クラスナンバー1の荷室空間 動力性能や操縦安定性も絶妙

ホンダのコンパクトSUVは2車種ある。ヴェゼルとWR-Vだ。WR-Vを軸に両者の違いを整理すると、ヴェゼルに対してWR-Vはハイブリッドや4WDの設定がない〝割り切って集中したパワートレイン〞とし、電動パーキングブレーキを採用しないなど装備もシンプルとすることで価格帯を低く抑えている。つまり買いやすいのだ。
エクステリア




加えてラゲッジルームが広いのも自慢。ヴェゼルのガソリン車はアンダーボックスまで含めて341ℓしかないが、WR-Vは床下収納を含めずに458ℓもある。これはクラスナンバー1の広さだ。すなわち、WR-Vの中心的なターゲットとなるのは「ハイブリッドや4WDは不要で、できるだけ安くコンパクトSUVを手に入れたい人」と「荷室の広いコンパクトSUVが欲しい人」と言っていいだろう。もうひとつ、スマートで都会的なスタイリングのヴェゼルに対し、WR-Vのデザインはラギッドで力強い。このワイルドに振ったスタイルもWR-Vを選ぶ理由になり得る。
乗降性


コストパフォーマンスの話をすれば、「トヨタ・ヤリスクロスのガソリン車の方がリーズナブル」というのも事実ではある。しかし、WR-Vはヤリスクロスに対して荷室の広さだけでなく後席の広さでもアドバンテージがあり、実用性と価格のバランスという視点に立って考えればWR-Vは相当に魅力的だ。パワートレインは全車共通で、1.5ℓの自然吸気エンジン(3気筒ではなく4気筒なのがうれしい!)にCVTを組み合わせ、前輪駆動としている。
インストルメントパネル

さすがにエンジンはパワフルとまではいかないものの、必要にして十分な動力性能。目を見張るのはシャシー性能の高さで、ハンドリングの正確性はなかなかのもの。右へ左へハンドルを切る峠道でもキビキビ走れ、素直な操縦性だから不安感はまったくない。それでいて乗り心地にも硬さのないチューニングのバランスの絶妙さはさすがだ。グレード選びに関しては価格の安い「X」に目を奪われがち。しかしイチオシはミドルグレードの「Z」。17インチタイヤとアルミホイールが備わって見栄えが良くなる。そして内装も、シート表皮が肌触りの良いタイプとなるほか、ステアリングやシフトノブが本革巻きになり、さらにインパネやドアの内張りにソフトパッドが加わって上質化されるのがいい。満足度は大きく高まる。
居住性


一方で約15万円高い最上級グレードの「Z+」になるとシート表皮がすべて柔らかい肌触りが魅力のレザー調素材のプライムスムース張り(「Z」はプライムスムースとファブリックの組み合わせ)となってインテリアがもうワンランクアップする。そしてフロントグリルがブラック調となり、ルーフレールガーニッシュとドアロアガーニッシュ&ドアモールディングがシルバー調となるなどドレスアップ要素が強まる。そのあたりは「好み次第でどうぞ」といったところだ。
うれしい装備






月間販売台数 1376台(25年11月~26年4月平均値)
現行型発表 23年12月(一部改良 25年3月)
WLTCモード燃費 16.4㎞/ℓ※「X」

ラゲッジルーム


WR-Vはややもすると「安いだけが魅力のコンパクトSUV」と思われがち。しかし操縦安定性と実用性をきっちり押さえた質実剛健なモデルだと筆者は強くお伝えしたい。


「2026-2027年 コンパクトカーのすべて」モーターファン別冊 統括シリーズVol.177|最強のクルマバイヤーズガイド【モーターファン別冊 ニューモデル速報】公式サイトモーターファン別冊 統括シリーズ Vol.177「2026-2027年 コンパクトカーのすべて」/2026年6月4日発売。
http://motorfan-newmodel.com/integration/177/
