三菱ギャランΛ2000スーパーツーリング。

初開催だった「第1回ゆずの里 毛呂山町 昭和平成名車展示会」では、初見のクルマやレアな車種が多く見どころ満載だった。特に目を引いたのが2台並んで展示されていたギャランΛ(ラムダ)。1976年にギャランGTOの後継車として新発売されたラムダはGTOほどスポーティさを全面に押し出さず、どちらかと言えばアメリカのセクレタリーカー的な性格だった。これは対米輸出を優先させたと考えられるが、独創的なスタイルは国内でも好評だった。

ラップラウンドリヤウインドーがスタイリングの特徴。

1978年には4万台以上が販売されたから売れた車種ではあるのだが、その数は年数を経るに従い減っていった。後継モデルでもあるスタリオンが発売され、80年代も後半になるとすっかり珍しいクルマとして見られるようになったもの。だから2026年の今、旧車イベント会場でも見かける機会は決して多くない。だから2台並んで展示されている光景はとても貴重に思えてオーナーに声をかけさせていただいた。

メッキのCピラーはスーパーツーリングのみの装備だ。

国内では2リッターエンジンだけでスタートしたラムダは発売翌年に廉価版の1.6リッターエンジンが追加され、モデル末期の79年には2.6リッターエンジンも追加された。とはいえ国内では実質的に2リッターのツインキャブモデルであるGSRとシングルキャブながら豪華仕様のスーパーツーリングがトップグレードといえた。2台並んだラムダのうち、今回は2リッターのスーパーツーリングを取材させていただいた。

アストロン80と呼ばれた直列4気筒SOHCエンジン。

オーナーは61歳になる野澤工さん。以前から憧れていた車種だったが、前述したように相手は希少なクルマ。なかなか納得できる個体に巡り合うことがなく年数だけが過ぎていった。野澤さんは茨城県常陸大宮市でオートプラザノザワというショップを経営されている。2輪4輪ともに扱い、自身でもホンダCB400FOURを所有されているマニアでもある。だからラムダを探すのは訳もなさそうだが、なかなか良縁に巡り会えなかった。

1本スポークのステアリングホイールは国産車初採用だった。

出会いは2021年まで待つことになる。インターネットオークションにラムダが出品されているのを発見するのだ。写真を見るかぎりコンディションは良好。これを逃したら一生ラムダに乗れないかもしれないと思い、落札することにされた。実際手に入れてみると、ますますこのラムダが上物だったと感じられたそうで、お気に入りはスーパーツーリングにだけ装備されるメッキのCピラーと、同じ三菱ということで装備されていたダイヤトーンのスピーカー。

6連メーターは奥まった位置に装備されている。

ダイヤトーンのスピーカーは実際に良い音が出るそう。だがオーディオは純正が残されていたものの使用せず、目に付きにくい助手席の足元に社外オーディオを追加している。純正オーディオの場所へ最近のオーディオユニットを装着すると、どうしても旧車らしさが失われてしまう。そこで助手席の足元を選んで装着したのだ。

70年代後半のスペシャルティカーらしくエアコンを装備している。

手に入れてから5年が過ぎたわけで、当然トラブルとは無縁でいられなかった。やはりこの時代のクルマらしくエアコンが作動しなくなったのだ。70年代後半からは装着率がグンと上がるエアコンやパワーステアリングだが、2000年前後くらいまでのネオクラシックカー同様にやはり壊れる筆頭。だが、そこは本職の野澤さん。自らコンプレッサーや配管を分解して組み直し、見事復活させている。

華やかな印象を与えるベージュの内装。

また前オーナーがあまり走らせていなかったようで、時折エンジンが不調になる。原因を探るとどうやら燃料タンクにサビが発生してキャブやパイプが詰まることがあったと判明。そこで燃料タンクを降ろして内部を洗浄・コーティングすると同時に、純正でも装備されている燃料フィルターを交換しつつ追加でもう一つ燃料フィルターを装備させることにした。燃料タンクのサビは旧車トラブルによくあるパターンで、サビが原因で燃料系の各部に作用する。キャブレター車だと内部が詰まって正常な燃料供給ができなくなるので、早めに確認して対処するのが理想だ。

当日は知り合いのΛと2台並んで展示されていた。