購入からおよそ6年、なんだかんだで6500kmほど走行しているJOGアプリオ。おばさん風の出立ちなのにリヤタイヤにはBATTLAX BT-39SS Mini。

速いか、遅いか、さっそく試走!

持ち主が気になっていた症状は、

・エンジンが回り切らない
・坂道でより顕著
・アクセルを再度開けるとボコつく

KN-YOKOHAMA佐々木さんにJOGアプリオに走ってもらった……数分後。

帰ってきての第一声は

「エンジンが原因ではなさそう」

二言目には

「駆動系かも……」

エンジン回転のもたつきは気になるけれど、その後にしっかりと高回転に移行して、最高速まで加速する→駆動系が原因か?

スロットルを急に開けると息つきを起こす→吸気周りが原因か?

そもそもエンジンの焼き付きが原因なら、冷えたら復活!なんてことにはならず、もっとダメージは深刻なはず。

まずは、駆動系と吸気周りを確認して、それでも改善が見られなかったらエンジンを開ける、という段取りに。

怪しいのは吸気周り!?

エアクリーナーボックスを開けてフィルターを見る。年式の古いスクーターでは、スポンジタイプのエレメントが劣化して崩れていることも珍しくない。消耗品として定期交換が必要な部分である。さて中身を見ると、特別汚いとわけではなく、相応の汚れ。とはいえ、スポンジの目にオイルが詰まってしっとりしている。目詰まりは吸気効率を妨げる元になるので新品に交換した。

吹け上がりが悪いのでスパークプラグもあわせて確認。燃料が濃いような症状も出ていたわりには、プラグの状態はそれほど悪くはなさそう。

>キャプション

フィルターの目が詰っていたので新品(右)交換した。
2ストスクーターで気になるのはクランクケース周りのオイル飛散だ。排気漏れやオイルポンプ周辺に問題があると、オイルが飛び散ることもある。しかし今回のアプリオについては、オイル汚れはあまりみられず。

駆動系に疑惑あり

次に確認したのは駆動系である。

エンジンが生んだパワーはクランクシャフトからドライブプーリーに伝達。

ドライブプーリーは遠心力で自動変速し、Vベルトを介してドリブンプーリー(クラッチ・トルクカム側)に伝わる。

この駆動系のどこかの動きが悪いとエンジンパワーを活かしきれず、ちゃんと走ってはくれない。

駆動系カバーを開けて、

佐々木さんが放った一言目が

「けっこう汚い」

摩耗したVベルトのカスがケース内に散っているのだが、筆者的には2000kmくらい走ったことも考えれば「いつも通り」「普通程度」の汚れと思っていたのだが……、じつは汚い分類にはいるだったようだ。

ウエイトローラーの状態を見ると、段減りもなくきれいな状態で、このまま使い続けても問題はなさそう。

ドライブプーリーとドライブフェイスは表面、裏面とも傷や消耗は無さそう。

プーリーボスの色が黒く変わっている部分が摩耗している。プーリーボスとプーリー側の軸のメタルとの膨張率の違いで、駆動系が熱せられると動きが悪くなるのだろうか。

佐々木さんが気づいたのがプーリーボスの摩耗。指の腹で触ると少し痩せているように感じ、プーリーにボスを差し込むとクリアランスが広く、グラつきがみられた。

プーリー側のブッシュ(金色のメタル部分)の摩耗しているようなので、本来はプーリー本体も交換するのがベストだが、ひとまずプーリーボスのみ新品にして、改善するかを確かめることとした。

全体的にきれいにあたりがでているクラッチシュー。ドリブン側一式は問題がなさそうだったので分解せず、このまま使用した。

ドリブン側(クラッチ・トルクカム)に気になる点はなく、このまま使用。Vベルトもまだ太さは十分で、今のプーリーとしっかり当たりがついているので、継続使用した。

粉塵まみれの駆動系ケース

駆動系ケース内はVベルトの削りかすが特に目立つので、パーツクリーナーで洗い流す。プーリーやプーリーフェイス、ウエイトローラーもかなり汚れており、何度も洗い流す必要があった。

今回はいつもより丁寧にクリーニングするため、ドライブプーリーの奥にあるスターターギヤ周りも分解し洗浄を行った。

プラグ、フィルター、ボス。これで変わる?

外装一式まで組んで、作業は完了。アクセルを乱暴に開けるとウイリーするほど、パワフルさをとり戻しました。 佐々木さん、今回もお助けありがとうございまーす!

再びの試走から戻ってきた佐々木さんから「直りました」と、ひとこと。

不調の要因はやはり駆動系だったよう。

見事に復活したJOGアプリオ。今後も連載企画は続きます。

5分ほど走行して駆動系が熱ダレしてくると、普段は気にならない程度だったプーリーボスの摩耗が変速ロスとして表面化していたのかもしれない。

エンジンパワーが小さい、かつパワーバンドも狭い2スト50cc系スクーターにとって、わずかな駆動セッティングのズレが大きなパワーロスの原因となる。100ccクラスだったり、はたまたトルクの太い4ストでは気にならない程度のロスでも、50ccでは体感できてしまうほど加速性能に影響してしまうのだ。

結果として、不調の原因は焼き付きやエンジントラブルといった深刻なものではなかった。しかし駆動系の小さなガタが与える影響は想像以上に大きかったわけである。

何はともあれ、かつてのパワフルさが舞い戻った、筆者のJOGアプリオ。

発売から20年以上が経っているという年式の古さはあっても、定期的な点検とメンテナンスで現役として走ってくれる。日常メンテの重要性を改めて実感する機会となった。

装着パーツ一覧

●エンジン

・KN企画 KN EX3ポート アルミメッキボアアップKIT
・KN企画 ピストン ニードルベアリング ヤマハ50cc系
・KN企画製スポーツマフラー「G03X」
・KN企画 横型エンジンJOG系【エアーエレメント】ターボタイプ【規制後】
・KN企画 メインジェットセット【14本セット】 ヤマハ系ノーマルキャブ
・KN企画 スロージェットセット ヤマハ系ノーマルキャブ 【14本セット】
・NGK スパークプラグ BPR8HS
 ・ヤマハ グランドアクシス100/1型純正キャブレター(中古品)
・ヤマハ グランドアクシス100/1型純正CDI(中古品)

●駆動系

・KN企画 駆動系キット ヤマハ横型エンジン50cc系スクーター
・KN企画 ヤマハドライブフェイス クローワッシャ付ノーマルタイプ【細軸】 
・KN企画 強化センタースプリング【ヤマハ/スズキ】黒1000回転UP
・KN企画 トルクカム ヤマハ50ccスクーター系 【RL-02】
・KN企画 ヤマハ系 2枚クラッチアッセン一式【純正タイプ】

●車体

・KN企画製リヤショック・スーパーショック 【廉価版/減衰調整なし】230mm
・KN企画 ハンドルグリップ補修用ノーマルタイプ・非貫通タイプ
・リヤタイヤ BT-39SS(3.50-10
・丸直シート張り替え/ゲルザブ埋め込み加工

主要諸元

型式/エンジン型式:BB-SA 11J/A113E
全長/全幅/全高 :1,615mm×630mm×1,000mm
シート高 :715mm
軸間距離 :1,135mm
最低地上高 :85mm
乾燥重量/装備重量:65kg/70kg
舗装平坦路燃費:62.0km/L(30km/h)
原動機種類 :空冷2サイクルクランク室リードバルブ
気筒数配列 :単気筒
総排気量:49cm3
内径×行程 :40.0×39.2 mm
圧縮比:7.2:1
最高出力:4.6kW(6.3PS)/7,000r/min)
最大トルク:6.6N・m (0.67kgf・m)/6,500r/min
始動方式 :セル・キック併用式
潤滑方式 :分離油滑式
オイルタンク容量:0.8リットル
燃料タンク容量:6.0リットル
キャブレター形式 :Y14P
点火方式 :C.D.I式
バッテリー容量/型式:12V、2.5AH(10H)/GT4B-5(MF)
1次減速比/2次減速比 :3.692/3.230
クラッチ形式 :乾式内拡重錘式、コイルスプリング
変速機形式 :Vベルト式無段変速
変速比 :2.493~0.789
フレーム形式 :バックボーン(パイプ)
キャスター/トレール :24°00′/69mm
タイヤサイズ (前/後):80/90-10 34J/80/90-10 34J(前後チューブレス)
ブレーキ形式 (前/後):ドラム/ドラム
懸架方式 (前/後):テレスコピック/ユニットスイング
ヘッドライト:12V.35W/36.5W  (ハロゲン)

【13】馬力3割り増、ボアアップした2ストスクーターをシャシダイに掛けた結果。|楽しいアプリオ13 | Motor Fan|自動車情報のモーターファン

49ccから68ccに排気量を上げた。燃調、駆動系ともにセッティングを終えた。 20年落ちでボロボロだった中古スクーターのJOGアプリオだったが、出足がビュン! 最高速もグイィィーンに生まれ変わった。さてこの4.5万円で […]

https://motor-fan.jp/article/2786/
【17】「社外マフラーに交換したら最高速+10km/h、ウイリー仕様になっちゃった」の巻!|楽しいアプリオ17 | Motor Fan|自動車情報のモーターファン

Q:現行125ccスクーターに買い替え……じゃダメですか? A:ダメ! だってデカいんだもん。 中古車の購入から2年。メンテナンス→駆動系チューン→リミッター解除→ボアアップと、少しずつ成長する喜びを体感してきた我が愛車 […]

https://motor-fan.jp/article/64120/