高出力ターボと4WDを組み合わせたハイパフォーマンスモデルに

トヨタのスポーツカー戦略が大きな転換期を迎えている。

現行GRスープラは生産終了が決定しており、その一方でセリカ復活の可能性が急速に高まっている。さらに次期スープラの開発も噂されるなど、GRブランドのスポーツカーラインアップは今後数年で大きく姿を変える可能性がある。

トヨタ GR セリカ プロトタイプ

なかでも最大の注目は、長い沈黙を破って復活するとみられるセリカである。近年はトヨタ関係者からセリカ復活を示唆する発言が相次いでおり、単なるファンの願望ではなく、現実的な開発プロジェクトとして注目を集めている。

トヨタが本気で復活させるセリカ

トヨタ GR セリカ 次期型 予想 CG

セリカは1970年に初代が誕生したトヨタを代表するスポーツカーである。

なかでも1990年代のセリカGT-FOURは、ターボエンジンとフルタイム4WDを武器にWRCで数々の勝利を収め、世界中のファンを魅了した。2006年の生産終了以降その名は途絶えていたが、近年になって復活の機運が急速に高まっている。

現在のGRラインアップを見ると、GR86は軽量FRスポーツ、GRヤリスはラリー直系のホットハッチ、GRカローラは高性能4WDスポーツという位置付けだ。

その中で次期セリカは、それらを束ねる新たな中核モデルとして投入される可能性がある。

最大の見どころは、新開発の2.0L 直列4気筒ターボエンジンである。トヨタは次世代高性能エンジンの開発を進めており、300psを大きく超える出力も視野に入れているとされる。

さらに高性能4WDシステムを組み合わせれば、往年のGT-FOURを現代技術で再構築したモデルとなる可能性も高い。単なるヘリテージモデルではなく、GRブランドの技術力を象徴する存在になることが期待される。

GR86とはライバルではなく棲み分けか

SNSや海外メディアでは、「セリカが復活すればGR86は役目を終えるのではないか」との見方も少なくない。しかし、現時点で判明している情報を整理すると、その可能性は高くない。

GR86は軽量FRレイアウトによる操る楽しさを追求したピュアスポーツである。一方、次期セリカは高出力ターボと4WDを組み合わせたハイパフォーマンスモデルとして開発が進められているとみられる。

価格帯やキャラクターも大きく異なることから、両車は競合するのではなく、それぞれ異なる役割を担う可能性が高い。つまり、次期セリカはGR86の後継ではなく、その上に位置するスポーツモデルとして共存するシナリオが有力である。

次期スープラとの役割分担は?

もう一つ気になるのが、次期スープラとの関係だ。スープラは長年にわたりトヨタのフラッグシップスポーツとして君臨してきた。しかし開発スケジュールを見る限り、次期セリカの方が先に市場投入される可能性も指摘されている。

また、次期スープラは電動化やハイブリッド化を取り入れた新世代スポーツへ移行するとの見方が強い。その場合、純粋な内燃機関スポーツとしてブランドの中心を担うのは、むしろセリカになる可能性もある。

かつてトヨタは、セリカ、MR2、スープラ、レビン/トレノなど、多彩なスポーツカーを展開していた。現在のGRブランドは、その黄金時代を現代の技術で再構築しようとしているようにも映る。

現時点の情報を総合すると、GR86はエントリースポーツ、セリカはブランドの中核を担う4WDスポーツ、そしてスープラはフラッグシップという役割分担が浮かび上がってくる。

WRCで培ったDNAを受け継ぐ4WDスポーツとしてセリカが復活すれば、それは単なる車名の復活ではない。GRブランド全体を象徴する存在として、新たなスポーツカー戦略の中心を担う一台になる可能性が高い。

GR86、次期スープラ、そして復活が期待されるセリカ。トヨタは再び、多彩なスポーツカーをラインアップする時代へ歩み始めようとしているのかもしれない。