーツ系モデルに見られる、心踊るエキサイティングな乗り味とは対極にある悠然たる乗り味として侮れない魅力を覚えたのである。

足つき性チェック(身長168cm)

シート高は790mm。車体サイズも程よく跨った感じはスマートな印象を覚える。ご覧の通り膝には余裕ももって両足でベッタリと地面を捉える事ができ、重量感のある車体を支える上でも安心感を覚えた。

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