連載
今日は何の日?■パルサーの兄弟車ラングレー登場

1980(昭和55)年6月24日、日産自動車の5代目ジャパン「スカイラインGT」をスケールダウンしたような小型ハッチバックの「ラングレー」がデビューした。ラングレーは、「チェリー」の後を継いで1978年5月にデビューした「パルサー(N10型)」の兄弟車で、スカイラインと見間違えるようなスタイリッシュなデザインが特徴だ。
パルサー・ヨーロッパを謳ったパルサー誕生




「チェリー」は、1970年10月に日産初のFF小型車として誕生した。そのチェリーの最終モデル「チェリーF-II」の後継モデルとして、1978年5月にデビューしたのが「パルサー(N10型)」だ。
パルサーは、FF方式のエンジンレイアウトやパワートレーン、足回りなどをチェリーF-IIから受け継ぎ、“パルサー・ヨーロッパ”のキャッチコピーの通り、欧州車を意識したシャープなスタリングが特徴。当初は、4ドアファストバックのセダンだけだったが、4ヶ月後に3ドアハッチバックとクーペがラインナップに加わった。

パワートレーンは、最高出力70ps/最大トルク10.2kgmを発揮する1.2L、80ps/11.5kgmの1.4L 直4 OHVの2種エンジンと、4速/5速MTの組み合わせを基本とし、1.4L搭載モデルには“日産スポーツマチック”を設定。これは、2ペダル仕様のいわゆる自動MTである。
その後、1980年5月のマイナーチェンジではヘッドライトが丸型2灯から角型2灯へ変更され、さらにエンジンが1.3Lと1.5Lに換装されるなど、市場のニーズに合わせて商品強化が図られた。
欧州車風のスタイリングと俊敏な走りのパルサーは、日欧で人気を獲得して堅調な販売を続けた。
“愛のラングレー”のキャッチコピーでラングレー誕生


排ガス規制対応を乗り越えた1970年代後半、日本の自動車メーカーは、販売の多チャンネル化を進めて車種ラインアップの拡大に乗り出す。日産もプリンス系列店の小型車の充実を図るため、パルサーの兄弟車の開発を企画した。


このような経緯で1980年6月のこの日、「ラングレー(N10型)」はデビューした。“スカイラインの神話がミニになった”というキャッチコピーで、開発の前提としたのはスカイラインのイメージを生かすことだった。

フロントグリルに角型2灯のヘッドライトとし、ボンネット先端をブラックで縁取り、そしてリアにはブラックガーニッシュに大きなコンビランプが組み込まれた。パット見の印象は、5代目ジャパン「スカイラインGT(C210型)」をスケールダウンしたようなスタイリングだったが、ラングレーは小型の3ドアハッチバックのみだった。

パワートレーンは、最高出力80ps/最大トルク11.5kgmを発揮する1.4L 直4 OHVキャブ、92ps/11.7kgmの1.4L 直4 OHV EGI(燃料噴射)の2種エンジンと5速MTの組み合わせ、駆動方式はFFが踏襲された。
車両価格は、86.1万~114.3万円。当時の大卒初任給は11.5万円程度(現在は約23万円)だったので、単純計算では現在の価値で約172万~229万円に相当する。
スカイラインをスケールダウンしたようなラングレー、それが奏功したのか、プリンス系店の人気モデルになった。
人気を獲得するも3代10年で終焉を迎えたラングレー
1982年6月、ラングレーは兄弟車「パルサー」と同時にフルモデルチェンジして2代目(HN12型)」に移行した。

3ドアハッチバックのみだった先代から、5ドアハッチバックが追加された一方で、パルサーや1982年6月に新たに設定された兄弟車「リベルタビラ」の4ドアセダンは用意されなかった。兄弟車のなかで、ラングレーはスカイライン・ミニと呼ばれたようにスポーティさをアピールしたのだ。

その後1986年10月には、ラングレーは3代目(N13型)へと進化し4ドアセダンを設定。角型4灯ヘッドライトと大型のカラードバンパーに、リアにはスカイラインを象徴する丸型4灯コンビを装備。インテリアについても、スカイラインと同形状の3本スポークステアリングが装着され、さらにスカイライン化が進んだ。
これにより、3代目ラングレーは新たに設定されたセダンに人気が集中、特にスカイラインをイメージしたツートンカラーのGTグレードが人気となり、“対向車ですれ違えば、一瞬ラングレーかスカイラインか分からない”という話が出たほどだ。

3代目ラングレーは、プリンス系店の安定した人気小型車となったが、日産は派生車が増えすぎたことで車種整理を実施。1990年8月にパルサーが4代目(N14型)にモデルチェンジされると同時に、ラングレーはリベルタビラとともにラインナップから消え、パルサーに統一された。
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スカイライン・ミニとして売り出したラングレーは、徹底したイメージ戦略が奏功して、大ヒットとはいかないまでも人気小型車として確固たる人気を獲得した。人気モデルをスケールダウンしたようなモデルは他にもたくさん存在し、一定の人気を得ることが可能だが、どうしても販売ボリュームに限界があるのが現実である。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。