
ZC33Sの登場は2017年9月。同年12月の筑波スーパーバトルで、すぐさまレイルもZデモカーを走らせた。以降毎回、チューニングを積み重ね、タイムを縮めてきた。
ZC33S界隈で目標となる、最速タイムも刻んできた。ベストタイムは当初の1分5秒766から最新は58秒525。Attack筑波2026で叩き出している。
同社のリアルスポーツダンパーspec Beatrushは、その戦績を支えてきたサスパーツである。サーキット派の間で人気のキットとなっている。タイムを追う、ガチ勢からの支持も高い。車両製作を担当する渋谷幸司さんが話す。

「サスに関して、いきつくところまで、やりつくした気持ちはあります。タイヤはラジアル(フロント 225 、リア215幅の17インチ)からスタートして、現在はフロント255、リア225幅のセミスリック。
たくさんデータを取りました。キットを愛用するカスタマーにフィードバックできる情報が豊富にあり、逆に受け取る場合もある。皆さんがデータを共有しながら、切磋琢磨してZC33Sでサーキットを楽しんでいます。
近年はカスタマーもフロントタイヤの幅がどんどん広くなっている。そういうアップデートにも対応しやすくしました」とのこと。
レイルのZC33Sは昨年がフロント255/40R17、リア225/45R17だった。銘柄はADVAN A050 G/Sだ。Attack筑波2026からフロントタイヤには265/35R18を履き始めた。
「弊社の車高調キットはネジ式です。4輪にヘルパースプリングも併用しています。利点はストローク確保以外にもあります。ストラット式のフロントに太いタイヤを履く際はネジ式なので、構造上、ダンパーとタイヤのクリアランスを得やすい。
そして、スプリング。255幅クラスのハイグリップタイヤを履くカスタマーは、ハイレートを求めます。同時に車高を低く保ちたい。自由長を短く140mmに抑えた、フロント用18㎏/㎜、20㎏/㎜を製作し、提供しています。
リアもハイレートがそろっています。デモカーのバネレートも前後20㎏/㎜付近です。最近、タイヤ幅を広めたカスタマーからは、ツルシのセットから変えずにタイムが上がったと、うれしい声が聞けました」と渋谷さん。
もっとも、フロントフェンダーに255や265幅を収めるのは、簡単にはいかない。

「255幅なら純正のフロントフェンダーに手を入れて、なんとかですが、265/35R18では難しい。デモカーは、どうにか純正べースで成立させている。改善に商品化まで考え、ちょっとしたオーバーフェンダーを社内で試作中です。
本当はAttack筑波2026に間に合わせたかった。じつはいまのホイールのリム幅は9.5Jで、そうでないと、車体に合わない。オーバーフェンダーにしてトレッドが増やせれば10.0Jが使える。絶対に10.0Jのほうがタイムは出る。
Attack筑波2026では、サスセッティングも思い描いた方向からズレてしまった。そろそろタイムアタックシーズンに向けて、テストを始めます」という。
とはいえ、デモカーの筑波タイムはAttack筑波2025の58秒941から、同2026では58秒525と、約0.4秒短縮されている。
「タイヤ変更と、あとはエンジンです。タービンハウジングの加工と、ECUの細かなリセッティングをした。タービン交換(ブーストマジック製ボールベアリング式)で、直噴インジェクターの容量を上げた仕様は前年と同じです。
ダイナパックで230ps台の最高出力(修正係数なし)こそ変わっていませんが、到達までの性能曲線に差がある。もっとも、純正ECUの書き換えでは制御上、このあたりが上限と見ています」。
レイルは全日本ダートトライアル選手権の改造車D1クラスにもZC33Sで参戦中。2台のデモカーからK14Cエンジンについての興味深いトピックがある。

ダート車のエンジンはノーマルなので上の回転域では、バルブのサージングを感じます。タイムアタック車両は症状が出ない。スムーズに回ります。
ダート車のエンジンはノーマルなので上の回転域では、バルブのサージングを感じます。タイムアタック車両は、症状が現れない。スムーズに回ります。
ハイブーストのタービン換装仕様で走るカスタマーの中にも、サージングの可能性を指摘する人がいる。身近に強化バルブスプリングが流通すれば、対策できると思います」とのことである。
速さを求める方向でのチューニングの余地。レイルのチャレンジは続いている。
■レイル
TEL045-824-1835