テクノロジー 〜回る部品のテクノロジー〜 シェフラーが提示する次世代ベアリング技術。電動化時代の核心へ【写真・5枚目】 電動化時代のベアリングの課題はモーターの高回転化と電食である。現状では2 万~3 万rpm 程度の回転数が主流となっているが、シェフラーのベアリングはこの領域に十分に対応。さらに、それ以上のハイスピード用途についてもすでに量産化しており、高速化に対応するソリューションを確立。電食に対しては「VoltPath」(導電)/「VoltShield」(絶縁)のふたつのタイプを用意し、OEMからの要望に応える。 BEV だけではなくHEV でも今後は採用が進むと見られるSiC(シリコンカーバイド)インバーターでは高速スイッチングが行なわれるため、電食リスクはさらに増大する傾向にある。シェフラーは絶縁を行なう「VoltShield」タイプと、電流をシャント(脇へそらす)する導電性の「VoltPath」タイプのベアリングを用意し電食に対応。どちらも従来の構造を見直し、コストや搭載スペースに合わせて選択できるバリエーションを用意している。 点接触のボールベアリングに対しテーパーローラーベアリングは線接触なのでより大きな荷重に対応できる。そのため小型化が可能だが、予圧を掛ける必要があるためフリクションは増えてしまう。シェフラー独自のTRUは上の図で示したように両方向にリブを備える構造でそのトレードオフを解消。予圧を掛けずに使えるため高容量と低フリクションを両立した。 一般的なベアリングとシャントリングを内蔵する「Volt Path」、それぞれのもつ電気的特性をグラフで比較したもの。上は交流の流れにくさを表すインピーダンス、下はその影響で生じる電圧波形の(電流に対する)位相遅れを示している。横軸の交流周波数(kHz)が高まるにつれインピーダンスが低下、高周波域で位相が90度進む位置に“ 張り付く”という典型的なキャパシター(コンデンサー)的な挙動を示す前者に対し、「Volt Path」はインピーダンスがきわめて小さく位相差もゼロ、どちらも周波数に依存することなく常に一定だ。これはごく僅かな純抵抗しか存在しないことを意味。放電の原因となる電位差はもちろん、ノイズの増幅に繋がる共振の抑制効果も期待できるはずだ。 この画像の記事を読む