WRX S4、レヴォーグのFA24エンジンをパワーアップ!
クルマのチューニングというと、マフラーやエアクリーナー、車高調など、目に見えるパーツを交換するイメージが強い。しかし、今回紹介するHKSの「Mastery ECU」は、それらとはちょっと違う。
交換するパーツは基本的にない。では、いったい何をするのか?
簡単に言えば、クルマの頭脳ともいえるECU(エンジンコントロールユニット)に入っている制御データを書き換えるというもの。HKSでは、実車を使ってテストを行い、作成したチューニングデータをECUに書き込むことで、純正とは異なるエンジン特性を引き出している。
HKSは現行の人気スバル車用にチューニングECUを開発。WRX S4(VBH)とレヴォーグ(VNH)のFA24エンジン用に設定された「Mastery ECU Phase2」を新発売。

そもそもECUってナンダ?
まずはECUについて簡単に説明しておこう。ECUとは、エンジンを動かすためのさまざまな情報を管理しているコンピューターのこと。アクセルを踏んだときに、どのくらい燃料を噴射するか、点火をどうするか、ターボの過給圧をどう制御するか、といったエンジン制御に関わる重要な役割を担っている。
つまり、同じエンジンでも、ECUに設定されている制御データが変われば、クルマの走りも変わるということだ。Mastery ECUは、そんな純正ECUのデータをHKSが開発したチューニングデータへ書き換えるメニュー。しかも、単純に「データを変更して終了」というものではない。HKS本社で実車を使って十分なテストを行い、セッティングを煮詰めたデータが使用されている。
Mastery ECUの大きな特徴は、エンジンそのものを交換したり、大掛かりなパーツを追加したりするのではなく、ECUの中身を書き換えることでエンジンの性能を引き出すところ。
今回の「Phase2」は、スピードリミッターを180km/hから240km/hへ変更するとともに、燃料、点火、トルクなどの各MAPを最適化。特に中回転域のトルクを大きく補うことで、ワインディングや高速道路への合流などで力強い加速を実現。
では実際にECUをHKS仕様に書き換えをすると数値的にどう変わるのか?
【WRX S4(VBH)計測データ】
最高出力 267ps→278ps
最大トルク 38.4kgf・m→43.7kgf・m


| VBH WRX S4 純正 | HKS「Mastery ECU」書き換え後 | |
| 最高出力 | 196kW (267PS) | 204kW (278PS) |
| 最大トルク | 377N·m (38.4kgf・m) | 429N·m (43.7kgf・m) |
| 過給圧 | 103kPa (1.05kgf/cm2) | 135kPa (1.38kgf/cm2) |


【レヴォーグ(VNH)計測データ】
最高出力 277ps→294ps
最大トルク 38.3kgf・m→43.1kgf・m

| VNHレヴォーグ 純正 | HKS「Mastery ECU」書き換え後 | |
| 最高出力 | 204kW (277PS) | 216kW (294PS) |
| 最大トルク | 376N·m (38.3kgf・m) | 423N·m (43.1kgf・m) |
| 過給圧 | 108kPa (1.10kgf/cm2) | 132kPa (1.35kgf/cm2) |


上記データは、HKSがシャシダイナモで計測した数値。WRX S4もレヴォーグも馬力とトルクがほぼ全域でしっかり向上しているのがわかる。パワーカーブから読み取れるのは、特に中回転域での力強さを狙ったセッティングとなっているということ。単純に「最高速が上がる」というよりも、アクセルを踏み込んだときの加速感に違いが出るタイプのチューニングと考えるとイメージしやすい。特に中高速域でのトルク向上は、街中で危険回避のための急な加速、高速道路での合流や料金所ダッシュなどでの使いやすさが大きく向上ずるはずだ。
購入方法はちょっと特殊!?
販売店経由でオーダーして、自車ECUをHKSに送る
通常のチューニングパーツなら、ショップなどで「購入→取り付け」で完了する。Mastery ECUは、ここがちょっと違う。まずはプロショップやスーパーオートバックスなどのHKS商品販売店へ問い合わせて、車両仕様と希望するデータを確認。そのうえでオーダーシートをHKSへ送り、専用の梱包箱を使って自車ECUをHKSへ発送する。そしてHKSでECUの書き換え作業を行い、完了したECUが販売店へ返送される。最後に販売店で車両へECUを装着して完了という流れだ。
ECUチューニングというと、どうしても現車合わせ、パソコンでデータを書き換えるという少し敷居の高いイメージが強い。しかも最近の新型車だとアイサイトの影響などもあり、ECUは少し手の出しにくい部分。だがしかし、そこはしっかりと実車でデータ取りやテストを行っているHKSなので安心してチューニング可能。少し身近になったECUチューニングで、WRX S4&レヴォーグの走りのグレードアップを狙ってみよう。
HKS Mastery ECU Phase2
■価格:15万4000円
■対応車種:WRX S4(VBH)、レヴォーグ(VNH)
https://www.hks-power.co.jp/product/electronics/computer/masteryecu/index.html
