三菱自動車が、新型パジェロに続く新たなSUVの投入を計画している。なかでも注目されるのが、トヨタRAV4と競合するクラスに投入される新型クロスオーバーSUVだ。かつて人気を集めた「パジェロイオ」を思わせるモデルとなる可能性が浮上している。

三菱パジェロファミリー

入手した情報によると、新型SUVの登場時期は2028年から2029年頃。新型パジェロの弟分に位置づけられるモデルで、モノコック構造をベースに電動パワートレーンを組み合わせる方向で開発が検討されているという。

パジェロ イオ 予想CG

三菱は2026年9月2日、約7年ぶりに国内市場へ復活する新型パジェロを世界初公開した。さらに10月1日には予約注文を開始。全国各地で先行展示も始まり、久々に復活する本格クロスカントリーSUVへの期待が高まっている。

三菱が描く新たなパジェロファミリー。新型パジェロの次に控えるのは?

パジェロ 新型

しかし、三菱が進めているのはパジェロ単独の復活ではない。同社は2026年5月に発表した新中長期ビジョンで、パジェロを頂点とするシリーズ展開を明言。2026年度から2031年度までの6年間で13車種の新型モデルを投入し、オフロード商品群とASEAN(東南アジア諸国連合)向け商品群に経営資源を集中する方針を示している。

この構想について、三菱の加藤隆雄CEOは、新型パジェロの下にスモールSUVやコンパクトSUVを追加する方向性を説明している。具体的な車名や仕様は未発表だが、かつてのパジェロファミリーを現代の市場に合わせて再構築する計画が動き出している。

パジェロイオ復活か? 2028~2029年にRAV4対抗の新型SUV登場の可能性

三菱パジェロファミリー

そこで浮上するのが「パジェロイオ」の復活だ。

パジェロイオは1998年に登場したコンパクトSUVで、本格クロカンのパジェロと軽自動車のパジェロミニの中間を担ったモデルである。扱いやすいボディサイズながら、悪路走破性を重視した設計が特徴だった。

今回情報を得た新型SUVも、パジェロより小さく、一般的な乗用車ベースのSUVよりアウトドア性能を重視するという点で、かつてのパジェロイオに近い位置づけとなりそうだ。

ただし、正式名称が「パジェロイオ」になるという情報は現段階で確認されていない。あくまで歴代モデルとの関係から考えられる車名候補のひとつである。

ラダーフレームではなくモノコック。HEV/PHEVを搭載か?

新型SUVのメカニズムは、本家パジェロとは大きく異なる可能性がある。

2026年に発表された新型パジェロは、ピックアップトラック「トライトン」のラダーフレームをベースに、新たなフレームやサスペンションを開発した本格クロスカントリーSUVだ。専用開発の2.4L直4クリーンディーゼルエンジンは最大トルク480Nmを発生し、新開発8速ATを組み合わせる。

さらに、三菱伝統の4WDシステム「スーパーセレクト4WD-II」に、車両運動統合制御システム「S-AWC」を採用。悪路走破性だけでなく、舗装路での操縦安定性や快適性も高めている。

一方、開発が噂されるRAV4対抗SUVは、モノコック構造によって軽量化を図り、ハイブリッドまたはプラグインハイブリッドを中心とする電動化が検討されている模様だ。

電動4WDの採用も考えられる。三菱はすでに「アウトランダーPHEV」で、前後独立モーターによるツインモーター4WDとS-AWCを組み合わせた電動四輪駆動技術を実用化している。

新型SUVがこうした技術を応用すれば、日常走行での燃費性能や静粛性を確保しながら、雪道や未舗装路でも高い走行性能を発揮できる。ただし、電動4WDの採用や具体的なシステム構成は、現時点では確定していない。

気になるのは、アウトランダーPHEVとの棲み分けだ。

アウトランダーPHEVが上質な乗り心地や電動走行性能を重視するSUVであるのに対し、新型パジェロ系SUVでは、よりタフな外観とオフロード性能を前面に押し出す可能性がある。

スクープ班が入手情報をもとに制作した予想CGでは、直線基調のボディに大型フロントグリルを組み合わせ、三菱の象徴であるダイナミックシールドを進化させたフロントマスクを採用した。

薄型LEDヘッドライトと縦方向に配置したLEDランプを組み合わせ、フロントバンパー下部には大型アンダーガード風の造形を与えている。

サイドビューでは、水平基調のウインドーラインや張り出したフェンダー、厚みのある樹脂製ホイールアーチが特徴だ。都会的なクロスオーバーSUVというより、悪路での使用を意識した力強いスタイリングに仕上げている。

もちろん、このデザインは現段階で得られた情報をもとにした予想であり、市販モデルの外観が確定したわけではない。

パジェロミニも復活か? 2030年頃にジムニー対抗の軽SUV登場の可能性

さらに、パジェロシリーズにはもう1台の新型SUVが加わる可能性もある。

それが、かつて1994年から2012年まで販売された軽クロスカントリーSUV「パジェロミニ」の後継モデルだ。

入手した情報では、2030年頃の登場が候補に挙がっており、軽自動車用プラットフォームに660ccターボエンジンと4WDを組み合わせる構想があるという。

現在の三菱には軽スーパーハイトワゴンの「デリカミニ」が存在するが、パジェロミニ後継では最低地上高を高め、より本格的なSUVスタイルを採用する可能性がある。

こちらも車名や市販化の時期は正式決定していないものの、実現すればスズキ「ジムニー」と競合する軽SUVとして注目を集めそうだ。

かつて三菱は、パジェロを中心にパジェロジュニア、パジェロイオ、パジェロミニを展開し、幅広いユーザーを獲得していた。

新たなシリーズ構想では、本格クロカンのパジェロを頂点に、RAV4クラスの電動SUV、さらに軽SUVという3階層のラインアップが想定される。