Prova Maserati

マセラティの世界観を堪能

本来のレーシングスピリッツを徐々に取り戻しつつあるマセラティ。それを体現したのがミッドシップスーパースポーツ、GT2ストラダーレだ。マセラティ心斎橋によるカスタマー向け試乗会に参加し、普段走らない大阪を走って、その優雅さと世界観に触れた。
本来のレーシングスピリッツを体現したミッドシップスーパースポーツ、GT2ストラダーレ。

3月中旬、大阪ミナミの中心地に店舗を構えるマセラティ心斎橋で顧客向け試乗会「Prova Maserati」が開催された。しかも、ただの顧客ではなく、特別に選ばれたVIP向けのイベントである。

もちろん、こういった高級ブランドの顧客である時点で、富裕層であることは間違いないが、その中でも特にディーラーにとって重要なカスタマーに乗ってもらいたいクルマはハイエンドモデル「GT2ストラダーレ」だ。そんなVIP向けの試乗イベントを体験しませんか?という誘いにおっとり刀で駆けつけた。

GT2ストラダーレは本誌で何度も紹介しているので繰り返さないが、マセラティの源泉とも言えるレーシングスピリットを湛えたミッドシップスーパースポーツである。GT2とはレースのカテゴリー名に由来する。現在主流のGT3カテゴリーはル・マンやデイトナなどにも参戦できるトップカテゴリーだが、GT2カテゴリーはその下位に位置するレーシングカーで、ストラダーレはロードゴーイング版という意味だ。空力付加物が少ないことでコーナリング速度が低く抑えられているため、アマチュアのいわゆるジェントルマンドライバー向けカテゴリーである。だが市販車のGT2ストラダーレは、実のところ最高出力640PS、最大トルク720Nmで最高速324km/h、0-100km/h加速2.8秒と十分速いのだけれど。

驚くほど高い快適性

本来のレーシングスピリッツを徐々に取り戻しつつあるマセラティ。それを体現したのがミッドシップスーパースポーツ、GT2ストラダーレだ。マセラティ心斎橋によるカスタマー向け試乗会に参加し、普段走らない大阪を走って、その優雅さと世界観に触れた。
本来のレーシングスピリッツを徐々に取り戻しつつあるマセラティ。それを体現したのがミッドシップスーパースポーツ、GT2ストラダーレだ。マセラティ心斎橋によるカスタマー向け試乗会に参加し、普段走らない大阪を走って、その優雅さと世界観に触れた。

大阪の中心地、心斎橋で開催された今回の試乗会は、まずインストラクターの運転するGT2ストラダーレの助手席に乗り、性能の一端に触れたのち運転を交代し、直に体験するというものだ。インストラクターを務めるのは、レーシングドライバーの坂本裕也さんで、スーパーGTやスーパー耐久などにも参戦する一流ドライバーだ。

マセラティそのものの魅力から始まったレクチャーは、GT2ストラダーレのスペックまで落とし込まれ、すっかりとその世界観に包まれて試乗がスタートした。車内では極限の世界に暮らすレーシングドライバーという評価者の言葉を聞く。説得力にあふれ、ありがたみが違う。Uターン地点で交代し、今度は自分でステアリングを握る。シートはホールド性の高いフルバケットだが、ゆりかごの角度を変えるように調整でき、最適なポジションを取れる。シートベルトがレーシングカーのような4点式ハーネス、さすがレーシングカー由来と感心する。一般的な3点式シートベルトも装備しているので、今回の市街地走行では3点式を締め、さっそく走り出す。

驚いたのが大型リヤスポイラーからも発生する高いダウンフォースのためか走りにどっしり感があることだ。MCプーラの前期型となるMC20に試乗経験があるが、その時の印象よりもステアリングがクイックなのにノーズがフラフラすることもなく、直進性がすこぶる高い。その一方でスパルタンなエクステリアから想像するよりも圧倒的に市街地での荒れた路面でも乗り心地がいい。これは拍子抜けというよりも、電子制御サスペンションの調整幅の大きさを意味しているのだろう。

なんならグランドツーリングも

ドライブモードの変更はセンターコンソールのダイヤルで行う。タッチパネルになっており、スワイプで設定操作ができる。
ドライブモードの変更はセンターコンソールのダイヤルで行う。タッチパネルになっており、スワイプで設定操作ができる。

大阪に張り巡らされた都市高速に合流して、アクセルを踏み込むと、3.0リッターV6ツインターボエンジンは期待どおりの乾いた音と回転上昇でドライバーを高揚させる。変速はマニュアルでもオートでも可能だが、スポーティに走らせるならステアリング裏の固定式パドルでシフトしたい。パドルは思ったよりストロークが長いが、節度感があり、確実に素早く変速できる。8速DCTのギヤ比は高め。乗り心地も相まって、なんならグランドツーリングもこなせそうだ。このGT2ストラダーレの奥深い性能に感心した。

別枠で試乗した本物のVIPカスタマーにGT2ストラダーレの率直な印象を聞く。普段サーキットは走らないが、プロが太鼓判を押したので信頼できる、乗り心地がいいことにも驚いた、と教えてくれた。そもそもクルマがよかったこともあるがVIPたるもの、やはりその審美眼が養われていた。

REPORT/吉岡卓朗(Takuro YOSHIOKA)
PHOTO/マセラティ
MAGAZINE/GENROQ 2026年6月号

SPECIFICATIONS

マセラティGT2ストラダーレ

ボディサイズ:全長4669 全幅1965 全高1222mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:1620kg
エンジン:V型6気筒DOHCツインターボ
総排気量:2922cc
最高出力:471kW(640PS)/7500rpm
最大トルク:720Nm/3000-5500rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後カーボンセラミックディスク
タイヤサイズ:前245/35R20 後305/30R20
最高速度:324km/h
0-100km/h加速:2.8秒
車両本体価格:4394万円

 

【問い合わせ】
マセラティコールセンター
TEL 0120-965-120
https://www.maserati.com/jp/ja

マセラティのミッドシップスーパースポーツ、MC20がマイナーチェンジ。新たに「MCプーラ」として登場した。またサーキット専用モデル=マセラティGT2のロードリーガル版「GT2ストラダーレ」も時を同じくして日本上陸。袖ヶ浦フォレストレースウェイで比較試乗を試みた。そこで明らかになった両車のキャラクターとは──。

マセラティのスーパーカー「MCプーラ」と「GT2ストラダーレ」に試乗「コイツは速くて、扱いやすい!」

マセラティのミッドシップスーパースポーツ、MC20がマイナーチェンジ。新たに「MCプーラ」として登場した。またサーキット専用モデル=マセラティGT2のロードリーガル版「GT2ストラダーレ」も時を同じくして日本上陸。袖ヶ浦フォレストレースウェイで比較試乗を試みた。そこで明らかになった両車のキャラクターとは──。(GENROQ 2026年4月号より転載・再構成)