1.5L 直列4気筒ターボエンジンと電気モーターを組み合わせ、システム最高出力429psを発揮か
往年の日産SUV「テラノ」が、電動化時代の本格SUVとして復活する可能性が浮上してきた。

日産が公開した「テラノPHEVコンセプト」は、フラッグシップSUV「パトロール」とミドルクラスSUV「エクストレイル(北米名:ローグ)」の中間を担う新型SUVを示唆するモデルとみられている。現時点で日産は市販化を正式発表していないものの、今後1年以内の登場が有力視されており、かつて人気を集めた「テラノ」の車名が復活する可能性にも注目が集まっている。
興味深いのは、この新型SUVが単なる新車ではなく、日産と三菱アライアンスが進める次世代SUV戦略を象徴する存在になる可能性があることだ。
デザインは、近年の日産車とは一線を画すスクエアなフォルムを採用する。水平基調を強調したボディに、イルミネーション付きの「NISSAN」ロゴを配置。その下には3連の長方形LEDシグネチャーを組み合わせ、力強さと先進性を両立したフロントフェイスを実現している。市販モデルではグリルやバンパーの形状が変更される可能性はあるものの、このライトシグネチャーは新型テラノを象徴するデザインとして受け継がれる可能性が高そうだ。

さらに、張り出したフェンダーや厚みのあるバンパー、大径タイヤなども本格SUVらしい存在感を演出している。コンセプトモデルにはルーフラックや補助ランプ、リアキャリアなども装着されているが、市販化にあたっては実用性やコストを考慮した現実的な仕様へ変更されるとみられる。とはいえ、武骨なスタイリングという基本コンセプトはそのまま受け継がれる可能性が高いだろう。
パワートレーンの詳細は公表されていないが、中国市場向け「フロンティアプロPHEV」と基本構成を共有する可能性があるという。実現すれば、1.5L 直列4気筒ターボエンジンと電気モーターを組み合わせ、システム最高出力429ps、最大トルク800Nm級という高性能PHEVになる可能性もある。

このスペックが実現すれば、単に高出力というだけではない。モーターならではの瞬時に立ち上がる大トルクは、悪路での繊細な駆動力制御はもちろん、高速道路での余裕ある追い越し加速にも貢献するはずだ。さらにPHEVであれば、市街地ではEVとして静かに走行し、長距離ではエンジンとモーターを効率よく使い分けるなど、本格SUVに求められる走破性と日常での扱いやすさを高いレベルで両立できる可能性がある。
そして、この新型テラノを語るうえで欠かせないのが、三菱次期「パジェロ」との関係で、この新型テラノを語るうえで見逃せないポイントでもある。
日産と三菱はアライアンスのもとでSUVや電動車の共同開発を進めており、新型テラノもその流れの中から誕生する可能性がある。仮に共通プラットフォームやPHEVシステムを採用すれば、両モデルは基本骨格を共有する兄弟SUVとして展開されることも考えられる。
もっとも、兄弟モデルになったとしても、両車のキャラクターは明確に差別化される可能性が高い。
次期パジェロは、本格クロスカントリーSUVとして悪路走破性を最優先に開発されるとみられている。一方のテラノは、PHEVを軸にオンロードでの快適性や静粛性、高速巡航性能を重視したプレミアムSUVという立ち位置が有力だ。
こうした役割分担は、現在の自動車業界では珍しいものではない。同じプラットフォームを採用しながら、それぞれ異なる商品価値を持たせることで開発コストを抑えつつ、ブランドごとの個性を際立たせる手法は各メーカーで広がっている。
日産と三菱も、アライアンスのメリットを最大限に生かしながら、本格SUV市場で新たな選択肢を提示しようとしているのかもしれない。
また、PHEVという選択も、テラノの商品性を特徴づける重要な要素になりそうだ。
近年は電動化が急速に進む一方、本格SUVでは長距離走行や悪路走破性も重視される。その点、PHEVは日常ではEVとして静かに走行しながら、ロングツーリングやアウトドアではエンジンを活用できるため、本格SUVとの親和性が高いパワートレーンと言える。
現時点で日産は、市販モデルの投入時期や販売地域を正式には明らかにしていない。しかし、テラノPHEVは中国市場だけを視野に入れたモデルではなく、グローバル展開を前提に開発が進められているとみられる。
日本市場でもランドクルーザーシリーズやジムニーなど、本格SUV人気は依然として高い。さらに電動車への関心も年々高まっていることを考えれば、新型テラノがグローバルモデルとして登場した場合、日本導入が検討される可能性も十分あるだろう。
もちろん、現時点では「テラノ」の車名や日本導入について日産から正式な発表はない。それでも、もしテラノが次期パジェロと基本骨格を共有しながら、それぞれ異なる個性を持つ兄弟SUVとして復活すれば、日産と三菱アライアンスの新たな象徴的モデルになる可能性がある。
かつて本格SUVとして人気を集めたテラノは、電動化によって新たな時代へ踏み出そうとしている。PHEVという新しいパワートレーンを得たテラノが、パジェロとは異なる魅力を持つプレミアムSUVとして復活するのか。今後の正式発表が注目される。






